ログイン
検索
  • TOP  > 
  • 記事一覧  > 
  • オリックス・ホテルマネジメント、新ブランド「CROSS Suites」を発表
オリックス・ホテルマネジメント、新ブランド「CROSS Suites」を発表

オリックス・ホテルマネジメント、新ブランド「CROSS Suites」を発表

2025年12月09日(火)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2026年夏「クロススイーツ東京浅草」開業へ

左より、ブランド担当 結城 亜寿香 氏 , 取締役社長 似内 隆晃 氏 , ホテル評論家 瀧澤 信秋 氏 , セールス&マーケティング部 副部長 大谷 敏史 氏
左より、ブランド担当 結城 亜寿香 氏 , 取締役社長 似内 隆晃 氏 , ホテル評論家 瀧澤 信秋 氏 , セールス&マーケティング部 副部長 大谷 敏史 氏


 オリックス・ホテルマネジメント株式会社は12月4日、新たなライフスタイル・アパートメントホテルブランド「CROSS Suites(クロススイーツ)」を発表した。第1号となる「クロススイーツ東京浅草」は東京都台東区の既存ホテルをリノベーションし、2026年夏の開業を予定している。

 同社は現在、国内28施設・約6,700室を運営しており、新ブランドの投入により中長期滞在市場の取り込みを強化する考えだ。
 

ブランド戦略と浅草第1号の位置付け

登壇の様子
登壇の様子


 ブランド戦略については、取締役社長 似内 隆晃 氏が全体方針を説明した。似内氏は「当社は将来的に1万室規模の事業体制を視野に入れている。その中で、家族・グループ旅行の増加や中長期滞在の伸長は明確で、アパートメントホテル型の需要は大きい」と述べた。
 
 同社が過去に運営したアパートメント型施設では稼働率85%超の実績があり、「市場性を裏付けるデータとして判断材料になった」と語る。また、「既存物件のリノベーションや外部オーナーによる運営委託を組み合わせれば、スピード感のある事業拡大が可能」とし、ストック活用型モデルを強化する考えを示した。

 また、本ホテルは既存ホテルの再生型開発で、似内氏は「ストック活用を軸に、引き続き複数の都市で開発を検討している」と述べた。

 ブランドの詳細は、セールス&マーケティング部 副部長・大谷 敏史 氏が説明した。CROSS Suites は、最大6名まで宿泊可能なゆとりの客室、キッチンやランドリーなどの生活機能、そして共用ラウンジ「Hang Out」を備える設計が特徴。ブランドコンセプトは「Live Life Local」,「Spark Encounters」,「Initiative+」の3点で、「滞在自体を体験価値にするブランド」と位置付ける。

 体験創出の核となる Hang Out については、ブランド担当・結城亜寿香氏 が説明。「パブリックキッチンやゲームなどを配置し、利用者同士の小さなつながりが自然に生まれるよう、動線や家具配置にも細かく配慮した。スタッフ“モーメントメーカーズ”が地域の案内や体験提案を行い、滞在価値を広げる」と述べた。
 
 第1号を浅草にした理由については、結城氏が「文化体験や食の選択肢が多く、短期・長期どちらの滞在にも適したエリア」と説明。 
 さらに、ホテル評論家・滝澤 信秋 氏 も「浅草は歩く楽しさがある街で、宿泊者が街に溶け込みやすい。アパートメントホテルとの親和性が高い」と評価した。

 

結城氏、瀧澤氏による対談の様子
結城氏、瀧澤氏による対談の様子

今後の展開


 出店戦略について、同社 は「現在、国内主要都市を中心に複数のプロジェクトで協議が進んでいる」と説明した。
 
 同社は、投資環境や都市特性によって最適な開発手法が大きく異なる点に触れ、「当社は“横並びのモデル”ではなく、地域や建物ごとに最適なアプローチを検討している」と語る。
例えば、観光需要が高いエリアでは新築も選択肢となる一方、都市中心部では既存建物の活用が現実的なケースも多い。「新築に限定せず、オフィスからの用途変更や既存ホテルのリノベーションなど、施設特性に応じた多角的な開発手法を採る方針だ」と述べた。
 
 さらに、運営受託についても「オーナー側の投資姿勢に応じて柔軟に組成できるスキームを用意しており、宿泊事業を検討する企業からの相談も増えている」とし、ホテル事業の裾野拡大にも手応えを示した。
 
 これらの取り組みによって、CROSS Suites は単なる新ブランドではなく、同社の成長戦略の“広がりをつくる器”として位置付けられている。
 

客室構成(クロススイーツ東京浅草)

 客室は 全78室・11タイプ。予約開始は2026年2月を予定している。
 
 客室設計について、同社は「6名まで宿泊できる部屋を複数用意し、家族旅行やグループ利用の需要を取り込める構成にした。特に海外では3〜6名での滞在が一般的で、長期旅行者の受け皿として重要になる」と説明した。
 また、キッチンやランドリーの設置については「“暮らしのリズム”を旅先にも持ち込めることが、長期滞在の満足度を左右する」と語った。

【客室詳細】
・スタンダードルーム:7室
・スーペリアルーム:17室
・スーペリア(アクセシブル):1室
・スーペリアトリプル:5室
・デラックストリプル:20室
・デラックスファミリー:4室
・ジュニアスイートルーム:5室
・スイートルーム:9室
・コンセプトルーム:2室  


広めのリビングスペースを持つタイプも多く、旅のスタイルに応じて柔軟に選択できる構成となっている。

ーーー
文・オータパブリケイションズ 編集部 松島 
Mail:matsushima@ohtapub.co.jp

月刊HOTERES[ホテレス]最新号
2025年11月15日号
2025年11月15日号
本体6,600円(税込)
【特集】本誌独自調査 総売上高から見た日本のベスト100ホテル
【TOP RUNNER】
HOTEL THE MITSUI KYOTO 総支配人 加勢田 愉士氏

■業界人必読ニュース

■アクセスランキング

  • 昨日
  • 1週間
  • 1ヶ月
CLOSE