天草五橋

熊本の延べ観光入込数は、コロナ前の令和元年には 4800万人で、阿蘇、熊本、天草の三大観光地が半数の 2300万人を占める。その一角を占めるのが天草地方である。地形的には北は有明海、東は八代海、西は東シナ海に面し、囲まれている。天草はその海に浮かぶ無数の島から成り立っている。主な島としては、上島、下島、大矢野島など8島の島から成っている。歴史的には江戸時代初期に、江戸幕府によるキリシタン弾圧と厳しい年貢の取り立てに抗議して、農民たちが一斉に蜂起した戦いである。この時、キリシタンの間でカリスマ的な人気を得ていた当時 16歳の少年天草四郎を総大将として、3万 7千人が原城にたてこもり戦われた。この地帯には 1600年代の戦いのあとが遺構として埋もれており、歴史的痕跡が残されている。この歴史ある海に面した島々の景色は、歴史観光の地として価値がある。そして、1966年大矢野島から天草上島まで5つの橋がかけられ、ここから眺める夕日は「日本の夕陽百選」に選定されている。

県民所得は全国 24位

熊本県の面積は 7409.4㎢で全国 15位と、宮崎県より小さく、宮城県より大きい。人口は 175.9万人で全国 23位。鹿児島県より大きく、三重県より小さい。年齢構成をみると、14歳以下の幼年人口は 13.2％、15～64歳の生産年齢人口は55.2％、65歳以上の老年人口は 31.6％で、全国と比較すると、老年人口比率が高くなっている。県民分配所得は 4.7兆円で全国 24位。一人当たり所得は 266.7万円であり、全国で秋田県に次いで 37位となっている。産業別構成比をみると、第 1次産業は 3.4％、第 2次産業は 26.7％、第 3次産業は69.9％で、全国平均と比べると第 1次産業比率が高い。工業出荷額は 2.9兆円で全国 29位、人口当たりは 161.2万円で全国 36位となっている。

ホテル・旅館数は平均を下回る

飲食店数は 14年で 7696店。内訳をみると、食堂・レストランが 794店で10.3％、専門料理店が 2118店で 27.5％を占める。その中で多いのは中華料理店の 647店で 8.4％を占める。次いで日本料理店が 614店の 8.0％と続いている。そのほか、すし店が 261店（3.4％）、そば・うどん店が 295店（3.8％）となっている。また遊興飲食店のバー・キャバレー・ナイトクラブは 1726店（22.4％）、酒場・ビアホールは 1662店（21.6％）と多く、両者で 44.0％を占める。以上のほか喫茶店は 483店（6.3％）、ハンバーガーなどその他の飲食店は 338店（4.4％）である。09年調査から飲食店が分離された「持ち帰り・配達・飲食サービス業」は 889店である。ホテル・旅館の施設数は19年で 1039軒、客室数は 2万 7775室で、2010年からの伸び率をみると、施設数は全国の▲ 10.4％に対して当県は▲25.7％、客室数は全国の 10.9％に対して当県は▲ 2.3％の伸びで、ともに平均を下回っている。

----
※各種図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入をお願い申し上げます。
 
2022年11月18日号ご注文フォームはこちら
https://ec.hoteresonline.com/products/list.php

----