2014 年のインバウンドゲストは1300 万人を突破した（JNTO 調べ）。15 年も順調にインバウンドゲストは増えており、大きな外的要因が発生しなければ、観光庁は約1800 万人に到達すると予想している。本企画では、インバウンドゲストが入国から出国までの日本滞在期間中、ホテル側から受けられたらうれしいサービスを時系列ごとに列挙し紹介。また、インバウンドゲストの顧客満足度を高めるための情報を掲載する。
総 論
データから読み解く
インバウンドゲストが喜ぶサービスの内訳
現状は中国からの人数が圧倒的に多い
インバウンドゲスト数は2020 年オリンピックに向かって右肩上がりの中にある。右にある「2010-2015 年 訪日外国者数( 総数)」の表の累計を見てほしい。2015 年の訪日数は推計値ではあるが1 ～ 10 月の10 カ月累計の段階ですでに東日本大震災前（2010 年）の2 倍に届くほどである。
国籍・地域別で見ると、近年の増加を引っ張っているのは東アジア圏、特に中国・韓国・台湾・香港の4 地域である。特に中国は、2015 年1 ～10 月（推計値）で累計428 万3700 人・前年比112.9% という驚異的数字となっている。その中国と西欧諸国で訪日数が最も多い米国とを比較してみよう。2014年で中国は240 万9158 人で米国89万1668 人の約2.7 倍。さらに2015 年の1 ～ 10 月の推計値では、中国428万3700 人に対して米国85 万4700 人、何と5 倍もの差が付いている。
東アジアからの訪日キーワードは
「レジャー」「団体ツアー」「爆買い」
次に来訪目的を見てみる。観光庁の2015 年7 ～ 9 月期調査では、中国からのゲストの77％が観光・レジャー目的であった。ビジネスは12％である。これが台湾・香港で見ると観光・レジャーは80％超にまで及ぶ。また、東アジアからのゲストには「団体ツアーでの来訪」の割合が大きい特徴が見られる。国籍・地域における団体ツアー利用が旅行者全体に占める割合は、中国45.3%、韓国11.3％、台湾38%、香港17.7％。ちなみに欧米諸国ほとんどは団体ツアー利用が8％にも満たない（イタリアのみ13％）。
東アジア圏から来訪するレジャー客の行動で欠かせないのが“爆買い”である。団体ツアーの場合、そのツアーの中には免税店での買い物時間が含まれているケースが大半である。よって団体ツアーを多く受け入れているホテルは、そのツアー参加者たちが“爆買い”した荷物までもしっかりと受け入れる必要がある。つまりは荷物置き場の確保が必須なのだ。
ツアー客に関しては民族の習慣の違いによるマナー問題を考慮する必要があるだろう。例えば国内や欧米からのゲストに向けたサービス、それらのツアー客と宿泊フロアを分けるなどの対応は常に検討すべきである。
欧米からのゲストのキーワードは
「ビジネス利用」「ネット予約」
欧米層のインバウンド数も順調に伸びている。その来訪目的は、米国からのゲストでは観光・レジャー目的が33% でビジネスは42.3％。英国もほぼ同じ割合である。観光・レジャーの割合が58.8%と比較的高いフランスでも、ビジネスは22.1％を確保している。
ビジネス利用が高くて団体ツアー利用が低い状況では、ウェブサイト利用による予約申し込みが多くなる傾向が見られる。ウェブサイト予約を国籍・地域で見ると米国60.3％、カナダ56％、英国56.1% である。
特集詳細情報は本誌12月11日号、または電子版をご購入いただけますようお願いいたします。
ご注文フォームはこちら
https://www.hoteresonline.com/hoteres/application/input/78
TABLE OF CONTENTS
24 総論 データから読み解く インバウンドゲストが喜ぶサービスの内訳
26 寄稿 ㈱HMRI 吉崎夏来氏「インバウンド訪客のオンライン旅行予約行動を考える」
28 インバウンドのあらゆる場面でホテル・旅館の直販をサポート ㈱エスワイエス
30 【成田空港エリア】ヒルトン成田
31 【羽田空港エリア】ロイヤルパークホテル ザ 羽田
32 【品川エリア】東京マリオットホテル
33 【新宿エリア】ホテルグレイスリー新宿
34 【渋谷エリア】セルリアンタワー東急ホテル
35 チェックアウトを終えたゲストのためのサービス
36 Simple、Polite、Effective をコンセプトに英語によるビジネススキルを体得する ビズメイツ㈱
38 インバンド向けサービス革命 日本システムネットワーク㈱／㈱エスキュービズム・テクノロジー／テクノジム ジャパン㈱／㈱ケイティーエス／ボーズ㈱／㈱ナイトレイ／フューブライト・コミュニケーションズ㈱／㈱フリープラス／㈱ポーラ is 事業部／ Uni-Voice 事業企画㈱
42 時間軸で考えたいサービス
