ロビーラウンジの前のテラスには、琵琶湖を望む木製テーブルが。気候のいい日は、コーヒーを手にここに座り、ゆったりと湖を眺めるゲストも多い
「飲んだ瞬間ピンと来た」
ネスプレッソのプロ用コーヒー
「ルンゴ レジェロ」
だが、山本氏を納得させる味わいにはなかなか出会えず、ついに出会えたのは2013 年2 月。東京ビッグサイトで開催された「国際ホテル・レストラン・ショー」のネスレネスプレッソ㈱のブースで出会ったのが「ジニアス」だった。「飲んだ瞬間、これだとピンときました。それですぐに導入を決めたんです」。
ちなみに、その時ポッドに入っていた豆は「ルンゴ レジェロ」。ほのかにジャスミンが香る芳醇なアロマが楽しめる上、軽めのローストで、強さがありながらも飲みやすい味わいが特徴だ。ワイン業界では、品質が非常に優れたクラスのワインを「グラン・クリュ」と呼ぶが、ネスレネスプレッソ㈱はそれにちなみ、8 種のコーヒーポッドに「グラン・クリュ」の名を冠している。そしてもちろん、「ルンゴ レジェロ」もそのひとつだ。現地調査や官能検査などを重ねて厳選され、「グラン・クリュ」の品質が認められる豆は、世界のコーヒー総生産量に対してわずか1 ~ 2%。この独自の基準を満たす厳選された豆を、「品質を抽出の瞬間まで保てるように」と、乾燥、焙煎、粉砕、ブレンド、冷却のプロセスを経て、中身が劣化しにくいアルミのポーションに充填して提供しているのだ。山本氏は「自分がおいしいと感じたものを、お客さまにも提供し続けたい」と、導入後ずっと「ルンゴ レジェロ」のみを使用している。それほど惚れ込むのも当然の手間暇をかけられた、まさに「スペシャリティコーヒー」なのである。
また「ジニアス」は、ボタンを押すだけと本当にシンプルな操作ながら、誰が淹れても熟練のバリスタが淹れたかのような、洗練されたアロマとコクのある味わいを出せるため、味にブレがないというメリットもある。「常連のお客さまの中には、以前行っていたハンドドリップを希望される方もいて、もちろんその際には対応させていただいています。私自身も、お湯を注ぐ時間の、あの香りや期待感もコーヒーのおいしさのひとつだと感じていますから…。ただ、ハンドドリップは人によって、また淹れる側のコンディションによって味が左右されやすいという弱点があるんです。ですから、『ジニアス』で淹れたコーヒーのほうが、『誰が淹れてもクオリティが高い』という安心感がありますね」。
「ジニアス」は当初宴会場で朝食をふるまう際に使われていたが、現在はロビーラウンジ「楽々」のカウンター内に設置され、ゲストや打ち合わせに来た商談相手などにふるまわれ、喜ばれている。ゲストに提供する価格は1 杯500 円。希望があれば、同価格でエスプレッソも提供する。