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第9回 野菜ソムリエの『ベジフルガイド』 

第9 回 「ねぎ」最終回

【月刊HOTERES 2015年12月号】
2015年12月11日(金)
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栄養・機能性
 ネギ特有の辛み、香りは硫化アリルが含まれているためで、交感神経を刺激して体温を上昇させたり消化を促進する効果があります。また、殺菌効果があり刺し身などにネギ類が添えられているのも理にかなっていると言えるでしょう。さらにビタミンB1 の吸収を助けるほか、疲労物質である乳酸を分解する作用などがあると言われ、疲労回復にも効果が期待できます。この硫化アリルは水溶性なためネギを切った後、長時間水にさらすと減ってしまうので、効果的に摂取したい場合は食べる直前に切り、さっと水にさらす程度にするとよいでしょう。また、焼いたり煮たりして加熱したときに甘く感じるのは硫化アリルが熱に弱く分解されて辛味が弱まること、そしてネギのゼリー状の部分に甘味成分の果糖などが含まれているためです。この硫化アリルは白い部分に多く含まれていますが、緑の部分には体内でビタミンAに変換され皮膚を正常に保つ働きがあるβカロテンが多く含まれているほか、ビタミンB2、C、ナイアシン、カルシウム、リン、マンガン、セレンなどが含まれています。葉ネギはもちろんのこと長ネギの緑の部分もビタミンやミネラル源として活用できるので緑の部分も捨てずに全部使い切りたいですね。
 
注目の品種
 日本で一般的に使われるネギ類は、加賀群、千住群、九条群の三つに分けられています。そのうち寒さに強く白い葉柄部分を食べる加賀群、千住群は「長ねぎ」や「根深ねぎ」と呼ばれ関東での需要が多く、暑さに強い緑の葉柄部分を食べる九条群は「青ねぎ」や「葉ねぎ」と呼ばれており関西で多く食べられています。
 
 関東で根深ねぎの主力と言えば埼玉県の「深谷ねぎ」。葉鞘部に土を寄せて軟白栽培し徐々に白い部分を伸ばしていきます。特に冬は全体に甘みが強くなり加熱料理に重宝します。そのほか加賀群に属する群馬県の「下仁田ねぎ」は丈が短く、太いのが特徴で生では辛みが強いのですが、煮ると柔らかく甘みが出るので鍋ものに欠かせないネギの一つ。徳川幕府に献上して天下一とほめられ、殿様ねぎとも呼ばれていたほどです。関西で葉ねぎの代表格と言えば京都の「九条ねぎ」が有名で、土寄せをせず長くやわらかい葉の部分を食べます。また葉柄部外側のみが赤紫色の「赤ねぎ」はアントシアニン系の色素を持ち、山形県庄内地方や茨城県水戸地方などで伝統的に栽培されています。またネギの仲間は500 種類以上が知られておりタマネギ、ニンニク、ニラ、ワケギやアサツキなども含まれます。

文 牧野 悦子
 

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