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新連載 日本のウエディングの常識 なぜ? なにかへん? 日本のウエディング ~温故知新と世界の視点でよみがえる!~

新連載「なぜやらない!? なぜやりたくない!? 日本のウエディング」PART1

【月刊HOTERES 2016年09月号】
2016年09月30日(金)
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伊藤
クラリス ウエディング ブランドエグゼクティブ/クラリス ウエディングプランナースクール校長/クラリス ウエディングプランナー研究所所長
 
〈プロフィール〉1997 年より㈱リクルートのゼクシィ事業部に8 年間在籍。ゼクシィ「茨城・栃木・群馬版」の立ち上げ責任者を経て、ホテルウェディンググループゼネラルマネージャーに就任。2005年退職し、「クラリスウェディングプランナースクール」を創設、第一線で活躍できるウエディングプランナーの育成に携わる。07 年に㈱リクルートと共同で現役プランナー向け研修を生み出し、ウエディングの打ち合わせオペレーションの改革を提唱する「明日からウエディング」を考案。さらにプランナーだけにとどまらず、ウエディング業界全体の活性化のためジュエリー業界のスタッフや現場キャプテンのトレーニングにも力を注いでいる。

 皆様、はじめまして。この度権威ある業界メディア「週刊ホテルレストラン」様でコラムを務めさせていただくことになりましたクラリスウエディングの伊藤と申します。少しでも皆様に参考にしていただけるような内容のコラムを書かせていただきたいと思います。「ウエディング業界に愛の鞭を!」という辛口コラムが私の役割です。愛と情熱を持って執筆させていただきます。よろしくお願いいたします。
 
 さて、私がウエディング業界に携わらせていただき間もなく20 年が経とうとしています。この20 年の間にウエディング業界も新たに生まれたもの、失われたものがたくさんあります。もちろんそれはこの業界に限らず時代とともに変わり行くのは一般的です。生まれたものの中には現在ではウエディング会場の代名詞となった「ゲストハウス・ハウスウエディング」があります。また、失われたものの中には「仲人」の存在があります。それは消費者ニーズや時代背景の中で起こってきたある種必然なのかもしれません。
 
 しかし、現在ウエディング業界またはホテルやレストラン業界にとって受け止めなくてはならない現実があります。それは「婚礼マーケットの縮小」です。少子化が進み、晩婚化が進み、未婚化が進む。現代社会が抱える社会構造の変化によって起こっている必然なのです。そんな背景も要因のひとつとなり私たちに直接的に関係してくる問題があります。それは「なし婚化」です。「なし婚」とは婚姻届は出すが挙式・披露宴などは行なわないことを意味します。私自身あまり好きな言葉ではありませんが、代替となる表現がないためあえてここでは「なし婚」と表現します。今、この問題がウエディング業界に最もダイレクトに悪い影響を及ぼしているように感じます。しかし、ひょっとしたらこれも消費者ニーズや時代背景、社会構造の変化によって起こっている必然なのではないでしょうか。つまりここからひも解いていかないと「なし婚」に歯止めをかけるのは難しいと考えています。「なぜやらない? なぜやりたくない?」のでしょうか? 私はこの2 年間でさまざまな業界のカスタマーにインタビューをしてきました。そこで出てきたワードは?「やる意味を感じない」「準備やもろもろ配慮することなど面倒だ」「お金がかかりすぎる」「ゲストに負担をかけたくない」などさまざま。30 代以降の意見としては「いまさら恥ずかしい」「身内だけで簡素に済ませたい」という声も多くなってきます。このような「声」の元は何なのでしょうか? そもそも「やる意味」とは何でしょうか? なぜやらなくてはいけないのですか? の問いに皆さんは答えることができますか? 挙式や披露パーティをするということの本当の意味は何でしょうか? 誰のために、何のためにするのでしょうか?「準備や配慮」。これもなぜ面倒だと感じるのでしょうか? なぜその「準備」は面倒なものになってしまっているのでしょうか?「配慮」、誰に何のために必要なのでしょうか?
 
 例えば会社の上司に主賓のお願いをするという行為について考えてみましょう。そもそも主賓とは何なのでしょうか? それは現代社会において必要なのでしょうか? 新郎新婦とどんな関係性を築かなくてはいけないのでしょうか?ウエディング業界の中で当たり前になっている常識がひょっとしたら現代社会の中では非常識またはアンマッチを引きこしてしまっているのかもしれません。そんな少しずつのズレが「なし婚」思考を増殖させてしまっているのかもしれません。引き続き次号ではもう少し「なし婚」の原因探しをしてみたいと思います。次号もよろしくお願いします。

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