㈱グリーンハウス 代表取締役社長 田沼 千秋 氏

　創刊50 周年、誠におめでとうございます。東京オリンピックを経て万国博覧会の開催に向かうさなか、政府の後押しを受けてホテル産業が大きく羽ばたこうとした時代に「週刊ホテルレストラン」が創刊されましたが、創刊号が発刊された1966 年12 月に当社はレストラン事業に進出し、とんかつ「さぼてん」の1 号店を新宿駅・小田急百貨店地下名店街にオープンしました。コントラクトフードサービスの会社としてスタートした当社の大きな転機と同じ時に創刊された日本で唯一のホテルレストラン専門誌の50 年間は、当社グループの歩みそのものと重なるものであり、これまでの時の流れを思うと非常に感慨深いものがございます。長きにわたり、業界の指南役としてホスピタリティー産業全般の発展に貢献されてきたことに改めて敬意を表します。
 
　毎号ホテルやレストランの運営に役立つ最新の情報や格調高い写真に彩られた世界の一流ホテルを紹介する記事をはじめ、誌面冒頭で業界にズバリと切り込んだご提案や問題提起がなされる「FROM THE PUBLISHER」などの連載も新鮮で楽しみに拝読させていただいております。先代の太田土之助社主からのお付き合いになりますが、現在の太田進社長とも親しくお話させていただきますと、受け継がれた業界への思いや情熱を強く感じます。
 
　2000 年にホテル運営会社を設立した当社は、コントラクトフードサービス、レストラン・デリカテッセンからホテルマネジメント、コンサルティングに至るまで食とホスピタリティー全般にわたりビジネスを広げることができ、大変ありがたいことに近時はさまざまな形で誌面にご紹介いただくことも増えました。インタビューや基幹ホテルの一つであるサザンビーチホテル＆リゾートのリニューアル時に特集を組んでいただくなどで大変お世話になっていますが、2012 年秋に弊社が開催しましたオリジナルコンサートについて、連載のコラムで大変なご評価をいただいたことも印象に残っております。ようやく当社もお二人をはじめとする皆様の思いにお応えすることができるようになってきたかなと感じていますが、一方でホスピタリティー産業を取り巻く環境は大きく変わってきています。
 
　2 回目の東京オリンピックを控え、政府が成長戦略として食にも大きくかかわる観光産業や、農林水産、医療・介護関連業を基幹産業化することを目指すとしたことは、業界にとっては大変な追い風ではありますが、日本を訪れる外国人に評価されるためにも、グローバルレベルで競争力の高い産業・事業を創造する必要があります。
 
　足元では労働集約的な産業にとっては大きな負担になる社会保険や消費増税などが控えています。このようなチャレンジングな時代に、また、少子高齢化の中で、次代の担い手となる優秀な人財の輩出・育成は企業にとっても、業界全体にとっても大きな課題であり、かかる観点からも業界をリードされてきた「週刊ホテルレストラン」により一層の後押しをいただきたいと考えております。
 
　会社経営の立場からも、経営の根幹にあるものは理念であり、事業に対する熱い思いであると考えています。当社もグループで70 年、レストラン事業で50 年、ホテル事業では15 年以上の歴史を重ね、今日まで成長することができたのは、創業者の熱い思いを大切に社員の一人ひとりがその精神を受け継いできたことが一番のポイントでした。時代が変わり、活動の幅がグローバルになったとしても変わることのない思いを誌面に載せて、今後とも私どもに大きな刺激をいただけることを切に願っております。当社もまた、その刺激の下に新たな歴史を作ってまいりたいと思います。ますますの週刊「ホテルレストラン」のご発展を祈念申し上げます。
 
㈱グリーンハウス
http://www.ghf.co.jp/