2025年4月、大阪・梅田にてラグジュアリーブランドの「ウォルドーフ・アストリア」が日本に初開業した。120 年以上の歴史を誇る「ウォルドーフ・アストリア」ブランドは、格式と温かみのあるホスピタリティを融合させ、世界中のゲストに愛されてきた。宿泊のみならず、ダイニングやウェルネス体験を通じて唯一無二の特別な時間を提供する。本記事では、ウォルドーフ・アストリア大阪の総支配人アンドリュー・ムーア氏の視点を交えながら、ブランドの特徴、世界的なトレンド、そして日本市場における戦略についてインタビューした。

ウォルドーフ・アストリア大阪
総支配人 アンドリュー・ムーア氏
ラグジュアリーホスピタリティ業界で15 年以上の経験を持つ国際的なホテリエ。2024年までコンラッド・ダブリンの総支配人を務め、「ホテル・オブ・ザ・イヤー2024」および「ヒルトンGM・オブ・ザ・イヤー2024」を受賞。収益管理、市場戦略、ブランディングにおいて優れた手腕を発揮し、各地のホテルで成長を牽引してきた。アイルランド、イギリス、アジアのヒルトン系列ホテルで要職を歴任し、コンラッド・ソウルではホテルマネージャーとして収益向上とブランド価値の強化に貢献。その後、コンラッド・ダブリンの総支配人としてホテル運営を統括し、財務パフォーマンスの向上とゲストエクスペリエンスの最大化を実現。また、アメリカン・エキスプレス・ファイン・ホテル&リゾート、Virtuoso、Signature Travel Networkなどのグローバルネットワークとの提携を強化し、ラグジュアリートラベラー市場でのプレゼンスを拡大した。コンデナスト・トラベラー「読者が選ぶ韓国No.1 ホテル」やForbes Travel Guide 推薦ホテルなど、数々の受賞歴を持つ。現在はウォルドーフ・アストリア大阪の開業を指揮し、ブランド価値向上とサステナブル経営を推進しながら、日本のラグジュアリーホテル市場に新たな基準を築くことを目指す。
「ウォルドーフ・アストリア」が 愛される理由
──日本初開業となるウォルドーフ・アストリアについて、ブランドの歴史や特徴、そして世界中で愛されている理由を教えてください。
ウォルドーフ・アストリアは、ヒルトンのブランドポートフォリオの中でも最も洗練されたブランドです。ウォルドーフ・アストリアのホテルは、広大で壮麗な空間を提供しつつ、お客さま一人ひとりに寄り添う心のこもったサービスが特徴です。世界中でエレガンスと快適さを兼ね備えた特別な体験を提供しています。
ブランドの歴史は、1893 年に誕生したウォルドーフ・アストリア・ニューヨークに遡ります。ホテルに足を踏み入れた瞬間、お客さまは特別な空間にいることを実感するで
しょう。優雅な建築デザイン、心地よい香り、極上のダイニング、そして細部まで行き届いたホスピタリティ。これらすべてが折り重なり、ウォルドーフ・アストリアならでは
の体験を生み出します。
また、ウォルドーフ・アストリアの雰囲気やサービスは、ただ華やかで格式ばったものではなく、安らぐ心地よさと、ラグジュアリーならではの卓越したおもてなしの両立を大切にしています。ウォルドーフ・アストリアのチームメンバー(従業員)は、お客さまのニーズを先読みし、まるでご自宅にいるかのような、負担や不便のない「エフォートレス」な体験を提供できるよう心得ております。世界中のどのウォルドーフ・アストリアを訪れても、この姿勢は変わりません。「True Waldorf Service」と呼んでいるこの一貫した心配りと温かいホスピタリティこそが、ブランドが長年にわたり愛され続ける理由なのです。
アールデコと日本文化が融合した 上質な独自デザイン
──ウォルドーフ・アストリア大阪の施設概要、デザインコンセプト、特徴や魅力について聞かせください。
ウォルドーフ・アストリア大阪は、大阪・関西圏の伝統を尊重しつつ、洗練されたラグジュアリーを提供することで、お客さまにストレスのない滞在を楽しんでいただくことを大切にしています。
客室はグラングリーン大阪南館の31 階から38 階に位置し、248室を備えています。床から天井までの大きな窓からは大阪の美しい景色が広がり、開放感あふれる空間と
なっています。館内には、モダンフレンチブラッスリー、シグニチャーレストラン、デスティネーションバー、そして広々した2 層吹き抜
けのラウンジ&バー「ピーコック・アレー(Peacock Alley)」を併設しています。
ウォルドーフ・アストリア・ニューヨークは、世界で初めてボールルームを併設したホテルとしても知られており、各国の王室や大統領、セレブなどの大切な祝宴の場として使われてきました。そのセレブレーションの文化を継承し、ウォルドーフ・アストリア大阪は、単なるホテルではなく、「人生の特別な瞬間を祝う場所」となることを目指しています。
記念日、結婚式、ビジネスの成功など、様々なシーンにふさわしい特別な空間を提供します。イベントスペースや幻想的な天空チャペルもご用意しております。
さらに、可変性の高い会議室、日本初上陸のスキンケア技術を取り扱う「ウォルドーフ・アストリア・スパ」、大阪を一望する屋内プールなど、充実した施設を完備しています。デザインは、著名なデザイナーであるアンドレ・フー(Andre Fu)氏が手掛けており、アールデコ様式と日本文化の要素が融合されており、インテリアは、7 割ニューヨーク、
3 割日本になるよう構想されています。アールデコ調のベースが、ウォルドーフ・アストリアのレガシーへのオマージュでありつつ、日本建築の要素を取り入れていることから、独特な表情を魅せています。
また、ラグジュアリーホテルでありながら、ご家族連れのお客さまにも特別な体験を提供できるよう、ファミリー向けプログラムを充実させています。上質でありながら親子
で楽しめるこだわりのアメニティーやプログラムを用意し、ご家族での滞在が思い出に残るものとなるよう工夫しています。
ウォルドーフ・アストリア・スパには、都会の喧騒を忘れさせるトリートメントルームや非日常を感じさせる30 階に位置するインドアプール、フィットネスセンター、ライブラリーも併設しています。あらゆる趣向のお客さまがウェルネスを楽しめる環境を整えています。
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本記事は月刊ホテレス2025年5月号「TOP RUNNER」一部紹介記事です。
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