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第1回 中村勝宏プレゼンツ~業界への一石~

第16 回 田崎 眞也 氏 PART1

【月刊HOTERES 2015年05月号】
2015年05月12日(火)
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「非日常の体験」として、職種を問わず人々のあこがれである日本のホテル業界は今、現場から経営者に至るまでかつてない程のさまざまな問題に直面している。そこで今回、日本のフランス業界の第一人者として精力的な活動を続けている中村 勝宏氏がこれまで業界発展に貢献をしてきた「本物の業界人」たちとの対談を通じて、業界に苦言・提言・助言を投げかける。

国際ソムリエ協会会長として
 
中村 本日は日ごろ大変お忙しい中時間を作っていただきありがとうございました。さて、さっそく始めさせていただきますが、田崎さんは国際ソムリエ協会会長という重職を担われていますが、もう何年目になりますか。
田崎 二期目です。一期三年で、二期まで継続することができるというかたちです。今は二期目の一年目、通して四年目ということになります。
中村 ご本人は何かと大変でしょうが、世界のソムリエのトップにおられるということは、我々日本人の誇りですよ。世間一般の方々は国際ソムリエ協会会長の役割と活動について興味があると思うのですが、実際はどのようなことをなされておられるのですか。
田崎 基本的に、亡くなられた前任の小飼一至さんの一期目が終了したときに引き継ぎましたかたちです。小飼さんのときに副会長に指名していただいて、技術委員長を務めていたのですね。それまでは、三年に一回の世界ソムリエコンクールを主催するというのが総合内容だったのですが、それを少し広げたかたちとなります。いま国際ソムリエ協会は56 カ国加盟しておりますので、アジア・オセアニア大会、ヨーロッパ大会、アメリカ大会という大会を国際ソムリエ協会でオーガナイズしていこうということを提案して、そのオペレーションに携わってきたのを受けて、四年前から会長に就任させていただいております。公約としては、背景として財政的に厳しい状況がありました。小飼前会長から引き継いだときには赤字で、マイナスから始まりまして、若干立て直しましたが完全ではありませんので、継続していくのに難しい状態でしたね。
でも、おかげさまで今は健全な状態でプールもできています。当時、ヨーロッパは経済的に厳しいところに入り始めた時期でしたので、なかなかやはり運営していくのが難しいところでした。基本的な事業内容といいますのは、いま三年間の間に四つの世界大会をオーガナイズするのと、三年前から国際ソムリエ協会が認定するソムリエの世界共通の認定試験制度を始めています。
中村 本当に大変な活躍をなされているわけですね。田崎さんといえば、私は必ずある光景を思い出します。それは、田崎さんが世界チャンピオンになられたときのことです。私はその現場でかたずをのんで見ていたのですよ。そして、田崎さんが見事にチャンピオンになられ、会場全体がすごい熱気でその喜びに沸き立っている中で、私はつい駆け寄って田崎さんに握手したのですけれども、あれから20 年になりますか。その間、日本におけるソムリエ協会のレベルはとても飛躍し、日本に数ある職の協会の中でも際立っておりますね。
田崎 そうですね。レベルは非常に上がっています。今は世界的にも高く評価されておりまして、まとまりでありますとか、経済的な要因も含めて世界で最も確立した協会というものは自他ともに認められているところだと思います。
中村 それはやはり、会長としての田崎さんの力量のたまものでしょうし、そして、日本人の勤勉さや組織力とその運営の在り方にあると思いますが、やはりトップと幹部スタッフの情熱といったものがしっかりと反映されているからこそでしょうね。
田崎 そうですね。その組織力にも基礎がありましたし。実は日本ソムリエ協会と国際ソムリエ協会はいずれも1969 年と創立が同じなのです。日本ソムリエ協会は当初から財政的にもきっちりした組織作りをしています。それをモデルに国際ソムリエ協会でもベースを作ろうという流れがありましたので。日本はある意味でモデルになったということですね。いま会員数は一万人を超えています。公益社団法人ではなく一般社団法人申請としました、あえてですね。
中村 それはあくまでも、一般の方々に広くソムリエという仕事とその内容を認知していただくためだと思われますが、ソムリエというと、以前は実際のホテルやレストランで働いている方々が中心という考え方があったのですが、今や多くの職種、例えばフライトアテンダントの方もそうですが、食に関係のある方々、とりわけワインに興味のある方々が多くチャレンジされていますね。
田崎 そうですね。基本的には飲食店で働くソムリエ、これには料理人も含みますが、あと酒販店とかワインの輸入会社、また学校の先生がアドバイザー資格を取得されて。あとはエキスパートという一般の方も受けられる試験制度があります。また近年は、エキスパート資格に受かったのにも関わらず社会的に認知されづらいような状態でしたから、ワイン検定を実施して、エキスパートを取得した方たちが、独自にご友人や会社の方を誘ってワイン検定を主催するようなシステムを作ったのです。
中村 それは画期的で、素晴しい事ですね。ワイン愛好家が身近に楽しめ増えていくことにつながりますね。
 

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