㈱FIVE CENTS　 代表取締役　斉藤源文氏

㈱FIVE CENTS（ファイブセンツ）は日本ではじめて、ヴァレーサービスを専門に提供する会社として2001 年に起業した。以来、ドアマン、洗車、ポーターとサービスのラインアップを拡大してきた。お客さまの車を預かり、駐車と回送を行なうヴァレーサービスは欧米において、一流ホテルやレストランをはじめとする多くの商業施設で導入されている。車で施設を訪れた上顧客と最初に接する場所でのサービスであることから、ヴァレーサービスマンには良質な第一印象と品格が求められる。
 
会社概要
株式会社FIVE CENTS
設立：平成21 年8 月（平成12 年4 月創業）
所在地：東京都港区東麻布1-4-2 THE WORKERS&CO 903
TEL：03-5797-7975 　FAX：03-5797-7976
E-mail：vs1@fivecents.jp
URL：http://www.fivecents.jp
事業内容：ヴァレーサービス・ドアマン・ ポーターサービス・ 洗車サービス・ドライバーサービス

 
レストランからマンションへ
ヴァレーサービスの潜在需要を発掘
 
その重要性と可能性に着目し、日本におけるヴァレーサービスに専門性を持たせようと立ち上がったのは、㈱FIVE CENTS 代表取締役の斉藤源文氏。日本の老舗ホテルと外資系ホテルでドアマンやベルボーイの経験を持つ斉藤氏は、長年抱いてきた起業の夢に向かっていった。
 
2000 年、大手チェーンが運営する高級レストランに機会をもらい、ヴァレーサービスを個人事業としてスタートさせた。ヴァレーサービスそのものを知ってもらうため、駐車場の入り口に「VALET（ヴァレー）」と書かれた看板を立て、ジャケットの背中にも同じく「VALET」の文字を刺繍で入れた。東京・白金という好立地、時代の勢いもあり、１台1000 円（ディナータイムのみ）のヴァレーサービスは最初の月に1000 台近くの利用を獲得した。斉藤氏は手応えを感じた。個人事業として１年間ヴァレーサービスを続け、オリジナルのスタイルを築き上げたころ、ほかのレストランからもオファーが入るようになり、一時期は７店のレストランの現場を掛け持ちしていた。
 
その後、時代の移り変わりとともに、斉藤氏が提供するヴァレーサービス事業の軸足はレストランから高級マンションへとシフトしていった。エントランスにヴァレーデスクを置き、帰宅した居住者から車の鍵を預かる。居住者はそのままエレベーターで部屋まで上がり、後はヴァレーサービスマンが機械式駐車場に入庫してくれる。出掛けるときはインターホンでヴァレーデスクに出庫の依頼をするだけ。名前と部屋番号はあらかじめ連動しているので、すぐに該当する車を出庫してエントランスにつけておいてくれる。エレベーターを降りた居住者は、そのままスマートに車に乗り込み、出発できる。
 
2009 年８月新たに法人化したFIVE CENTS は、マンションの居住者に向けたサービスの幅を広げていった。当日の夜までに電話一本で依頼しておけば翌朝には車が美しく輝いている洗車サービスは、ヴァレーサービスとの相性も抜群だった。さらに、エントランスから部屋までのポーターサービスも始めた。「マンションでは毎日、居住者の方々と顔を合わせます。ヴァレーサービスマンに求められるのは一人一人の顔と名前を覚え、キーを渡すだけですべてを任せられる存在になることです。『車のコンシェルジュ』として、深い信頼関係を構築しなければなりません。また、居住者とつかず離れずのほどよい距離感を保つことも大切」と斉藤氏は言う。
 
評判が評判を呼び、ヴァレーサービスと洗車サービス、ポーターサービスの組み合わせによって、FIVE CENTS と契約を結ぶマンションは増えていった。そのころから斉藤氏は、ホテルでもヴァレーサービスを提供したいという思いを抱くようになった。