ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • 星のやグーグァン / 台湾でも『フラットな組織文化』を醸成するために、 人材の採用・定着・育成に力を注ぐ
星のやグーグァン / 台湾でも『フラットな組織文化』を醸成するために、 人材の採用・定着・育成に力を注ぐ

星のやグーグァン 『フラットな組織文化』

2025年11月05日(水)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

国内人口の減少に強い危機感を抱き、海外進出を加速する星野リゾート。しかも、日本の温泉旅館スタイルで勝負を挑んでいる。2019年6月に開業した台湾の「星のやグーグァン」もその一つ。現地で採用されたスタッフが、日本の温泉文化や星のや独自のサービスを提供している。人材の採用や定着・育成といかに向き合っているのか、総支配人の吉田 裕之氏に聞いた。
企画・構成・聞き手 人材事業部 池田俊・黒瀬海斗
※吉田 裕之氏の「吉」は、つちよしが正式表記

 

 

星野リゾートとのカルチャーフィットを重視

 「星のやグーグァン」は、星野リゾートが台湾で初めて展開するラグジュアリー温泉リゾートだ。台北市からは車で2時間半。2000m級の山々に囲まれた温泉地・谷關(グーグァン)に位置している。そのコンセプトは、「水が織りなす温泉渓谷の楼閣」。49室すべてが温泉かけ流し、清涼感溢れる空間、滞在目的に合わせた独創的な料理など、最高級クラスのリゾートライフを満喫できるとあって、人気が高い。

 ホテル運営を指揮しているのが、総支配人の吉田 裕之氏だ。サービスチーム推進室の一員としてさまざまな施設の開発に従事した後、「星のや沖縄」や「星のやグーグァン」のサービスユニットのディレクターを務めあげ、2025年3月総支配人に着任した。ホテルの運営に携わっている日本人は、吉田氏を含めて3名。いずれも、星野リゾートから来ている。

 それ以外は、すべて現地で採用した台湾人スタッフ。「構成の違いはあるものの、『教科書通りの経営』をベースとする星野リゾート独自の組織文化にフィットした人材を採用し、研修などを通じて理解を促していくことが何よりも重要となってきます」と吉田氏は語る。

 実際、どのような方針で採用活動を行っているのであろうか。吉田氏が強調したテーマは、「星野リゾートの組織文化に上手くフィットしているか」であった。

 

 日本のホテルや旅館は、セクションごとに専門性を高めスペシャリストを育成する流れが、一般的とされてきた。これに対し、星野リゾートでは1990年代から施設ごとにサービスチームを構成し、マルチタスクな働き方を促している。それを推進するためにも、フラットな組織文化を掲げており、カルチャーフィットを重視した採用を進めている。なぜなら、組織の成果を最大化するためには、フラットな組織文化を醸成するという手法が最適だからだ。どうしても。個の力には限界があり、チームや組織としてコミュニケーションを取っていく方がより大きな成果が得られると考えている。

 「台湾も同様です。求めているのは、フラットな組織で自ら主体的に考え行動し提案していける方、行動を楽しめる方、切磋琢磨できる方。星野リゾートの組織文化を体現できる人材であるかどうかが採用のポイントになってきます。それゆえ、採用する方に何を求めるかは共通しています」

 その採用スタンスを最初にしっかりと伝え、共感してもらえるかどうかが重要になると吉田氏は考える。会社が求める人材像は、当然ながら評価制度ともリンクしてくる。そうした人材に来てもらいたいだけでなく、そうした人材になってもらいたいという会社のメッセージでもある。それを受け入れ、一緒に走ってくれかどうかを見極めるようにしているわけだ。

 

月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2025年11月15日号
2025年11月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】本誌独自調査 総売上高から見た日本のベスト100ホテル
【TOP RUNNER】
HOTEL THE MITSUI KYOTO 総支配人 加勢田 愉士氏

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE