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文殊リサーチワークス

観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《川口市編》

【月刊HOTERES 2018年01月号】
2018年01月12日(金)
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今回は埼玉県の第2 の都市である川口市を取り上げる。川口市は東京に近く成長著しい県南部を代表する都市である。以下に川口市のマーケットポテンシャルとともに、埼玉県の観光マーケットポテンシャルの詳細を見ていこう。埼玉県のマクロマーケットは前回のさいたま市編を参照していただきたい。
 
1. マーケットポテンシャル
 川口市は埼玉県の南部に位置しており、荒川を挟んで東京都北区と隣接している。路線ではJR 京浜東北線が大宮から東京経由で神奈川県まで延びており、また新宿などへのアクセスは川口駅から一駅隣の赤羽駅で埼京線に乗り換えることができるなど、都心部へのアクセスが至便な立地となっている。そのため、周辺都市も含め東京の影響が強く都市勢圏の延伸が厳しい状況にある。川口市の都市勢圏は2 市(川口市含む)のみであり、隣接している蕨市の8.6%のみである。川口市の自内就業率は40.2%。
 
 また川口市の商業拠点性指数(※ 1)は0.84 で消費が流出傾向にある。駅前に「アリオ川口(店舗面積2 万6000㎡)」や「そごう川口店」など大型商業は有しているが、都市型商業の消費は都心に流出しているものと考えられる。
 
 川口市の人口は56 万5043 人(2016年3 月末)で、県内人口に占める人口シェアは7.9%。(図表1)埼玉県南部の都市を見ると、所沢市が33 万9019人、越谷市の33 万1737 人が続きこれらの都市が県南部における人口30 万人以上のマーケットを有している。次いで草加市の24 万583 人である。また、三郷市や朝霞市など10 万人以上を有する都市もあるが、八潮市や和光市など市域の狭い都市では10 万人未満の都市も見られる。
 
 過去5 年間の人口増加率(16 年/11 年)を見ると、川口市は1.4%の増加傾向にある。その他の県南部都市を見ると戸田市が8.0%で最も高い増加率となっており、次いで吉川市が6.8%、ふじみ野市が4.8%、朝霞市が4.0%、志木市が3.9%、八潮市が3.7%と、蕨市の▲ 0.2%以外は増加している都市が多い。東京都のベッドタウンとしての位置づけが強い埼玉県南部の都市において、成長性が高いことが分かる。
 
 川口市の年齢構造を見ると若年人口比率は18.0%、適齢期人口比率は28.6%となり、全国値(若年人口比率18.0%、適齢期人口比率25.1%)と比較して若年人口比率は全国レベルであるが、適齢期人口比率は全国レベルを上回っている。(図表2)その他の県内主要都市を見ると、若年人口比率は吉川市が21.2%で最も高く、次いで戸田市が20.1%、朝霞市が19.3%、八潮市が18.8%、ふじみ野市が18.8%と、全国値を上回っている都市が多く存在している。適齢期人口比率は和光市が36.1%で最も高く、次いで戸田市が32.3%、朝霞市が30.0%、蕨市が29.8%で全国値を大きく上回っており、県南部は適齢期人口が集中していることが分かる。また、高齢者比率(65 歳以上人口比率)は県南部都市においては全て全国値(23.0%)を下回っており、広域的に若いマーケットが存在していると考えられる。
 
 将来推計人口を見ると、川口市は2020 年ごろまで人口増加が続き、2030年ごろまではほぼ2010 年ベースを維持するとされ、2040 年ごろには2010 年ベースの約5%の減少になると推計されている。(図表3、4)県南部都市を見ると、吉川市は増加トレンドが続くと推計されており、2040 年ごろでも2010 年ベースの約10%の増加が見込まれている。次いで戸田市や和光市も比較的増加トレンドが続くと推計されており、2040 年ごろでも2010 年ベースを上回る状況だ。朝霞市も成長性が高く、将来的に2010 年ベースを維持できると見られている。八潮市や三郷市など東京都心へ直接乗り入れる路線がない都市においては2020 年頃からほかの都市と比較して人口減少すると推計されている。
 
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