㈱グリップセカンドが同社初のホテル内レストランとなる「LAZULI PLACE」を、宇都宮初のライフスタイルホテル「THE KNOT UTSUNOMIYA」に開業した。同店は、モーニングからナイトタイムまで時間帯ごとにメニューが切り替わるオールデイダイニングとして構成されており、ホテル宿泊者のみならず、街の人々が日常的に立ち寄れる場として設計されている。また、店舗にはベーカリー「LAZULI BAKERY」を併設。デニッシュや食事パン、ドーナツを中心に、ジャムやドレッシングといったプロダクトも展開されており、良心的な価格帯と洗練されたデザイン性によって、日々の暮らしに自然と組み込まれる存在を目指す。宇都宮にライフスタイルホテルという‟新たな概念“を根付かせる、街とホテルをつなぐ心地よい社交場が誕生した。
レストラン内観。全国から届く旬の食材に栃木の恵みを織り交ぜた料理を味わえる同店のコンセプトは“旬をたのしむ、街のリビング”。店名のLAZULIは栃木県の県鳥オオルリに由来し、ラピスカラーが美しいオオルリにちなみ、シグネチャーカラーやオリジナルグッズには‟LAZULIブルー“が用いられている
ホテルの1階部分にレストランとベーカリーを併設した背景には、レストランという非日常的な場を、外食のために訪れる場所に限定するのではなく、パンを買う、コーヒーを飲むといった日々の行為の延長線上で自然に立ち寄れる存在とする意図があったという。こうした“街の日常”へとひらかれた装置を備えることで、ホテルと街との距離を緩やかに縮め、社交場としての側面を育てていく狙いもある。施設内の厨房で焼き上げられる商品は、パンにとどまらず、ペストリーやドーナツなどバラエティに富み、通勤前や街歩きの途中にも利用しやすい構成だ。さらに、ドリンク類を注文すれば宿泊者以外でもホテルの共有部分を利用できることから、すでに宿泊の有無を問わず人の流れを生み出す場となっている。
さらに、2階のバンケットスペース「LAZULI BANQUET」も、宇都宮の街のニーズに応える形で設えた。清原工業団地をはじめ、大手企業の工場が集積する同地には、日本国内のみならず海外からのビジネスパーソンの往来も多く、会議やセミナー、懇親会といった需要は安定して存在している。一方で、これまで宇都宮市内には、飲食を伴う集まりに対応できる会場がない点が課題とされてきた。そこで「LAZULI BANQUET」では、1階のレストランやベーカリーと連動可能な体制を整え、レセプションやブライダル利用に加え、会議から懇親会までを一体で行える機能を備えた空間として構成した。この取り組みは、施設開業に際して宇都宮の自治体や財界からも高く評価されたという。
「LAZULI BAKERY」では、オリジナルグラウラーやエコバック、さらにグリップセカンドのシグネチャーテイストともいえる‟淡路新玉葱と有機大葉 ドレッシング“や手作りジャムなどを購入することができる。またタイミングによっては焼き菓子やパンが詰め合わされている‟HAPPY BOX”が販売されていることも
そこで今回の取り組みについて、金子氏にコンセプトを伺った。
「街とホテルを日常という視点でどうつなぐかを考えることからスタートしました。ホテルという業態でこれまで以上にお客さまとのタッチポイントが増えることもあり、時間帯ごとにどういったアプローチをするのがよいかについては細かく検討しました。中でも、宇都宮の文化では女性が気軽に訪れられる、居心地のいい飲食店が少ないという現状があったので、街の社交場としての顔を育てつつ、ホテルの宿泊者だけでなく、女性たちが生活の延長線上で自然に利用できる場であるにはどのような形がよいのか?と。社交場としての側面については、他のまちづくりで得た知見をもとに、宇都宮の街の特性や価値観、文化と照らし合わせて熟考を重ねました。私自身が隣町の鹿沼出身で、宇都宮は青春時代を謳歌した地ということもあり、地元サイドの視点と外からこの地を見る視点の二つを通して、この街の特徴を把握できたことも大きかったと思います。街を再編集するという意味では、『豊島区立南池袋公園』の再生を手掛けた経験も大いに役立ちました。同公園は、かつて利用が限られていた公園空間をリニューアルし、緑あふれる憩いの場やカフェ・レストランなどを整備することで、地域の“日常”とつながる場へと変えていったのですが、その知見を宇都宮で生かすには、何を整理し、何を削り、何を足すのか? 二つの文化、二つの視点を行き来することで、新たな宇都宮らしさにつなげるにはどうすればよいのか、という翻訳作業に近い取り組みを重ねました。もちろん、現時点ではまだ“場”ができた段階で、何が生まれるかは未知数ですが、スタッフたちにも可能な範囲で二つの視点を持つ機会を設けたいと考えていますし、お客さまと共に“街の新しいスタンダード”をつくっていく場になればと考えています」。
南池袋エリアの活性化と再生での成功、都内女性外食市場からの圧倒的な支持、そして宇都宮での新たな挑戦のもと、現在、金子氏のもとには全国各地から多くの引き合いが寄せられている。同社の今後の展開に注目だ。
「LAZULI PLACE」
https://www.instagram.com/lazuli_place/
「LAZULI BAKERY」
https://www.instagram.com/lazuli_bakery/
いちご地所㈱、‟THE KNOT“ブランド第5弾、「THE KNOT UTSUNOMIYA」を宇都宮に開業
https://www.hoteresonline.com/articles/14659








取材・執筆 毛利愼 ✉mohri@ohtapub.co.jp




