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特別企画 ホテル ボストンプラザ草津

開業20年を迎え本館をリニューアル ―――南社長の思いを入れ込む

【月刊HOTERES 2016年03月号】
2016年03月25日(金)
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スイート。1室。62㎡。2名6万1000円(朝食付き)

 阪急阪神第一ホテルグループの「ホテル ボストンプラザ草津」(滋賀県・草津)。アメリカ好きの南英三社長(本誌2月5日号にトップインタビューで登場)が最も愛するボストンの街からネーミングしたホテルだ。一流ホテルのヒルトンもシェラトンもトンの字が付いており迷わずボストンプラザに。プラザは商標登録の関係もあり付けた。少年のころよりホテル大好きだった南社長が満を持して開業したのがちょうど20年前、45歳のとき。それまでは米国でホテルマネジメントを学び、日本のホテルで修業。草津の実家でたまたま土地を所有しており念願のホテルを開業するに至る。その後の経営は順風満帆。そして5年前に本館となりに新館を建てた。昨年8月には本館をリノベーション。今年7月に20周年を迎える南社長のホテルへの情熱は本館改装に色濃く反映している。

エグゼクティブツイン。1室。42㎡。壁紙の色を2色に。どの色にするかはテストを繰り返し落ち着いた色にした
正面が新館(サウスウイング)、右手が本館(ノースウイング)

  1996年7月オープン。今年でちょうど20年。最初は専門家の話を聞きながらホテル構想を固めていった。しかし、設計家などとの話し合いでどうしても納得のいかない場面もあったが譲らざるを得なかった。それは後々まで悔いとなって残った。今回はそうしたことのないように全面的に自分の主張を盛り込むようにした。もちろんスタッフの話は充分に聞き、作業のしやすさなどにも配慮。かつてボストンの街並みにあこがれた“思い”を十分盛り込んだ客室に仕上げた。

4階から11階までのエレベーターフロア
全室に冷蔵庫内サービス品。お菓子は季節によって変えている


新館から新しくなったアメニティを本館改装後にも入れた

  最初122室。草津駅のすぐそばではあるが、裏側となっており周辺は未開発地区。客室数を決めるのも大変だった。その後順調に業績をあげ2011年に新館をサウスウイングとして開業。本館をノースウイングとした。新館は94室。今は本館と合わせて216室。
 
 南社長の口癖は「ホテルは個性を持っていなければしょうがない」。それで5年前に開業した新館を作るにあたってお客さまが少しでも心に残る客室であるようにした。バスルームの壁にスケルトンを入れることでできるだけ広く見せるようにもした。テレビも家庭よりも大きなものを選んだ。しかも風呂場からテレビが見られ音も風呂場で流れるようにした。

①スーパーファミリーキング。4室。32㎡。スイート、エグゼクティブツインも含めて全室禁煙。3名で2万7000円(朝食付き)

②スタンダードシングル。
52室(内喫煙室12)。16㎡。9900円(朝食付き)。ベッドの位置を変えてテレビの位置も変えて居住空間を増やした。テレビ中心までの高さはベッドからの目線より110cm高くした。ベッドはポケットコイルのシモンズベッドを採用。利便性を高めるため、回転型のイスを採用

③スタンダードツイン。41室。20㎡。以前はダブルベッドを入れた広めのシングルルームであったのをツインに。2名で1万6400円(朝食付き)

④デラックスツイン。18室。30㎡(14室)、32㎡(4室)。喫煙室が2室。2名で2万2000円(朝食付き)

  本館の空調は2011年から直しはじめ、すでに昨年8月に全部完了している。残りは宴会場とレストランとロビー回り。これは今年中に着手する予定という。
 
 本館改装のポイントはエレベーターを降りると「ちょっと違うな」と思ってもらえるようなインテリアを心掛けた。ガラッと変えるには費用も掛かる。できるだけ落ち着ける内装を心掛け、壁に掛ける絵画を厳選した。各部屋に5枚ほどの絵画を掲げており、新館も含め全部で2000枚以上はある。まるで米国の建物の中にいるような感覚だ。ほとんどが動物、鳥、自然、子供など。犬、猫は好き嫌いがあるため避けている。バスルームはヘッドシャワーをミストも楽しめる大きなものに変え、なおかつレバーで広がりを変更できるものにした。またカーテンレールを曲線のものに張り替えバスタブでの空間を広げた。さらにiPhoneなどの普及に合わせコンセントの数も増やした。
 
 ベッドは広めの部屋をダブルサイズにしていたが、ツインに変更。インバウンドへの対応も考えた。50室のデラックスシングルをスタンダードツインに変えた。いずれも南社長が「これならお客さまが満足いくはずだ」という視点できめ細かく手を入れた。
 
 さらに喫煙ルーム(本館27室、サウスウイング18室の計45室)には喫煙家でもたばこの臭いが気になる方のために消臭対応のナノイー消臭機を設置、高稼働時にも威力を発揮し評判がいい。
 
 本館改装後は、売り上げ目標の前年対比115%アップ。全体ではイメージアップのためか婚礼も増え、さらにイールドマネジメントの導入などもあり確実に業績は上向いている。去年と比べADRが1000円程度アップしているのもこれまでにない動きだ。
本館改装費用は空調関係も入れて約3億円。年間売り上げは約13億円。

新館(サウスウイング)&パブリック


ホテルエントランスを入った1階ホール


シースルーバスのダブル


シースルーバスからテレビも見られる。スピーカーもバスルームに設置。iPodの音楽も聴くことができ評判が高い

レストラン「リバティー」。朝食バイキングでうなぎの蒲焼を出しているのが話題になっている。ほかにも関東のお客さまに関西のだし味を楽しんでいただけるインスタントのどん兵衛などユニークな商品構成が評判に。テイクアウトコーヒーも人気

DATA
名称=ホテル ボストンプラザ草津(南興業株式会社)/住所=〒525-0037滋賀県草津市西大路町1-27/☎ =077-561-3311/総客室数=216/立地=滋賀JR草津駅前
http://www.hotel-bp.co.jp/

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