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2021年4月23日号 トップインタビュー (株)三井不動産ホテルマネジメント 代表取締役社長 雀部 優 氏

トップインタビュー  (株)三井不動産ホテルマネジメント 代表取締役社長 雀部 優 氏

【月刊HOTERES 2021年04月号】
2021年04月22日(木)
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約40年の歴史でかつて無い苦境

---まずは今回の新型コロナウイルス(以下「コロナ」)の影響で世界中のホテルが大きな影響を受けました。御社の収益面での影響について教えて下さい。

 おっしゃるようにコロナの影響により収益面において大きな打撃を受けました。私たち三井不動産グループのホテル事業は1984年に大阪に開業した三井ガーデンホテル大阪(現在の三井ガーデンホテル大阪淀屋橋)から始まり約40年の歴史があり、その間もさまざまな経済環境的苦境を乗り越えてきましたが、昨年来のコロナ禍はかつて経験をしたことがないものです。

 昨年のコロナ禍初期には、複数の施設を休館いたしました。これは収益よりもお客さまとスタッフの安全確保を優先するためであり、休館中に早期に弊社として の 新 オ ペレーションガイドラインを策 定 、公表しお客さまに安心してお越しいただける体制を整えました。
 
 営業再開後、7月以降はインバウンド需要が消失してしまった中、これまで通りの営業方針では難しいと判断をし、ADRよりも稼働を優先する施策にシフトし、多くの方にお越しいただけるようになりました。

 結果、ADRは下がることとなりましたが、これまで弊社ホテルをご利用いただくことがなかったお客さまにお泊まりいただくきっかけとなり、またOTA掲載順位の向上にもつながり、中期的な収益面での基盤固めとなるなど、狙い通りの結果も得ることができました。

 10月以降はそれまで自粛していたお客さまの旅行ニーズの反動や出張の回復、さらにはGoToトラベルの追い風もあり回復傾向に転じましたが、12月以降は再度の感染拡大とそれに伴う緊急事態宣言によって減速。3月に入って少しずつ回復の兆しが見えている状況にあります。


 

コロナはある意味での転換期「宿泊主体型ホテルの機能」を再定義

---どの企業にも言えることですが、このコロナ禍をどう乗り越え、同時に経営・運営体制を見直せるかが鍵ではないかと思います。

 まさにその通りです。この厳しい環境下で何を学び、より筋肉質な運営能力を身につけるかは重要なポイントです。これらは以前より弊社の課題ではありましたが、コロナ禍以前は高稼働と新規開業ラッシュへの対応などにより道半ばでした。このコロナ禍によってそれを身に着け、さらに、以前から必要性を感じていながらも十分には取り組めていなかった三井不動産グループとの連携強化にもチャレンジできる、見方によっては好機であるとも感じています。

---具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?

 まずは「宿泊主体型ホテルの機能」の再定義です。従来の「宿泊する(+朝 食をとる)」 に加え 「『 住む・働く・憩う』ための空間」など、さまざまな過ごし方を提案しました。 そこで取り組んだ一つの例として、新たな商品プランをキャスト(アルバイト)・社員を含む全従業員より募集する全社コンテストを実施しました。日本全国のホテルから個人やチームで約80の提案があり、例えば社長賞を獲得した三井ガーデンホテル広島ではゴルフのプレーとセットとなった「瀬戸内リゾート・ゴルフプラン」など大ヒット商品につながるアイデアも出てきました。このプランは販売2時間で完売をする人気プランとなりました。

 この活動による最大の収穫は、これまで本社主体であった商品造成を、現場の最前線に立つスタッフ自らが行ない、その楽しさ、難しさを経験し、実際にそのプランでお泊りになるお客さまの笑顔に触れることで、スタッフがホテルで働くことに自信と誇りを深めてもらえたことだと考えています。

 

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