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2023年9月8-15日号 観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《全国編~新たな価値観編~》

観光・ブライダルマーケットエリアデータファイル 《全国編~新たな価値観編~》

【月刊HOTERES 2023年09月号】
2023年09月14日(木)
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 前回に引き続き新たに全データを更新して全国の主要都市を分析していくにあたって、近年、急速に拡大している新たな価値観について見ていきたい。新型コロナウイルスの感染拡大以降、特に関心が高まっており、今後のマーケットを考える上で重要な要因となってきている。今回は SDGs、ウェルビーイング、ワークライフバランスの意識の変化について取り上げる。

 近年、世界中で新たな価値観が拡大している。特に 2020年以降の新型コロナウイルスの世界規模の感染拡大によって、改めて自分の生活や社会問題を考える機会が増え、新たな価値観に関心を持つ人が増えている。それはSDGs、ウェルビーイングなどであり、さらにワークライフバランスの意識にも大きな変化が見られる。ここでは公的データから、改めてその動向を整理したい。

1. SDGsへの消費者の関心と企業の取り組み状況

 SDGsとは「持続可能な開発目標」のこと。最近よく耳にする言葉である。
人類が生存し続けるための基盤となる地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)に達しつつあり、世界規模でそれに対処する必要性に迫られている。さらに先進国、途上国ともに格差問題や貧困などのさまざまな社会問題を抱えており、このような社会的要請の高まりから、SDGsを中核とする「2030アジェンダ」が 2015年に国連総会で採択され、17のゴールが提示された。目標の期限は 2030年。(図表1)

 この目標は政府だけではなく、企業やNGOなどの民間組織も主体的に取り組まなければ解決できない。さらに消費者の行動も問題解決の重要な要素で、個人への啓蒙活動が活発化した。消費者のSDGsへの関心を見ると、コロナ禍以降となる今年 3月の調査では、どの世代でもSDGsに関心のある人は 50%を超えている。特に 60歳代、20歳代で関心の高い人が多い。20歳代では非常に関心のある人が最も多く、13.8%を占めている。(図表2)

 このような取り組みは以前から言われおり、過去にもさまざまなキーワードで啓蒙されてきたが、自分ごととしての危機感はなく、企業のイメージ戦略が先行していた。そのため、このようなムーブメントに批判的な人もいる。過剰な露出の反動もある。しかし、プラネタリー・バウンダリーが実際に近づいており、10歳代~20歳代の一部の若者は切実な危機感から、SDGsへの関心が非常に高くなっている。SDGsに配慮していることが現代人のたしなみと考える人もおり、消費の選択基準の一つになっている。
 
 企業では社会の問題に責任を持ち、持続可能な世界の実現に向け、SDGsを企業戦略として取り組むことがグローバルスタンダードとなってきている。就職に関しても、特に意識の高い学生はその企業が SDGsへの取り組みがしっかりしているかどうかを見ており、企業もSDGsへの取り組みを大きくアピールするようになっている。
 
 SDGsの認知度の向上に伴い、国内では大企業を中心に SDGsへの取り組みが進展している。一方、中小企業においては、SDGs自体の認知度は高いながら、取り組みがあまり進んでいない。SDGsの取り組み状況について、現在すでに取り組んでいる中小企業は14.0%、現在は取り組んでいないが、今後は取り組んでいく予定の中小企業は19.8%であり、合計すると33.8%となる。前年の前回調査の 30.6%を上回っており、中小企業でも徐々にだが取り組みが拡大している。(図表 3)

 サービス業(宿泊飲食)を見ると、他の業種よりも取り組みが遅れており、現在すでに取り組んでいる中小企業は10.0%、現在は取り組んで いないが、今後は取り組んでいく予定の中小企業は15.0%であり、合計すると 25.0%となっている。しかし、ホテルなどでは他の業種に先駆けて先進的な取り組みをしているところも多く、企業によって差が大きい状況と言える。(図表 4)
 
 SDGsの取組みが先行している東京都の実態を見てみよう。東京都が都内に本社を置く企業で、SDGsに取り組んでいる企業における、SDGsの 17のゴールごとの取り組み状況を見ると、「ゴール 12つくる責任つかう責任」が最も多く、80.5%となった。それに次いで「ゴール 13気候変動に具体的な対策を」が78.8%、「ゴール 8働きがいも経済成長も」が 77.5%、「ゴール 7エネルギーをみんなにそしてクリーンに」が 77.1%、「ゴール9産業と技術革新の基盤をつくろう」が74.2%となり、これらが企業で特に多く取り組まれている。(図表5)
 
 SDGsに取り組んだ結果、得られた効果を見ると、「従業員の意識改革」が最も高く、47.1%となった。それに次いで「競合他社との差別化」が 25.6%、「取引の拡大」が 24.4%と続いている。「売上高の増加」は 14.9%。現時点では社内的な効果が大きいものの企業の業績につながる効果もある程度は見られる状況である。(図表6)

 SDGsの活動では CSR(※ 1)が多い。SDGsとCSRは混同されやすいが、これらは性質の異なるものである。17のゴールは地球環境や人類の社会を今後も維持するためには達成が不可欠な目標であり、これから世界の価値観は 17のゴールに沿ったものに変化していくと考えられている。世界中で意識の醸成が進展しており、この変化は現在の日本の状況を見ても感じられるだろう。17のゴールに沿った新しい商品開発は新たな市場を生み出し、企業業績を活性化する可能性がある。 

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※各種図表など詳細なデータにつきましては本誌ご購入いただけますよう、お願い申し上げます。
 
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