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より良い未来を創る為の世界基準SDGsコラムPart2

ホテルレストランの永続性へと繋がるSDGsの取り組み方とは?!(SDGsコラムPart2)

2020年07月24日(金)
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Part2
 
さて、プロローグではSDGsの内容について、Part1ではSDGsを企業全体として取り組む理由や必要性と、実際に企業として取り組んでいる実例を説明した。
今回のPart2では、ホテル/レストランが取り組めるSDGsと、食やエネルギーが循環する仕組みについて実例をもとに解説しよう。
 
まずは日本のホテル/レストランはどのような役割があるのか改めて考えてみよう。
訪れる人々を迎える立場として、空間や環境を整え、時代の先端として洗練された美しい場所、豊かさと、その豊かさの価値観を世のリーダーとして牽引し担ってきた、そしてそれはこれからも変わらない。その時代の価値観を表現し発信する場、文化の発信地としての役割、それがホテル/レストランなのだ。
 
だからこそ、時代のリーダーであるホテルやレストランが新たな豊かさの価値を手にし、実践と共働することで、世の中は大きく、速く動き変容できる。空間的な豊かさ、おもてなしによる豊かさ、美しさによる豊かさを提供してきたのはホテルであり、レストランだ。
 
そんなホテル/レストランが、世界が今まさに必要と感じているSDGsへの取り組みをすることは、そこを訪れるお客さまの意識や価値観を速やかに、美しく変えることに繋がり、さらにそのホテル/レストランの永続性へと繋がるのだ。
 
ではホテル/レストランとしてどのように取り組むことが良いのか。
 
例えば
・食品ロスの問題は「目標1・目標2」。
・廃棄された生ごみ等をバイオマスエネルギーとして設備を施設に取り入れたり、再生エネルギーや自然エネルギーを選択すれば「目標7」。
・食品やファブリック、アメニティーはどのような企業や生産者が作っているのかを知り選択することは「目標12」。
・スタッフの多様性や働く環境や働き方についての取り組みは「目標3・目標5・目標8・目標10」。
・ホテルやレストランなど施設があるコミュニティーとの交流や環境への配慮は「目標11」。
・農家や生産者と共に新たな製品を作ったり取り組んだりすることは「目標9」。
・環境に配慮したSDGsや循環型のコミュニティー作りに取り組む企業や団体等とパートナーシップと取ることは「目標14・目標15・目標17」。

 

いかがだろうか。
すこし身近なことに感じられてきただろうか。
 
それ以外でもみなさまの今の仕事内容に、密接につながっていて、たくさん紐づける事ができるが、それを一度にすべて実行することは、体力も財力も負荷がかかるように感じるだろう。
 
しかし、一番大切なのは「選択すること」なのだ。
ホテル/レストランという企業として、永続的な経営や投資対象としての価値だけでなく、そこを訪れるお客さまの価値観も創出している次代のリーダーとして

  1. 何を選択するか
  2. 何を決断するか
  3. 何を実行するか
 
企業としてのビジョン、ミッションにSDGsへの取り組みを新たに加え、次に実行できることから選択していくことが必要なのだ。まずはパートナー企業を選ぶ・見直す、食材を選ぶ・見直すところから始めるというのだとハードルは下がるはずだ。
 
今コロナ禍において、こんなチャンスは二度とないかもしれない。通常のオペレーション時には忙殺されてできなかった、自社について「真剣に向き合う時間」がみなさまにはある。
 
例えば、前回のPart1で紹介した「ときまたぎプロジェクト」を実例としてみよう。和歌山県古座川にある循環型コミュニティー「あがらと」はそこにある自然と調和した農法(MOA農法)で野菜や米、食用バラを栽培している。このコミュニティーでは産官学民一体となり取り組んでいる。ここでできた生産物や製品はSDGsの取り組みに該当していることは冊子媒体や姿勢でも読み取れるが、それ以外にも残留農薬や還元測定などで数値としても実証されている。

このような取り組みをしている企業や団体とパートナーシップを組むことは「目標17」。そしてその製品を選択し使用することは「目標12・目標15」に、共にオリジナルブランドとして製品化することは「目標9」になる。企業としてのイメージアップやブランディングだけでなく、SDGsに取り組んでいる「実働」とも重なり相乗効果を得、訪れる人や社会に対して周知し価値観を創出できる一つの事例となる。
 
また、スタッフや社員にとっても、そのような取り組みをしている企業に所属していることは働くモチベーションや働きがいにも繋がり「目標8」、人間教育「目標4」にも繋がるのではないだろうか。
 
SDGsは「誰一人取り残さない」が共通理念だ。
ホテル/レストランが日本の次代を担うリーダーの役割をまっとうするには、まずは取り入れやすいことから始めていき、今後この変革の時代を乗り越え牽引する企業を目指すのであれば、投資対象としても必須であることはご理解いただけると思う
 
従来、世界がつくってきた「物質的」な「利己主義」による人優位の価値から、自然と調和し「足るを知る」循環の価値を、日本から世界へ発信し、変革の時を共に創り牽引していこう。
 

今後SDGsに関するセミナーも開催していく予定だ。

義田真平
yoshida@ohtapub.co.jp


【本コラムは4部構成です】 
・プロローグ 
・Part1  なぜSDGsが必要なのか
・Part2  ホテル/レストランが取り組めるSDGs(今回)
・Part3  個人でもできるSDGs

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