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スペシャルインタビュー ジョエル・ロブション氏 

おいしい料理の基本は最高の食材と愛情

【週刊ホテルレストラン2018年06月22日号】
2018年06月22日(金)
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ジョエル・ロブション氏
Joël ROBUCHON
〈profile〉ジョエル・ロブション、1945 年生まれ。15 歳で料理の道へ。29 歳で「コンコルド・ラファイエット・ホテル」(パリ)の料理シェフに就任。76 年フランス最優秀職人(MOF)の称号を受賞、78 年「オテル・ニッコー」(パリ)。総シェフに就任。ミシュラン2ツ星獲得。81 年自営レストラン「ジャマン」開業、82 年ミシュラン1 ツ星獲得、83 年ミシュラン2 ツ星獲得、84 年ミシュラン3 ツ星獲得、94 年「ジャマン」を「ジョエル・ロブション」に改称、96 年50 歳で、シェフ業引退を宣言。その後、ジョエル・ロブション・ブランドのレストラン展開する一方で、テレビの料理番組やレトルト食品の監修などを通して、ガストロノミー料理の一般普及に取り組む。現在(2018年4 月時点)、世界11 ヶ国、27 件のジョエル・ロブション・ブランドの飲食店を展開。日本では、2003 年に東京の六本木ヒルズに「ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション」を開店。そのほかにガストロノミーレストラン「ジョエル・ロブション」(ミシュラン3 ツ星)、イートイン・ショップ、ベーカリーショップなど、10 店舗のジョエル・ロブション・ブランドの飲食店がある。ルームウエアのライセンス事業「ジョエル・ロブション& ジェラート・ピケ」も手掛ける。

 
私の料理の指針となった
「懐石料理」との出会い
 
❏ 現在、世界11 カ国にレストランを展開。日本ではレストラン3 店、カフェ2 店、ブーランジュリー5 店の計10 店舗を展開していますが、ロブション氏の料理人としての原点について改めてお話しください。
 
 昔の話ですが、12 ~ 15 歳まで過ごしたカトリック神学院で、シスターの料理の手伝いをした時間が楽しい思い出として残っています。鍋を磨いたり、野菜の皮をむいたりの簡単な作業ですが、母親と一緒にいるような本当にリラックスできる時間でした。父親が石工職人だったので、建築家になりたかったのですが、そのための学費が払えなかったので、15 歳で神学院での楽しい思い出のある料理の世界に入りました。当時は戦後で食料不足の貧しい時代だったので、「料理人になれば最低限食べていくことはできる」というのも動機の一つです。
 
❏ 長い料理人の人生において、最も印象に残った出来事、人物、言葉などありますか。
 
 最初の修行の師匠が、にんじんと玉ねぎというシンプルな食材だけで、すごくおいしい料理を作っていたことがとても印象に残っています。その後、フランスの職人訓練機関「コンパニオン・デュ・ドヴォワール」に入って、全国を渡り歩いて料理の修業をしました。このときに、完璧な仕事を追求することの喜びを学びました。
 
 1976 年にフランス最優秀職人(MOF)の称号をいただいて、故ポール・ボキューズの誘いで、大阪の辻料理学校でフランス料理のデモンストレーションをするために日本に行きました。そのときに料亭「吉兆」に行って、初めて出会った懐石料理に大きな感銘を受けました。季節感、器の重要性など、当時フランスにはなかった全く新しい価値観で、その後の私の料理の指針になっています。「日本の影響を受けすぎている」という意見もありますが。辻料理学校のデモンストレーションの際に、当時のホテル・オークラの総シェフ、故小野政吉さんがアシスタント役に回って、親切に支援してくれたことがとても印象に残っています。
 
 心から尊敬するとても大切な恩師です。フランスでは、自分のレストラン「ジャマン」を開店するときにとてもお世話になった故ジャン・ドラベーヌ・シェフを忘れることはできません。
 
 81 年に「ジャマン」を開店、翌年82年にミシュラン1 ツ星、83 年に2 ツ星、84 年に3 ツ星を獲得しました。これは私の人生でとても重要な出来事です。
 
❏今年2月には六本木で「すきやばし次郎」の小野二郎氏とのコラボ・イベントを行ないましたが、そのときの印象は。
 
 小野二郎さんは大好きで心から尊敬しています。小野さんの仕事の素晴らしさを本当に理解するためには、芸術的で繊細な感性が必要だと思います。最初に小野さんのお店に行ったのは80 年代初頭です。すでにいろいろなすし屋に行きましたが、「すきやばし次郎」ならではの、ほのかに温かい「しゃり」がとても印象に残っています。小野氏のお店は、まず魚のにおいがしません。その代わりに最高の品質で清潔な木のにおいがします。小野さんがすしネタ(魚)を切るときのほかに比類の無い「手さばき」、口に入れたときに分かるしゃりの大きさ、にぎり具合、ネタ(魚)の温度の完璧さに深い感銘を受けました。私にとってすしの理想で、日本に行ったら必ず「すきやばし次郎」に行っています。
 
❏ 親日家として定評がありますが、日本が好きな理由は何でしょうか。
 
 私が知る限り、日本は世界で最も「無形の価値」を敬う国です。まず人への敬意、そして日本人の自然の美しさへの感性は特殊なものです。日本とは長年にわたって仕事をさせていただいていますが、契約書があることを忘れてしまうくらいのゆるぎない「信頼関係」でビジネスができる唯一の国です。日本独特の繊細さと厳格さが大好きです。私にとって、とても居心地が良い一番好きな国ともいえます。

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