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第十九講 「料理人の教育論」第十九講  神戸北野ホテル 総支配人· 総料理長 山口 浩 氏

仮説と検証を繰り返し、お客さまの半歩先を目指していかなければならない

【週刊ホテルレストラン2018年01月12日号】
2018年01月12日(金)
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さまざまな料理人がいる中で、一人一人が持つ苦悩と挑戦の数々の物語がある。ホテル· レストランの総料理長が食の業界や若手の料理人に向けて伝えたいことは何か。これまでの長い経験の中で、どのようなことに悩み、どのようなことを考え、どのようにチームを創り上げてきたのか。インタビューを通じて後継者育成に向けた取り組み、マネジメント手法などを探るシリーズ「料理人の教育論」を隔週連載でお届けする。   

山口浩(やまぐち· ひろし)
大阪のホテルで修行後、渡仏。パリのレストラン数店を経て、21 世紀の扉を開くと絶賛されたフランスの名店「ラ· コート·ドール(現「ルレ· ベルナール· ロワゾー」)」に勤める。総料理長ベルナール· ロワゾー氏のもと、フランス料理界に新風を巻き起こした『水のフレンチ』を学ぶ。その後、「ラ· コート·ドール神戸」開業にあたり帰国、日本人のシェフを務める。2000 年に神戸北野ホテル運営会社を設立し、代表取締役就任。ホテルにおいて総支配人· 総料理長として総指揮にたずさわる。世界一と謳われるロワゾー氏の朝食メニューを提供することを許され、また、科学的解釈を料理に取り込み注目を集める。16 年「 フランス共和国農事功労省」シュバリエ勲章、17 年 厚生労働省「卓越した技能者( 現代の名工)」などさまざまな受賞歴を持つ。

「記憶」としての料理
「形」としての受賞
 
―昨年の「卓越した技能者( 現代の名工)」を始め、さまざまな受賞歴をお持ちですが、まずはこれまでの受賞に関する感想をお聞かせいただけますか。
 
 私たち料理人が作る料理は、お客さまが言葉や想いを交わす食事の場において、シーンメイクをお手伝いする一期一会のツールとしての役割を持っています。それはプレゼントなどとは違い形に残るものではありませんが、お客さまの記憶の中にはしっかりと残るものです。そういうかけがえのないことを、料理人は生業として日々積み重ねています。これまで授与いただいたものは、そういった日々の積み重ねを一つの形として評価いただいた結果であると受け止めています。受賞をきっかけに、また新たな気持ちを持って仕事に取り組むとともに、チームとして日々の仕事をサポートしてくれる仲間に対する感謝も感じています。
 
―部下の方や日ごろからつながりを持つ周囲の方にとっては、よい目標にもなりそうですね。
 
 そうですね。特に調理の世界においては、公の評価基準があるようでない。そのことが、料理人のモチベーションの維持や若い人たちへの継承という点において、少なからず影響をおよぼしている部分があると感じています。ですから一料理人が名誉な賞を授かることは、これからの若い人たちにとって、一つの希望や目標となっていけるのではないかという喜びもあります。
 
―評価基準を設けること自体が難しいような印象もありますが。
 
 やってやれないことはないと思いますが、「誰が評価するのか」という点が非常に重要です。人が生きるうえで欠かすことのできない「食」に関わることですから、極端な言い方をすると全員が有資格者となります。ただし広く支持や称賛を得るためには、芸術同様それなりの見識や教養を備えた「これぞ」という人物による評価が必要ですが、国内では、そういった文化があまり培われてこなかったという背景があります。しかし今後、さらに日本の食に対する関心が世界中から高まりを見せる中、「食」を確固たる一つの文化としていくならば、料理人の育成を促すうえで、評価基準の策定に取り組む時代を迎えているのではないかと思うところです。

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