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第13回 木村滋久のNZワイナリー日記 

第13回 「苦難」

【月刊HOTERES 2016年04月号】
2016年04月08日(金)
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腐敗果を取り除く作業

ワイン造りは農業
 
 皆さん、ワイナリー事業を運営するにあたり、大変なことは何だと思われますか?
「ワイン造りは農業」という言葉もあり、悪天候やブドウの生育状況に起因する収穫高の減少によって、収入減や商品の品質低下などを避けては通れないのがワイン事業です。2012 年は開花時の天候に恵まれず、ピノ・ノワールの収量が例年の半分ほどになってしまいました。それはつまり、ワインの生産量が半分になり、事業運営費を差し引いた収入が予想の半分以下となってしまうことを意味します。ワイン製造、販売を生業とするというのは、天候によって収入が大きく左右される、とてもリスクの高い事業なのです。11 年は収穫直前に大雨が降った年でした。そういう状況下では、果実が水の吸い上げ過ぎで玉割れ(ブドウの粒が割れてしまうこと)を起こし、そこから腐敗果が発生します。どんな造り手でも、腐敗したブドウから高品質のワインは造れないと言われており、弊社では品質維持のため、傷んだ大量のブドウを破棄せざるをえない年となりました。たとえ収穫直前までブドウが元気に育っていても、数日間の雨で農家や醸造家にとっては事業運営にとって致命傷となることもあります。それほど大切なブドウのできの良しあしは、ワインのクオリティーに直結するため、収穫時の品質状態の詳細確認(腐敗や病気の度合)はワイナリーが農家と行なう、契約の必須項目でもあります。

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