アロフトは国内二軒目が決定。マリオットはここ数年で急成長
---それではマリオットについてのお話しもお聞きしたいと思います。まずはこのアロフトブランドについて、今後の日本国内の展開予定はあるのでしょうか?
小杉 ウェルス・マネジメント㈱様をパートナーに、大阪の堂島ホテル再開発事業の運営業務委託契約を締結させていただき、来年上期に2 軒目のアロフトブランド「アロフト堂島(仮称)」となる予定です。国内においては現時点でこのほかに公表されているものはありません。
---今後の展開の中で、アロフトとしてはリゾートタイプのホテルも可能性はあるのでしょうか? また、アロフトの世界的な展開の予定に関しても教えて下さい。
小杉 アロフトは基本的には都市型のホテルです。2021 年は10 軒の開業が決定しています。2019 年時点での予定では40 軒が計画され、2024 年までに200軒を目指していると公表されています。
---マリオットはこの2020 年にアロフト東京銀座含む多くのホテルを開業されました。そして、今後も国内で多くのホテル計画が公表されています。今後の国内での展開構想について教えて下さい。
ハドソン ここ数年はマリオットにとって非常にスピーディーに拡大する年でした。今年、複数のホテルが開業をしましたが、これからも日本において年内に19軒が開業します。今年の頭では国内のマリオットのホテルは44 軒でしたが、アロフト東京銀座は52 軒目。今年末には63 軒となります。
引き続きホテルの展開には力を入れていきます。現在の新型コロナウィルスの影響を大きく受けている中でもご相談をいただいたり、ホテル運営契約を締結することもできています。複数の大手のデベロッパー企業様とパートナーを組めたことはその一因と言えるでしょう。長期的な視点で事業戦略を進めることができるからです。
また、先日もザ・プリンス 京都宝ヶ池様にわれわれのオートグラフ コレクションにご加盟をいただきましたが、国内系の運営会社様がわれわれのディストリビューションシステムに頼っていただけるケースが増えています。全世界で約1 億5000万人の会員を有するマリオット・ボンヴォイは大きな強みです。
---このホテルは、総支配人の小杉さんにぴったりのブランドでしたね。そして最後に、アロフト東京銀座の今後の戦略について教えて下さい。
小杉 マリオットでは総支配人の採用に際して、適正テストがあるのですが、日本人としては最もライフスタイルブランドに適した人材と評価が出ました。
ハドソン マリオットではそれぞれのホテルに合った総支配人を選出する工夫をしています。モクシーなどでは、総支配人を「キャプテン」と呼んでいるように、ホテルによって求められるキャラクターも異なります。
小杉 アロフト東京銀座の総支配人となることが決定し、ライフスタイルも変化をしましたね。特に身に付けるものなどアロフトカラーのピンクを選ぶことが増えました(笑)。
今後の戦略ですが、短期的な視点ではラグジュアリーホテルと違い、スパやクラブフロアなどはないのですが、東京でのステイケーションに向いた様々なアイデア企画を練っています。例えば、24 時間いつでもできるチェックインです。いつでもチェックインでき、そこから30時間ゆったり滞在できるプランを検討中です。また、ホテル内の2 つのバーとダイニングをオールインクルーシブでお使いいただけるプランであるとか。さらに、「これぞ銀座」というような店舗とのコラボレーションによる特別な体験なども企画中です。
アロフトというブランド、私自らも含めてチームメンバーの個性をより引き出し、銀座の中でもほかにはないユニークなホテルを創り上げていきたいと考えています。
アロフト東京銀座 総支配人 小杉 眞弘 氏
Profile
小杉 眞弘 氏
(Masahiro Kosugi)
1960 年東京都生まれ。上智大学在学時にミシガン州立大に留学し経営学科卒業。1988 年マリオット・インターナショナルに入社。2000 年マーケット統括国際営業部長としてニューヨーク市内13 軒のホテルを統括。08 年本社グローバルセールス部門に異動。日本・韓国リージョナルディレクターに就任。19 年9 月よりアロフト東京銀座の開業準備室室長を兼任し、20 年10 月より現職。
アロフト東京銀座
https://www.marriott.co.jp/hotels/travel/tyoal-aloft-tokyo-ginza/