日本政府観光局(JNTO)が9月21日に発表した2016年8月の訪日外国人客数は、前年同月比12.8%増の204万9200人で、8月として過去最高となるとともに、累計1605万9500人となり昨年より約2ヵ月前倒しで1500万人を突破した。
同局は、2016年8月は夏季休暇シーズンも後半を迎えた中、クルーズ船の寄港増加や航空路線の新規就航・増便に加え、これまでの継続的な訪日旅行プロモーションの効果が、訪日外客数の堅調な増加につながった。
2016年8月の状況と前年比推移は以下のとおり。
訪日外国人数(実数) 単位:千人 (編集部作成)
訪日外国人数前年比伸び率 (編集部作成)
市場別では、バカンスシーズンを迎えたイタリアとスペインが単月として過去最高を記録。加えて、シンガポール、インドネシア、ロシアを除く15市場が8月として過去最高を記録した。
中でも中国は、単月過去最高となった7月の73万1000人に次ぐ67万7000人を記録。また、マレーシア、インドネシア、ベトナム、カナダにおいては、前年同月比20%を超える好調な増加となった。
各市場別の数値は以下のとおり。
出典:日本政府観光局(JNTO
訪日外客数のシェアの比較 2015年/2016年
JNTOは2016年9月について次のように述べている。
「9月は、夏季休暇シーズンと秋の旅行シーズンの合間となるが、韓国の秋夕(旧盆休暇)や中華圏の中秋節をはじめ、東アジア・東南アジアでは祝日に伴う連休や休暇により、比較的旅行しやすい日並びであることに加え、東アジアにおいては、クルーズ船の寄港数増加や航空路線の新規就航が予定されることから、これらが訪日外客数の増加に寄与することを期待」。
なお、同局は熊本地震の一部地域への影響や、国際的な政情不安、円高傾向による消費者の旅行動向への影響について引き続き注視していくとしている。
日本政府観光局(JNTO)
http://www.jnto.go.jp/jpn/