


公益社団法人国際観光施設協会(本部・東京都千代田区)と一般社団法人全日本ホテル連盟(本部・東京都千代田区)は12月4日、ホテルメトロポリタンエドモント(東京都千代田区)2階宴会場・万里にてセミナーおよび、同階宴会場・悠久にて忘年交歓会を開催した。
国際観光施設協会が例年手掛ける同イベントを、今年は全日本ホテル連盟と初共催として取り行い、同連盟の会長をはじめ全国各支部の支部長らも一堂に会した。
基調講演では立教大学 観光学部 特任教授の沢柳 知彦氏が「施設計画目線のホテル経営基礎講座~もてなしだけではもう食えない」を題に講演。
講演では昭和の高度成長期のような需要超過の折には良いものを作れば売れていたという「Product-Out」の時代から、現在はマーケットが何を求めているかを分析し、それに合ったものを提供しなければ事業成功確率が落ちる「Market-In」の時代であることに言及。
その上でどのようなホテルデザインにするか、どのインテリアデザイナーを起用するかの議論の前に、「需要創造源は何か」や「ターゲット顧客は誰か」の検討が先にすべきと発信。
また、満足度を形成する2つの要素として「Differentiator(差別化要素)」と「Dissatisfiers(不満要素)」を挙げ、後者において一例としてHP上の写真とチェックインした客室に違いはないか、冷暖房がきちんと効いているのか、朝食会場に並ばずに入ることができるか、など不満要素の解消が必要と述べた。
セミナー後は忘年交歓会へ移行。はじめに国際観光施設協会 会長の浅野 一行氏より「6月に会長に就任して以来、観光業界が抱えている今の問題についてタイムリーに対応していくことで、協会が社会に求められる存在になるべく活動を進めてきました。観光DXではロボットフレンドリーなど新しい研究分野にも挑戦し、地方自治体や観光関連団体との連携も深めてきました。来年も皆さまのご理解とご協力をいただきながら進めてまいりたく考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶。
続いて全日本ホテル連盟 会長の清水 嗣能氏より「設計士をはじめホテル関連施設を提供いただいている皆さまと、実際にホテルを経営しているわれわれが一緒に活動することで、より新しいものを生み出すことができると考えています。お互いにコミュニケーションを深めていければと、本日は連盟の仲間を大勢連れてまいりました」とコメント。
その後は観光庁 観光産業課長のニ井 俊充氏、公益社団法人日本観光振興協会 副理事長の長谷川 豊氏らからの来賓の挨拶を経て、関係者含め約150名の参加者が交流を交わし合った。


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文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp




