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THE WALDORF ASTORIA SPA

NYの伝説ホテルが大阪へ ~ THE WALDORF ASTORIA SPA

2025年09月20日(土)
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ペアで受けられるトリートメントルーム
ペアで受けられるトリートメントルーム


 NYの伝説ホテルが大阪へ
 
  その名前は、1893年にNYマンハッタンに開業した「ウォルドーフ・ホテル」と「アストリア・ホテル」という2つのホテルに由来する。ウォルドーフ・ホテルは、アメリカで最初の億万長者であるアスター家4代目当主のウィリアム・ウォルドルフ・アスターによって建設され、一方、アストリア・ホテルは、ウィリアムの従兄弟であるジョン・ジェイコブ・アスター4世によって建てられた。ふたつのホテルはやがて「ピーコック・アレー」と呼ばれる大理石の回廊で結ばれ、伝説の「ウォルドーフ・アストリア」ホテルが誕生した。
 
 このホテルは単なる宿泊施設ではなく、ラグジュアリーの象徴だった。壮大なボールルームが広がり、天井高く煌めくシャンデリアの下、華やかな社交の舞台に世界の中の上流階級の人々がこぞって訪れた。世界で初めて、24時間のルームサービスの提供や全客室のバスルームを備え、そして「トゥルー・ウォルドーフサービス」と呼ばれるゲストひとり一人に合わせた、細やかでパーソナルなサービスでゲストをもてなす・・。現在では当たり前になっている高級ホテルの基礎を作り上げ、社交界、文化人、国家元首に愛され、富と権力、名声の象徴となった。私もNYの「ウォルドーフ・アストリア」には数度宿泊したことがある。バトラーサービスがあるフロアに滞在したとき、モーニングを着用し、白い手袋をした担当のバトラーが気高く、貴族のような佇まいで、実はスリランカの王族の血を引く男性だとあとで知った。
 

 

次世代ホテルのラグジュアリー・アイコン
 
 そして、2025年4月、そんな伝説的ブランドがついに日本に初上陸。「ウォルドーフ・アストリア大阪」は、再開発で注目を集める「グラングリーン大阪」の南館に誕生した。大阪駅から徒歩4分という抜群のアクセスにありながら、館内に足を踏み入れれば、まるでニューヨークの伝統と未来の洗練が交差する別世界だ。
 
 29~38階に広がるホテルのフロアは、都市のスカイラインを一望できる天空の舞台。シャンパンゴールドのきらめきと洗練されたインテリアが織りなす空間は、まさに“次世代のラグジュアリー・アイコン”である。
 
天空のサンクチュアリ「The Waldorf Astoria Spa」

 
 滞在中、体験したスパのトリートメントが素晴らしかった。30階に広がる「The Waldorf Astoria Spa」は都市の喧騒から切り離された、まさに天空のサンクチュアリ。大きな窓の向こうには、大阪の街並みがドラマティックに広がる。
 スパメニューには、国内では唯一の取り扱いというスイスの高級スキンケア製品やオリジナルアロマを駆使した、心身を解き放つ、ゲストそれぞれに合わせたオートクチュールのトリートメントが揃う。
 
 私が受けたのは、シグニチャートリートメントの「バイタリティ」(120分)に整体30分を加えたカスタマイズメニュー(150分)。整体というと、少し無理な姿勢で痛くなったりするが、熟練の体師による施術は、実に心地よく、気持ちも身体もほぐされた。整体をすることで、後のトリートメントの効果がさらに倍増されるそうだ。

 

スパ内のラウンジ
スパ内のラウンジ
トリートメントルーム内に備えられたバス
トリートメントルーム内に備えられたバス

日本の文化を取り入れたオーダーメイドのスパ体験
 
 そして、お鈴の音から始まるトリートメントの前のリチュアルは、まずセラピストが用意してくれた抹茶をいただく。それだけで何やら気持ちが落ち着く。次は、日本酒の銘酒「千利休」を湯の中にくぐらせて、フットバスを行う。茶の湯の名匠の生誕地、大阪ならではの茶体験も盛り込まれたこのリチュアル心が深く鎮まるようだった。このプログラムには、ボディとフェイシャルの気になるところにしっかりとフォーカスして、その人の状態に合わせてカスタマイズしてくれる。施術が進むほどに、血流が促され、呼吸が深くなり、体の内側から再生していくような感覚があった。施術後はまさに生まれ変わったよう!
 
 またフェイシャルではカッサを用いたリンパドレナージュで血行を改善し、肌本来の輝きを引き出す。終了後、鏡を見ると、肌のトーンが上がり、内から輝きが出ているのがわかった。そして目まで大きくなっている!来たときとはまるで違う自分がそこにいた。
 長寿や不老の象徴ともされる松の盆栽が飾られた神聖な空間も素晴らしく、魂まで清められるようだった。      
        
飛び切りの非日常と贅沢なウェルビーイング
  
 ちなみにパウダールームのアメニティはAesopの高級スキンケア「PARSLER SEED」。ヘアドライヤーはレプロナイザー10 7D Plusで、厳選された備品にもこのホテルのこだわりがあらわれていて、気分が上がる。
 
 トリートメントの前後には、温浴施設でジェットバスやドライサウナ、スチームサウナなどのサーマルエクスペリエンスを楽しんだ。
 20メートルの屋内温水プールは、天井まで続く大きな窓から太陽の光が降り注ぎ、大阪のパノラマが眼下に広がる。デイベッドで優雅に過ごす時間も究極の非日常体験だった。
 
 130年にわたり世界のラグジュアリーホスピタリティをリードしてきたウォルドーフ・アストリア。そのDNAは大阪でもしっかし息づいていた。ウォルドーフ・アストリア大阪のスパは、ただのリラクゼーションを超えた「生き方そのものを磨き上げる体験」と呼ぶにふさわしい場所だった。

文:松澤壱子

 
■ ウォルドーフ・アストリア大阪
■    大阪市北区大深町5-54 グラングリーン大阪_南館

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