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第四十一回 キャリアデザインは口に出して言え 福永健司のキャリア論

Beyond(その先に何が?)

2017年09月06日(水)
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  言葉遊びをする気はないのですが、皆さまはキャリアデザインを考えるにあたり、目的・目標・手段の定義付けはできていますか?
 
 物事を始めるきっかけは些細なことで、まずは“行動ありき”ということにも賛同はできます。しかし、キャリアデザインを考えるにあたり、目的(動機)をはっきりさせた方が良いと私は考えます。なぜなら、“目的”と“目標”を混合し、最後は“目標”のために行動し、“目標”を達成して燃え尽きてしまうという人を少なからず見ているからです。
  

 
 かくいう私自身も若い時分に“目的”と“目標”という考え方をせず、今思えばもっとうまくできたのだろうなという経験があります。
 
 30年ほど前になりますが、私は当時スキューバーダイビングのインストラクターを目指そうと考えました。その時の思考回路としてはインストラクターになること自体が“目標”であり、「なぜなりたいのか?」という“目的”まであまり深くは考えていませんでした。
 
 その結果、インストラクターになるという“目標”は達成できたのですが、“目的”がなかったためになったことによる満足感と達成感が強すぎて、その後それ相応に時間とお金をかけた割にはインストラクターとしての活動自体は長続きしませんでした。
 
 “目的”は「なぜそれをする(したい)のか」であり、“目標”は「そのためになにを達成すれば良いのか」、そして、“手段”は「目標達成のための具体的な行動」です。それらを整理し行動をした結果、目的を具現化する可能性が高まります。“目的”→“目標”→“手段”の順番で考えるのは世に言うロジカルシンキングであり、この時の私はこの考え方が欠落していました。
   
 私のケースで言えば、例えば「スキューバーダイビングの魅力を広めたい」とか「海に関わる仕事・生活がしたい」ということが“目的”だとします。
 その場合、それを現実にするための一つの“目標”として「インストラクターになる」となり、その手段として「海洋実習ができるようになる、ボートの操船ができる」という感じになるはずです。
 私のケースの場合、私は“目標”と“手段”のみで走りましたので、大きな青写真を考えられなかった(=“目的”を考えなかった)が故、インストラクターになるという“目標”は達成したが、“目的”が明確でなかったため、迷走してしまいました。“目的”という全体感を見失ったことによる燃え尽き感だったのだと思います。
 

  
 この時の経験は、その後総支配人を目指そうと考えた際の助けになりました。ご推察の通り、この場合は「総支配人になる」(=“目標”)のが重要でなく、「総支配人になってどうするのか?」(=“目的”)が重要だからです。
 
 また、“目標”を“夢”と置き換えた場合、夢がかなうとモチベーションが下がるという矛盾がおきる場合があります。すなわち“目標”達成に全力を注ぎそれを果たすと燃え尽きることがあるのです。
 
 また違った観点で見ると、「夢が叶う」ということは「夢がなくなる」瞬間でもあります。後で振り返ると夢を追いかけている時間が一番充実しており、その時間が愛おしく感じることが多いです。今、そうした渦中にある方、実現にむけて苦しいことが多いかとは思いますが希望と不安の入り混じる“この瞬間”を楽しんでください。
 
 夢を見ること、見続けること、そしてその先に広がる「そもそもなぜ、その“目標”を掲げて走っているのか?」を自問自答する必要があります。
 
 








 
 

夢の向こうに、何が見えますか 
 













 

福永 健司
シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル  総支配人
福永 健司 プロフィール

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