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喫煙状況から探る! レポート 

京都文化交流コンベンションビューロー 京都のインバウンド状況は訪問数、前年比率共に右肩上がり

【月刊HOTERES 2016年11月号】
2016年11月25日(金)
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国際観光コンベンション部部長の赤星周平氏

訪日外客数の増加が続いている。中でも日本を代表する観光都市である京都
は訪問数、前年比率共に全国平均を上回る上昇率を誇っており、観光立国を目
指す日本の先鋒都市として倣うところが多い。今回はそんな京都の観光状況に
ついて京都文化交流コンベンションビューロー、国際観光コンベンション部部
長の赤星周平氏にお話を伺った。

国内平均を上回る上昇率
 
本年度も訪日外国人観光客の増加が進んでいる。若干、前年比率では下がる面もなくはないが、来日数は確実に上昇している。その中で群を抜いて訪問数および前年比率が伸びているのが京都だ。しかも京都におけるインバウンド観光客の増加には特色があり、全国的には東アジアからの観光来訪が多い傾向にあるが、京都においては欧米からの観光客が多いという。特に今年度はアメリカおよびイギリスからの観光客数の増加率が顕著だ。これらは京都市をはじめとした京都観光に携わるすべての人たちが具体的なビジョンを持ち、観光産業の活性に努力してきた結果だと言えよう。特に夏以降、若干のデフレ傾向が見られ、中国人観光客による“爆買い”傾向の低下など観光収益の低下が懸念される中、京都市ではあまりそれらの影響を受けていないという。これは観光収益の面で“爆買い”につながる業態ではなく、京都の地場産業である伝統産業の活性化をサポートしてきた点に加え、当初より旅のクオリティーを求める観光客を主たるマーケットとしてとらえ、観光政策を進めてきた結果だそうだ。
 
観光都市であると同時に
生活都市でもあるジレンマ
 
京都は先述の通り日本を代表する観光都市であり、観光産業と共に栄える都市であるが、同時に多くの住民がおり、さらに京都大学をはじめとする教育機関も多く抱える生活都市でもある。国内はもとより、近年のインバウンドによる外国人観光客の増加は京都市の経済活性 という面では大きな機会創出に繁っているが、市民生活の面からは交通渋滞など日常生活における負担が増えているという問題も持ち上がっている。特に習慣や価値観の違う海外からの観光客が増えることによりそれらは顕著になってきているという。その点に関して多くの観光都市では行政として観光客の満足度を一定に保ちつつ、市民生活 への影響に配慮した取り組みを求められており、今後さらに国内外を問わず観光客が増えることが予想される京都においても観光ルールの認知や徹底など新たな課題が出て来ているそうだ。


トリップアドバイザーと京都市が作成した「京都のあきまへん~ AKIMAHEN of Kyoto ~」

民間企業と協働した
マナー啓発の取り組み
 
そんな中、トリップアドバイザーの協力のもと,京都観光におけるマナーを外国人観光客に啓発するためのツールを制作した。言語は英語と中国語から作られており、主に京都観光におけるマナーや禁止事項の紹介となっている。これらの啓発ツールはHP やFacebook なども活用して現在も積極的に行なわれており、欧米やアジアなど各国メディアに話題性をもって取り上げられている。滞在中の京都市民との摩擦やトラブル防止,観光満足度向上の観点からも今後も引き続き告知、認知の拡大に力を注ぐ予定だという。
 
分煙、たばこのマナー告知も
大きな課題
 
上記の京都観光のマナー啓発には喫煙に関するマナーも含まれている。現在、京都市では条例により市内全域において指定喫煙場所以外で路上喫煙をしないように努力義務を課しており、特定区域内では1,000円の過料を科している。これは外国人観光客のみならず、京都市民を含む日本人にも適用される条例だ。さまざまな広報を通じ昨今では海外での認知も広がりつつあるが、いまだ情報が共有されていないことから外国人観光客の歩きたばこなども数多く見られるという。ちなみに京都市ではスモーキングスポットも多数設けられており、たばこを吸う観光客のニーズに応えた環境整備もなされているが、海外では外で喫煙可能なことが一般的な習慣であるため、外での“指定場所喫煙”という概念を理解してもらったうえで、どこでたばこを吸えるのかをしっかり周知していくことが重要だ。京都は特に木造の歴史的建造物が多い点から考えても火災によるそれらの損傷、消失は避けなければならないミッションだ。このようにさまざまな面からたばこを吸う観光客も吸わない観光客も、さらにはそこに生活する市民も共に心穏やかな時間を過ごすことができるようにすることが京都の観光産業の課題であり、それらが徹底されることは総じて日本を観光立国と成す一助になると考える次第である。
 

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