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IIBC

なぜ、今、TOEIC Programを 採用する企業が増えているのか?

【月刊HOTERES 2017年09月号】
2017年09月12日(火)
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(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会(以下、IIBC)は「TOEIC Program」で知られる英語テストの実施・運営団体だが、『人と企業の国際化の推進』を基本理念に掲げ、TOEIC Program だけでなく出版やグローバル人材育成のためのさまざまな事業を展開している。本編では同財団のTOEIC Program だけにとどまらない、英語初級者の学習動機づけから上級者の実践的なコミュニケーション能力向上支援まで、グローバル人材育成に向けたさまざまな取り組みを、IP 事業本部 IP 普及ユニット ユニットマネジャーの永井聡一郎氏のコメントとともに紹介する。
 


永井 聡一郎 氏


真のコミュニケーション能力が
お客さま対応の現場で求められる時代に

 
 訪日外国人が増加する中で、語学対応は重要なテーマとなっている。ホテルやレストランによっては英語(中国語)対応は特定のスタッフに任せているケースは少なくない。しかし、「英語が話せる」と「ホテルとして適切な対応ができる」ということはまったく別の話。顧客個人の評判が口コミなどで書かれ、ホテルの評価につながる現状からすれば、コミュニケーション能力は重要だ。
 

事実が示す実績
国際化への対応を目指す企業が
TOEIC Program を続々と採用している

 
 まずはIIBC が運営するTOEIC Programについて整理したい。TOEIC Program には大きく分けて3つのテストがあり、それぞれのレベルやニーズに合わせたプログラムを展開している。
 

■ TOEIC Listening & Reading Test
(以下『TOEIC L&R』)

 
 日常生活やグローバルビジネスに活きる“ 英語で聞く・読む能力” を測定するテスト。評価基準が一定に保たれているため、継続して受験することで英語能力の伸びを確認することができる。

■ TOEIC Speaking & Writing Tests
(以下『TOEIC S&W』)

 
 日常生活やグローバルビジネスで活きる“ 英語で話す・書く能力” を測定するテスト。発信する能力の測定に重点が置かれ、相手の意図や要求を正しく理解し、適切に対応することができるかが試される。すなわち、一方的な発信ではなく双方向のコミュニケーションを成立させることができるかが問われる。そのため、採点は機械ではなく複数の採点者によって行われる。団体特別受験制度(IP:Institutional Program、以下IP テスト)では、TOEIC Speaking Test とTOEIC Writing Test、それぞれ単独での受験も可能。
 

■ TOEIC Bridge Test
 
 英語学習初級者から中級者を対象とした、日常生活における活きたコミュニケーションに必要な、“ 英語で聞く・読む能力” を測定するテスト。TOEIC L&Rへの架け橋という意味を込めて開発され、TOEIC L&R よりも「やさしい」「日常的で身近」「試験時間が短い」といった特長がある。

 というように、対象者のレベルに合わせ、複数のテストプログラムが用意され
ている。
 そして、図表1、2 をご覧いただきたい。(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会が実施するTOEIC Tests、「TOEIC L&R」と「TOEIC S&W」の国内受験者数の推移だ。


「TOEIC L&R」の国内受験者数の推移


「TOEIC S&W」の国内受験者数の推移


同図表では、主に一般の個人受験者が受験する「公開テスト」と、企業内などで実施される「IP テスト」の各受験者数と総数を示している。受験者数は着実に増加しており、国際化する市場に対応しようという企業から、同協会のサービスが着実な支持を受けていることが分かる。

 
ホテルなどホスピタリティの業界でも
導入企業が増加中

 
 なぜ、ここまでTOEIC Programが支持を得るのか? IIBC のIP事業本部 IP普及ユニット ユニットマネジャーの永井聡一郎氏は、以下のように語る。
 
「国際化が進むなか、多くの企業が英語コミュニケーション能力の向上に取り組まれています。
 その中で、当協会が提供するTOEIC Program がTOEIC L&R を軸として、初中級者に対応するTOEIC Bridge Test から発信力を測定するTOEIC S&W まで幅の広いプログラムをご提供していることがご評価いただけているようです。
 ホテル業界では、海外本社との連絡・会議などで英語を必要とするマネジメントスタッフや、外国人のお客様に接客対応するスタッフの英語力向上を目的にテストを採用いただいています。主な利用目的は、研修事前事後の効果測定、全社的な目標スコアの設定、自己啓発などが挙げられます。近年では、TOEIC L&Rに加え、英語力上位層に対してはTOEIC S&W、ボトムアップにはTOEIC Bridge Test を並行利用することで、段階に応じた英語力向上に対応できる点をご評価いただいているようです。
 ほかにも、航空会社では客室乗務員の方だけでなく、グランドスタッフ、整備士の方までそれぞれのレベルに合わせて各テストを採用いただいています。
 また、小売・外食業界では、英語での接客対応力を向上するための研修の一環として使われたり、一部の企業では目標スコアを設定し、毎年1000 名規模で受験されています。
 TOEIC Program =スコアを測るものというイメージが先行しがちですが、レベルに合わせたテストを継続的に受験することで、自身の成長を実感でき、それが継続的な学習のモチベーションにつながります。その結果、社員の皆さまの英語力が向上し、キャリアアップやホテルを訪れるお客さまの満足度向上につながればと願っています」
(永井氏)
 

 ここからは、企業研修の一環としてさまざまな企業から評価を得ているTOEIC Prograの特長や採用されている理由などを紹介したい。
 
 
初級者のための、 TOEIC Bridge Test
「何から始めたらよいかが分からない」
を解決

 
 TOEIC Bridge Test は初中級者を対象としたプログラム。特に英語研修を導入する場合、初級者が「何から始めればよいか分からない」というハードルが大きいようだ。そこで難しい試験を課してしまえばそのスタッフの英語嫌い・アレルギーを助長してしまう。結果、英語研修は一定のレベルのスタッフを選抜して実施されているのが現状ではないだろうか。
 TOEIC Bridge Test は英語学習初級者から中級者を対象とした、日常生活における活きたコミュニケーションに必要な、“英語で聞く・読む能力” を測定するテストで、難易度も高くない。日本人は英語を6 年間義務教育で学んでいるので、実はある程度の英語レベルは持っている。このTOEIC Bridge Test を通じて「英語ができる」という実感を持っていただき、学習へのモチベーションにつながるといったことも起こっているようだ。
 
「TOEIC Bridge Test の出題内容はレストランでの注文や、道をたずねるといった日常生活のコミュニケーションが中心です。一文が短く、聞き取りやすく、複雑な会話をするというレベルではありません。ですから、受験のハードルは高くありません。
 これから英語を学習しようとする方は特に、『どこを目指したらよいのか分からない』という悩み、あるいは、あまりにも高すぎる目標を設定してしまうことが、結果として学習のモチベーションを失う原因になっていることもあるようです。TOEIC Bridge Test では『Can Do ガイド』という、このレベルまでいくとこういったことができますよ、という分かりやすい指標があり、これが学習の目安になります。TOEIC Bridge Test は英語学習に対して元気になれるテストです。
 企業様の英語教育においては『英語ができる層をいかに伸ばすか』も課題ですが、『初級者をいかに教育し、全社的なレベルアップをしていくか』というのも大きな課題です。そこでTOEIC Bridge Test は評価をいただいています」
(永井氏)
 


TOEIC Bridge Test Can Do ガイドの一部


ビジネスで大切なのは、
“英語力”だけでなく、“気持ち”が伝わる
コミュニケーション能力

 
 単語や文法の知識の“ 英語力” だけでなく、ビジネスの実践の場でいかに使えるかという“ コミュニケーション能力” を測るのがTOEIC S&W だ。
 このテストで驚くべきは、受験者のスピーキング能力やライティング能力を、実際の「英語を母国語とする採点者」が「複数名で」評価する点。ホテルやレストランのビジネスにおいてコミュニケーション能力は必須。通常のテストでは英語力は測れても、“ 相手の立場に寄り添えているか”、“ 深刻な内容に対してカジュアルな言葉遣いでの返答になっていないか”、“ 論理的か” といったコミュニケーション能力までは測れない。
 そのため、TOEIC S&W ではETS(Educational Testing Service) 認定の採点者がスピーキングとライティングでそれぞれ最低3名ずつ、実際は平均で合計10名が採点を実施。“ 複数” の“ 人”による評価で、コミュニケーション能力をブレなく評価するという他に類を見ないテストである。


TOEIC S&Wの受験風景


「TOEIC S&W では、あるテーマに対して意見を求められたり、お客さまのクレームやリクエストに対応するといった実践的な内容となっています。そして、その回答を機械ではなく複数の採点者が評価することで、ビジネスの場で本当に使えるのかを確かめることができるのです。
 現在は、多くの接客現場で英語の対応マニュアルが用意されていますが、(外国人のお客様はわからないことはどんどん質問されますので)最近ではより幅広く柔軟なコミュニケーションが求められるシーンが増えているようです。そのコミュニケーション能力を測るのがこのテストです。
 TOEIC S&W が重視するポイントは、流暢な英語ではありません。多少たどたどしくても、目の前の人の気持ちに寄り添った回答ができたかなど、聴き手に意図や気持ちがきちんと伝わったかを評価します。知識の多寡は機械で測れますが、コミュニケーション能力は機械では測れません。そのため、ネイティブの、厳格なトレーニングを経て認定されたプロの採点者が、複数の人数で採点するという方法をとっています。しかし、プロの採点者であっても人間ですから体調や精神状態によって安定した採点ができない可能性もあります。そのため、採点当日は全ての採点者の評価能力を事前にチェックし、不可と判断されればその日は採点できないようにするなど、採点の質には特に力を入れています。多大なコストと労力がかかりますが、この方法でない限りコミュニケーション能力は適切に測れないと考えているからです。
 このような点も支持され、近年、TOEIC S&W のニーズがさらに増しています」
(永井氏)
 


「テストの利用を通じて、人事・研修ご担当者さまにとってはスタッフの英語力の把握や研修事前事後の効果測定、学習動機付けなどの効果が期待できます。また、社員の皆さまにとっては、目指す英語力を見える化し、学習の成果を把握することで効果的な学習を進めていただけます。
 当協会ではテストの提供以外にも、英語力向上のためのモチベーション向上支援、継続的に学習を促す仕組みづくり、他社の成功事例の情報提供などにより、観光・サービス業の英語対応力向上のお役に立ちたいと考えています。一連の活動を通じて、皆さまの施設を訪れる外国人に対する英語対応力向上を支援し、日本のホテルやレストランが『お客さまから選ばれるホテル・レストラン』となれるよう貢献していきたいですね」
(永井氏)


 


(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会 主催イベントのご案内
 


 訪日外国人旅行者が急増するなか、「どのようなマインドで、どのように対応すればお客様に喜んでいただけるのか」、「マニュアルを超えた柔軟性のあるおもてなしを提供するには、どの程度の英語力を目指せばよいのか」という課題を抱えていませんか。

 私たち(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会は「グローバルコミュニティにおける円滑なコミュニケーションの促進」をミッションにTOEIC事業をはじめ、さまざまな活動を行っております。今回、その一環として、企業の皆さまの課題解決に向けた有益な情報をご提供したく、本セミナーを開催する運びとなりました。
 
 ホテルやエアラインなど、ホスピタリティ業界の具体的な取り組み事例のご紹介もあり、きっと皆さまのお役に立てると考えております。

 皆さまのお申し込みを心よりお待ちしております。




 セミナープログラム 

13:00 開場 受付開始
 
13:30 開会挨拶
 
13:35 基調講演
「世界各国のお客様からのご依頼・ご要望に
 ホテルコンシェルジュとしてお応えする際の
 マインドと求められる英語力(語学力)」


株式会社パレスホテル 宿泊部 コンシェルジュ課 チーフコンシェルジュ
レ・クレドール ジャパン プレジデント 住吉 真矢子 様


 
14:10 事例発表①
「お客様の急速なグローバル化に対応する
 ─JTBコーポレートセールスの取り組み─
 ある日突然、『次回のプレゼンは英語でお願いできますか?』


株式会社JTBコーポレートセールス
本社人財価値向上プロジェクト プロジェクト長 中村 弘子 様

 
語学が堪能な社員ばかりと思われるJTBグループですが、日本国内の企業法人を顧客とする私たちはそれほど高度な語学力は求められていませんでした。しかしグローバル化の波は日本で商談をこなす私たちの足元にも、容赦なく迫ってきます。まずは社員の英語の実力を知る、ここから人財価値向上プロジェクトはスタートしました。

 
14:50 休憩

 
15:10 事例発表②
「意外なつながり!!
 『TOEIC Tests』と『仕事の段取り力』の関係とは?」


株式会社ニュー・オータニ 人事総務部 能力開発課 支配人 杉井 志帆 様


海外からのお客さまに満足していただくために、ホテルニューオータニでは「TOEIC Tests」を活用しながら「語学力向上」を図っています。そしてもうひとつ、テストの準備や受験を通して「仕事の段取り力」に繋げています。「TOEIC Tests」と「仕事の段取り力」…その2つの相関関係とは一体何なのでしょうか?
 

15:50 事例発表③
「世界をつなぐ心の翼に“Japan Quality”を乗せて」

全日本空輸株式会社 人財戦略室 ANA人財大学 副学長 佐々木 一彰 様
 
国際線では後発のANAですが、昨年、国際線定期便就航30周年を迎え、現在、世界42都市に週約1000便が就航しています。訪日外国人旅行者が年間2400万人を超える中、当社便をご利用いただくお客様の約半数は外国人旅客となりました。お客様満足と価値創造で世界のリーディングエアライングループを目指すという経営ビジョンの下、世界中のお客様におもてなしの心で“Japan Quality”をお届けします。

 
16:30 休憩
 
16:50 Educational Testing Service(ETS)からのご案内
 
17:05 Q&Aセッション
 
17:45 IIBCからのご案内
 
18:00 閉会

※注意事項
・プログラム内容は変更になる場合があります。
・過去のTOEICセミナーの様子は以下のURLにてご覧いただけます。
 http://www.iibc-global.org/toeic/corpo/seminar_event.html#anchor02



日時:2017年11月1日(水) 13:30~18:00(開場13:00)

会場:虎ノ門ヒルズフォーラム メインホール
   東京都港区虎ノ門1-23-3 虎ノ門ヒルズ森タワー5階

対象:企業・団体の人事・研修ご担当者、教職員の皆さま


参加費:無料

主催 :一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)

後援 :観光庁
(予定)、一般社団法人 日本旅行業協会、
    一般社団法人 日本添乗サービス協会、一般社団法人 日本ホテル協会


詳細・申込:http://www.iibc-global.org/toeic/corpo/seminar_event/info_2017.html
※申込締切:2017年10月20日(金)17:00
※申込者多数の場合は抽選とさせていただきます。あらかじめご了承下さい。
 

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