当コーナーではこれまで、いわゆるヘルツツーリズムや関連する情報を中心に紹介してきた。しかしながら、ヘルスツーリズムの延長線上には、さまざまニューツーリズムが存在しているし、ヘルスツーリズムとスポーツツーリズムなど親和性の高いジャンル同士がクロスオーバーしているケースも少なくない。今回はスポーツを通じた地域振興のバックグラウンドと関連情報を紹介する。
目立ち始めたスポーツによる
地域活性化への取り組み
今年も2 月26 日に東京マラソンが開催された。ランナー約3 万5000 人が参加、また沿道で観戦する熱心なマラソンファンや、テレビやスマホなどを通じてこれを視聴する人たち、そして大会のスポンサー企業のサポートや広報活動、そして東京都など、このビッグイベントには驚くべき数の人々が何らかの形で参加しており、ここに紐づけられた商品やサービスを購買している人たちまで含めるとその経済波及効果は莫大だ。
当然ながら、東京マラソンのために各地から集まる市民ランナーや選手、そして彼らの家族たちは、宿泊場所としてホテルなどの宿泊施設を事前に確保することになる。当然ながら都内や周辺地域では猛烈に宿泊ニーズが高まることになる。
これが2020 年の東京オリンピック・パラリンピックであれば、けた違いに大きな経済効果を生み出すことは言うまでもない。
このようにスポーツをうまく活用すれば地域に大きな経済的な恩恵をもたらすことから、昨今国際的なスポーツイベントの誘致や地元で新たなマラソン大会やサイクリングイベントなどを開催し、定着させることで地域振興に充てようという活動が多くの自治体で推進されるようになった。こうした流れは、地域のホテルにとっても歓迎すべきことなのは言うまでもない。