水とポットをセットして、後はボタンを押すだけ。ごくシンプルな操作で、バリスタが淹れたかのような味と香り、クレマを備えたコーヒーが完成する
全客室へマシンを導入し
滞在時間をもっと有意義に
最後に山本氏に今後の目標や課題を聞くと、全客室への導入という答えが帰って来た。「当館では、これまではお客さまにお部屋食をお楽しみいただいていました。ですが、12 月1 日に館内にお食事処をオープンし、そちらで食事をとっていただく、もう少しカジュアルなプランもご用意する予定なんです。現在は1泊2 泊でお帰りになるお客さまがほとんどですが、そんなプランがあれば、もっとのんびりご滞在いただける方もいらっしゃるのではないかと。さらに、滞在時間をもっと有意義に過ごしてもらうため、この改装を機に、全客室へのコーヒーマシンの導入も、前向きに検討しています。当館の常連さまに多いご高齢の方にも、クオリティの高いコーヒーを飲む文化は確実に浸透していますし、例え和食であっても、夕食後にお部屋でコーヒーを楽しみたいという方も多いんです」。
実は「紅鮎」は全14 室の規模ながら、近江牛づくし、鴨鍋会席など、地元の滋味を中心に、全23 種もの馳走から夕食を選べぶことができる「オーベルジュ」でもある。その美味と絶景のロケーションに、客室で味わう「グラン・クリュ」が加われば、まさに鬼に金棒、五感に訴えかける味や香りの相乗効果で、さらなる付加価値をもたらすことは、まず間違いないだろう。今後の進化が楽しみだ。