三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社(本社・東京都港区)は、ロイヤルパークホテルズのグループ統括総料理長を務める松山 昌樹氏が厚生労働省(東京都千代田区)令和7年秋の褒章にて、「黄綬褒章」を受賞したことを発表した。
11月12日、都内ホテルにて伝達式に出席、皇居では天皇陛下に拝謁した。
同賞は、農業、商業、工業等の業務において精励し規範となる技術や実績を持つものに与えられる。松山氏は数々の料理コンクールで優勝、在外公館においても料理長として従事。2024年には「卓越した技能者(現代の名工)」を受賞していた。
松山氏は「料理とは、美味しいこと、華やかな盛付け、演出、様々な技法、豪華な食材など、料理人のこだわりや世界観はもちろん大切ですが、召し上がった方々の心まで満たすことができるような一皿をご提供したいと考えております。そして、サービスを含め、料理を楽しむ時間、空間すべてを楽しんでほしいという想いを込め、今後もフランス食材を学び、その可能性を広げる努力をしながら、後進の育成に益々尽力してまいります。」と述べる。
ーーー
編集部コメント
厚生労働省の「黄綬褒章」ご受章、心よりお祝い申し上げます。ロイヤルパークホテルの総料理長として数々のコンクール受賞や在外公館での経験を重ね、「現代の名工」に続き国家的な評価に至った松山昌樹統括総料理長の歩みは、日本のホテルにおける料理人の存在意義を改めて照らし出すものだと感じます。
松山統括総料理長がコメントで語る「召し上がった方々の心まで満たす一皿」とは、単なる美味しさや豪華さではなく、時間・空間・サービスを含めたトータルな体験のことです。まさに、ホテルのダイニングが本来担うべき価値そのものと言えるでしょう。
昨今人材難やコスト高騰のなかで、F&Bは「削るべきコストセンター」と見なされがちです。しかし、この受章は、料理とサービスがホテルブランドの核であり、磨き抜かれた職人技とホスピタリティが長期的な競争力を生むという、極めてシンプルな事実を思い出させてくれます。同時に、こうした匠をきちんと評価し、世に伝えていくことも、私たちメディアの大切な役割だと改めて感じています。
このニュースをきっかけに、ホテル各社が自館の料理人・サービスパーソンの価値を見つめ直し、次世代育成の投資へとつなげていくことを期待しています。日本のホテルが世界に誇る「食とおもてなし」の厚みは、こうした一人ひとりの努力とキャリアの積み重ねによって支えられているのだと思います。
HOTERES編集長 義田真平




