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特別企画 岐阜ホテル会

客室稼働、販売単価もともに前年比増、DMOと連携も図り地元の観光活性化を推進

2024年06月03日(月)
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 一般社団法人化し自治体との連携による岐阜市の観光活性化など、地域経済への貢献活動にも積極的に関わる岐阜ホテル会。アフターコロナのホテルマーケットで新たな需要喚起策を模索している。魅力的な岐阜の観光市場創出に向け尽力する岐阜ホテル会の代表の藤井 幸彦氏と副代表の新野 正明氏に今後の岐阜のビジネスホテルのあり方、目指すべき方向性について伺った。
 



岐阜ホテル会
代表
藤井 幸彦氏
(ホテルイルクレド岐阜 顧問)



岐阜ホテル会
副代表
新野 正明氏

岐阜市のビジネスホテルを中心に13ホテルが加盟する岐阜ホテル会

■はじめに岐阜ホテル会と活動内容について教えてください。
 
 岐阜県は北部の飛騨高山地区は観光需要が高く、南部の岐阜市地区はビジネス客が中心というマーケットになっています。岐阜ホテル会は、南部のビジネスホテルを中心に構成されており、1993年3月に任意団体として設立し、2019年4月には一般社団法人になりました。2023年のメンバーは14ホテル1154室で、2024年4月以降は1ホテルが抜けて13ホテル1711室になりました。そのほかホテル以外の観光関連のリアルエージェントなどにも声を掛け、約20社が賛助会員となっています。
 活動内容は毎月定例会を開き、各ホテルの稼働状況をはじめ、さまざまな情報を共有しています。また、月例会では有識者を招き、観光に関するレクチャーを受講する事や勉強会も開いています。
 
■賛助会員の条件や特典を教えてください。

 会費が一口1万円、一口以上で募っています。特典としては、予約制になりますが定例会で10~15分のプレゼンテーションをすることができます。また、賛助会員の飲食店に関しては、昨年から店舗を回遊できるチケットをつくりました。それを駅前のホテルで販売し、店舗の売り上げに貢献させていただいています。

 

客室稼働は前年比増、宴会の戻りは遅れている

■2023年の加盟ホテルの稼働率やADRについて教えていただけますか。
 
 2023年の稼働率は77.9 %でした。全国旅行支援が終了した時点で稼働はややさがったものの、前年の2022年の72.4%よりも5.5ポイント増加しました。
 客室単価も上がり、前年比で1500〜2000円ほどアップしています。単価が上昇した理由は人件費や仕入れが高騰していることと、インバウンドが回復してきたことなどが要因です。朝食をコロナ前のブッフェスタイルに戻して、料金を上げているところも多いですね。
 
■宴会の状況はいかがでしょうか。
 
 宴会はまだ戻っていないです。人手不足で稼働できないというような状況も聞きます。コロナ禍で宴会自体を行なわれなくなり、宴会施設をほかの用途にコンバージョンしているのも最近の傾向として見られますね。
 
■人材不足にはどのように対応されていらっしゃいますか。
 
 この前、岐阜市から外国人労働者の提案はありました。われわれとしては留学生がアルバイトできてくれたらよいのですが、地方都市だとそういう語学学校がないので学生さんがいません。技能実習生は結構お金がかかるので、何かしら行政がバックアップしていただかないと難しいですね。
 
■インバウンドは回復傾向にあるとのことですが、もう少し詳しく教えてください。
 
 2023年はコロナ前と比べて70%ほどの回復ですが、客層が異なっています。コロナの前は9割が中国の募集団体でしたが、いまは東南アジアが一番多く、欧米も増えてきています。欧米の方は予約が早いのでオンハンドが上がっている感覚があります。もう一点、FITが多くなっているのも新たな傾向です。
 旅行ルートにも変化があり、コロナの前の中国の方たちはゴールデンルートがほとんどでしたが、現在は加えて高山や白川郷を抜けるコースも増えています。その中継地点として岐阜を選ばれる方もいらっしゃるようです。また、岐阜がFITを獲得するために市内で夜の観光スポットを押しており、それを目当てに欧米の方が来ていただいているのではないかと思われます。

 

DMOとも連携し岐阜の観光促進に一役

■岐阜のナイトタイムエコノミーはどのような施策を打たれているのですか。
 
 岐阜市が岐阜駅周辺の飲食店街を「タマミヤ」としてPRし、日本の居酒屋文化を体験できる場所として紹介しています。このタマミヤプロジェクトは岐阜ホテル会の提案で始まったもので、加盟ホテルでもおすすめ店舗の飲食チケットを3000円、5000円という均一料金で販売しています。公式ホームページは英語版もあり、アメリカや中国、韓国の方々にも見ていただいているようです。
 そのほか「ぎふ金華山ロープウエー」に乗って、山頂から岐阜市内を一望するパノラマ夜景にも力を入れており、プロモーションビデオはSNSでもけっこう拡散されています。今年の3月には(公財)岐阜観光コンベンション協会さんが候補DMOに登録され、今後は登録DMOを目指していきます。
 
■ホテル会はDMOとも連携されているのですか。
 
 DMOとは設立前から行政も含めていろいろと会議を重ねてきました。DMOの立ち上げには、国へ提出する申請書類にこと細かなデータが必要で、行政だけでは分からないところもありますから、われわれからデータを提供しました。また、アドバイザリー的な役割を果たすなど普段からかなり緊密にコミュニケーションを図っています。
 今後は夜の観光スポットをさらにブラッシュアップしていければと考えています。岐阜市の夜の観光はもともと鵜飼しかありませんでしたが、タマミヤやパノラマ夜景、和傘を使った光と音のイベント“ぎふ灯り物語”などが増えました。こうしたコンテンツは宿泊に結びつくので、岐阜市が夜の観光都市として認識されるよう動いています。
 また、DMOの活動の財源確保を目的に宿泊税の導入も検討しています。詳細は決まっておりませんが、今後旅館組合などともすり合わせをして議論を進めていきます。
 
■DMOの広域連携はFITの連泊にも奏功しそうですね。
 
 岐阜市のみならず郡上市には盆踊りやスキー場がたくさんあり、関市には刃物が有名など外国人には魅力的なコンテンツがたくさんあるので、そこと連携しながら連泊につなげたいと考えています。
 岐阜ホテル会では外国人向けに多言語化した観光ホームページを2月にアップし、郡上市や関市の観光情報もそこにリンクしました。これは私見ですが、外国人FITをターゲットにすれば国内の若者層も狙えると思っており、日本人観光客の増加にも期待していす。
 
■今年の見通しについてもお聞かせいただけますか。
 
 ADRは、多分2024年で高止まりするかと思います。ツインは上げられるかもしれませんが、シングルはなかなか難しくなってきています。稼働率は昨年同様に推移すればよいと思っています。ただ今年12月から岐阜市内で一番大きい国際会場が、その後に2番目に大きい会場が改修工事に入るので来年はちょっと心配ですね。
 一方、来年は万博開催中、大阪市内のホテルの需要が高くなるので、セントレアイン・アウトのインバウンドが増えることに注目しています。そうすれば岐阜市内の需要増も期待できると考えています。

 

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