2025年7月29日、世界最大級のパスタブランド「バリラ」が主催する『バリラ パスタ チャンピオンシップ アジア 2025 ジャパンファイナル』が東京で開催され、全国から選ばれた6名の実力派イタリアンシェフが技を競い合った。激闘を制したのは、東京・青山の名店「Convivio(コンヴィヴィオ)」の澤田隼人シェフ。独創的なプレゼンテーションと香りに満ちた一皿で、頂点に立った。
■優勝作品:五感で魅せる“ウイスキー蛸のペンネ”
澤田シェフが披露した作品の名は
「Penne Rigate with Whisky Octopus Ragù(ペンネリガーテ ウイスキー 蛸のラグーソース 絡まる風土を樽に込めて)」。
明石産の蛸の旨みと、ウッディでコクのある明石ウイスキーを組み合わせた芳醇なラグーソースが、ペンネの食感と香りを最大限に引き立てる。使用されたウイスキーチップの燻製により、香りがペンネの穴にまで染み込む演出は、審査員からも「海辺に所縁ある素材が香りとともに一体化した、一品で完結する料理」と高い評価を受けた。
「あくまでパスタを主役に据え、ソースを乳化させることで一体感を大切にした。イタリアの“地のものを活かす文化”に倣い、蛸もウイスキーも地元・明石産にこだわった」と澤田シェフは語る。

澤田隼人(さわだ・はやと)シェフ プロフィール
• 所属:東京・青山「Convivio」シェフ
• 経歴:
• 2017年 Convivio新卒入社
• 2020年 スーシェフ就任
• 2022年 新店舗「YUKA伊」オープニングシェフ(現閉店)
• 同年、再びConvivioに戻りスーシェフとして現在に至る
• 料理の信条:一つひとつの料理にストーリー性を持たせるオリジナルメニュー開発に注力
繊細かつ大胆な発想で皿に“物語”を吹き込むことを信条とし、イタリア郷土料理の本質を捉えながらも、現代的なプレゼンテーションで表現するスタイルが特長。
■日本大会からアジアへ、そして世界へ
今回のジャパンファイナルは、アジア8カ国・延べ500名以上の応募者から各国代表が選ばれる「パスタ界のワールドカップ」の一戦。審査は「準備工程」「技術」「見栄え」「パスタの茹で加減」「味付け」の5項目で評価され、澤田シェフの一皿はそのすべてでバランスの取れた高得点を記録。
11月にマレーシアで行われるアジア決勝に向けて、澤田シェフは「日本の食材と技術、そして自分自身の“語れる料理”を武器に優勝を目指したい」と決意を語った。
■バリラが掲げる“プロフェッショナルのためのパスタ哲学”
大会を主催するバリラは、業務用ブランド「バリラプロフェッショナル」を通じて、シェフたちの現場を支える革新的なパスタ製品を提供している。たとえば、ダブルボイル(二度茹で)に耐えるアルデンテ性、効率と品質を両立するラインナップ、そしてサステナブルな小麦生産などが特徴だ。
試食会で紹介された「ナンバー4」「ナンバー5」は、家庭用としても評価が高く、「誰でも失敗せずにアルデンテに仕上がる」と好評を博している。
■編集後記:文化を“香り”で届ける才能
今回の勝利は、単なる技術勝負ではない。素材選び、香りの演出、器の造形、そしてプレゼンテーションに至るまで、五感すべてで語りかける澤田シェフの姿勢こそ、現代のグローバルシェフに求められる資質そのものだ。
「イタリア料理の伝統を理解し、日本の素材と思想で再構築する」——そのビジョンは、国境を越えて多くの食のプロフェッショナルにインスピレーションを与えるはずだ。
ホテレス松島
※関連リンク:
バリラ公式HP:https://www.barilla.com/ja-jp
Instagram:@barilla_jp
LINEアカウント:バリラ