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2020年2月14日号 TOP INTERVIEW ホテルロイヤルクラシック大阪  総支配人 宇佐美 勝也 氏

ホテルロイヤルクラシック大阪 「時をつなぐ」「人をつなぐ」「街をつなぐ」 大阪難波の歴史を継承し、未来を創っていく

【週刊ホテルレストラン2020年02月14日号】
2020年02月13日(木)
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2019 年 12 月 1 日、ホテルロイヤルクラシック大阪が大阪難波の新歌舞伎座跡地に開業した。村野東吾氏が 60 数年前に生み出した新歌舞伎座の外観を継承しつつ、世界的建築家の隈研吾氏により新しいランドマークとして誕生することになった。さらに「ホテル&ミュージアム」のコンセプトを打ち出し、フロント、エレベーターホール、ホワイエ、廊下などのパブリックスペースや客室には、100 点を超えるアート作品が展示されている。プロジェクトの構想段階から大切にしてきた「新歌舞伎座の意匠を継承し、これまでにはない新しい価値を提供できるホテルを創りたい」という想いを守りながら、従来のホテルの概念やスタイルにとらわれることなく、お客さまに「プライスレスの心の贅沢(ぜいたく)」を感じてもらえるホテルを目指す。そして国際文化観光都市・大阪の発展に寄与する使命も果たしていこうとしている。総支配人の宇佐美勝也氏にその決意を聞いた。

ホテルロイヤルクラシック大阪
総支配人
宇佐美 勝也 氏

1981 年神戸市外国語大学英米学科卒。同年4月㈱ロイヤルホテル入社。宿泊部門を中心に歩み、リーガ東京・大阪宿泊部長、リーガ広島副総支配人、リーガ中之島イン総支配人を歴任。2019 年 3 月より㈱ロイヤルクラシック(親会社㈱ベルコ)に転じ、現職。趣味はショットバー巡り。Wild Turkey をこの上なく愛する 61 才。

「つなぐ」という言葉にこだわりながら 開業プロジェクトに取り組んできた

  2019 12 1 日に開業した、ホテルロイヤルクラシック大阪の特徴を教えてください。
 
世界的な建築家、隈研吾氏の設計による人目を惹く建造物が交通至便な大阪難波の駅前に誕生したことが、まず一つ大きなポイントだと思います。また、コンセプトの一つとして掲げている「ホテル&ミュージアム」も、ホテルロイヤルクラシック大阪に大きな特徴をもたらしてくれています。館内にはかなりの数のアート作品が配置され、新歌舞伎座の意匠を継承した外観の魅力はもちろんのこと、ホテルに足を踏み入れることでアート作品をお楽しみいただける点は確実に差別化につながっています。
 基本的にアート作品は、東京藝術大学・特任教授の伊東順二氏の監修によって作品が選ばれています。現代美術に焦点をあてて選定されたと聞いています。

❒ アート作品が並ぶホテルということで、運営する上で注意しなければならない面はありますか。
 
貴重な美術品を所有しているホテルであっても、さりげなく置いてあるだけとか、事情により倉庫に眠っているとか、知る人しか知らないといった扱いをしているケースもよく見受けられます。そういうことがないように、ホテルロイヤルクラシック大阪ではアート作品を身近に感じていただくことで、宿泊の機能を超えた部分での魅力を感じてもらおうと考えています。泊まる以外の楽しみがあることを、これからも積極的に皆さまにお伝えしていきます。

❒ ホテルとして、どのようなこだわりを持って展開していきますか。

 私たちは「つなぐ」という言葉に強いこだわりを持ちながら開業プロジェクトに取り組んできましたし、これからも「つなぐ」をキーワードにした活動を通じてホテルを運営していきます。「時をつなぐ」「人をつなぐ」「街をつなぐ」の 3 本柱を意識しながらサービスを提供していくことで、ホテルロイヤルクラシック大阪の役割を果たしていこうと考えています。
「時をつなぐ」というのは、もともとウエディングホテルとして計画された施設であることを背景に、3 世代にわたって皆さまの人生の時間をつないでいくというものです。「人をつなぐ」は、宿泊を通じて関西に観光に来られた人々とのつながりを創る、あるいは宴席や食事を通じて近隣の企業や地元の方々とのつながりを創る場でありたいということです。
「街をつなぐ」は、大阪難波の街に溶け込むことのできるホテルを創りたいという当初からの考え方を具現化するための言葉です。建物の前面部にある新歌舞伎座の意匠は、1958(昭和 33)年から60 年以上にわたって大阪難波の界隈に住む方々が目にし続けてきたものです。多くの人々が抱いている大阪難波の思い出の中に息づいている場所を私たちが引き継ぐことで、街をつなぐ役割を担っていく必要があると強く感じています。‍これまでの街の歴史があった上で、ホ‍テルロイヤルクラシック大阪が存在できる。‍そして、その新しい建物の中で私たちが‍仕事をさせていただける。そのことに感謝‍しながら、この先の未来を創っていく拠‍点で在り続けたいと思っています。‍

ワンフロアに一つの宴会場がある形によって‍ それぞれの婚礼を貸し切りの状態にできる
 
‍❒ インバウンド比率はどれくらいを想定し‍ていますか。‍ 
 
 同じエリアのホテルの状況を見ると、イ‍ンバウンド比率は 70%から80%になって‍いるようです。私たちとしては、国内のお‍客さまにもご利用いただき、インバウンド比‍率は 50%くらいと考えています。‍
 どの国や地域からのお客さまが多くなる‍のかについては予測が難しいところです‍が、すでに話を進めているのは大手エー‍ジェントを通じた欧米系のツアー獲得に向‍けた動きです。もちろんアジアにも力を入‍れていきますが、昨今の韓国の動きなどを‍鑑‍かんが‍みても、特定の国や地域に偏った力の‍入れ方をするのは得策ではないでしょう。‍同時に国内のお客さまについても、こ‍れまでに大阪難波を訪れていただいたこ‍とのある方々がもう一度帰ってくる場所、‍思い出をよみがえらせてもらえる場所として‍も存在していきたいと思っています。‍
 
❒ 客室が 150 室といった客室構成になっ‍ていますが、ADR など数値的な目標に‍ついてはいかがでしょうか。‍

 基本はお二人さま部屋でもありますか‍ら、RevPARレベルで 2 万円を少し超え‍るくらいのイメージを描いています。‍
 
❒ 婚礼の受注も順調に入ってきていますか。‍ 
  
 婚礼の受注は 2019 年 11 月末までに‍400 件を目標に取り組んできましたが、お‍かげさまでほぼ計画通り順調なペースで‍進んできました。‍全体的にブライダルマーケットは厳しい環‍境にありますが、ホテルロイヤルクラシック大‍阪は新築の建物であることも好影響をもたら‍してくれているのか、今のところ好調に推‍移できているのではないかと感じています。‍

❒ 宴会場はいくつありますか。

大きなくくりで言いますと、婚礼ができる宴会場は五つあります。一般的なグランドホテルとの比較において特長的なのは、基本的にワンフロアに一つの宴会場があるという点です。この形によって別の婚礼のお客さま同士が交錯することもなく、言ってみればそれぞれの婚礼について貸し切り状態にできるという大きな強みがあるということです。 婚礼以外の一般宴会については、法人や業界団体、学校の先生方の集まりなどが入ってきている状況です。これまでの動きを見ると、だいたい 70、80 人から100 人規模の宴席が中心になっていると思います。
 
多様なスタッフが混ざり合いながら 思いのほかうまく取り組めている
 
❒ アートやコンセプト以外にも、施設の特徴があれば教えてください。

 FB 部門はレストランが 2 階に一つ、ブッフェスタイルで料理を提供する「ユラユラ」という店舗で、ランチ、ディナーを提供しています。メニューの詳細は、開業後も毎日討議を重ねながら開発を続けています。 これも一つの特徴かと思いますが、フロントフロアである11 階にある「レストラン ハフ」は宿泊者専用の朝食レストランとして展開しています。ホテルロイヤルクラシック大阪は正午チェックアウトですから、朝6時30分スタートで、10時くらいまでに入っていただき、10 時 30 分クローズという感じで営業していくことになります。一般的なホテルに比べて、若干ではありますがゆっくりしていただけるかと思います。 朝食のメニューに関しては、少しコストをかけてでもほかのホテルにはないような、「朝食でこんな料理が出るのか」と思っていただけるものを追求していきたいと考えています。総料理長が試作でフォアグラサンドウィッチを創っていましたが、例えばそういった普通では朝食に出ないような料理を散りばめていけたらと思います。
 
❒ スタッフは何名いますか。
 
 全館で約 150 名です。各部門でほぼ均等の人数を配置していきますが、調理スタッフだけは少し多めになります。採用したスタッフはホテル経験者もいれば未経験者もいてバックグラウンドはそれぞれ異なりますし、もちろん外国人スタッフもいます。開業後も研修を続けていますが、多様な人材が混ざり合いながら、思いのほかうまく取り組めていると感じています。私のように 40 年近くもホテルで仕事をしていると、どうしても考え方のパターンは決まってきてしまいます。その意味ではホテルとは別の世界、違う分野でのバックグラウンドを持つ人たちに入ってもらえたことで、柔軟に対応できる環境が創れていることがプラスに働いているのだと思います。

地に足を付けて、末永くご利用いただける‍ 場所づくりに努めていきたい‍
 
❒ 人材教育については、どのように進め‍ていこうと考えていますか。
 
‍ 私たちの時代は、お客さまがホテルマ‍ンを鍛えてくれたものです。私はよくフロン‍トカウンターに立っていましたが、本当によ‍くお客さまから叱られました。ただ、それ‍でもまたホテルに来てくださるのですよね。‍顔なじみになっていろいろなお声掛けをい‍ただくことで関係に深みが出ていって、そ‍こからホテルマンとして必要なことを学ん‍でいくことができたものです。
‍ 今は面と向かって注意してくださるお客‍さまがほとんどいらっしゃらないので、難し‍い時代だと感じます。もちろんお客さまに‍注意されるような状況を作ってはいけない‍のですが、人間がやる仕事ですからそう‍いう状況はいずれ生まれてしまいます。そ‍のときに顔を見て注意されるのではなく、‍ホテルを出てからインターネットの口コミで‍指摘されるケースが多くなっているのです。‍ ですからマネジメント側の人間としては、‍口コミで上がってくるお客さまの声をしっかり‍と吸い上げて、そのコメントを人材教育の‍材料にしていく必要があると考えています。
 
‍❒ 将来に向けた戦略として、どのような‍方向性で進んでいきますか。‍
 
 ホテルロイヤルクラシック大阪は、どちら‍かと言えば FIT のお客さまを中心に使って‍いただくホテルでありたいと思っています。‍
 これから2021 年のワールドマスターズ‍ゲームズ関西、25 年の大阪万博など大‍きなイベントも予定されています。そちら‍はそちらで重視しながらも、ビッグイベント‍に力を入れ過ぎてしまうことで個別のお客‍さまのご利用に支障をきたすようなことが‍あってはなりません。一過性のイベントの特需に左右されるこ‍となく、地に足を付けて、末永くご利用‍いただける場所づくりに努めていきたいと‍思います。‍

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