小誌・月刊ホテレス独自調査「全国ホテル客室稼働率」の2025年6月結果がこのほどまとまった。今回、全国81ホテルの平均客室稼働率は75.5%(前年同月76.8%)、ADRは13,710円(同12,803円、7.1ポイント増)、RevPARは10,351円(同9,833円、5.3ポイント増)となった。
西日本エリアでは関西・大阪万博をもとに大阪のRevPARが42.1ポイント増と大きく伸長し、東日本エリアでは東京がフルサービス型および宿泊特化型ともに苦戦。インバウンドが好調に推移し、過去最速で累計2000万人を超えたが、当月に関してはインバウンドの恩恵が西日本エリアを中心に流れていたことが予想される。
各ホテルからは「アジアを中心としたインバウンドの急激な減少、平日宿泊客の減少、万博への観光シフト」、「前年度に比べインバウンド受注の落ち込みに加え、周辺での大型イベントがなかったことが影響」、「レジャー目的の動きは弱かったものの、国内ビジネス層の動きは活発で価格がキープでき、対前年よりADRをアップできた」などのコメントが寄せられた。
〈用語解説〉
●OCC(Occupancy Ratio):客室稼働率
●ADR(Average Daily Rate):1日1室当たりの客室平均単価
●RevPAR(Revenue Per Available Room):1日1室当たりの客室売上高
※RevPARは客室販売における最重要指標、RevPAR=OCC×ADRで算出
(例:客室稼働率50%×ADR 20,000円=RevPAR 10,000円)
〈調査区分〉
北海道、東北、北関東、東京フルサービス型、東京宿泊主体型、南関東、甲信越・北陸、東海、近畿(京都・大阪含む)、京都、大阪、中四国、九州、沖縄の全14エリア
〈算出条件〉
●今回の数値は小誌・稼働率調査において「該当月および前年同月」の「客室稼働率およびADR」の計4項目すべて回答のあるホテルのみを用いて算出。そのため、開業1年未満のホテル、前年同月に休館したホテルなどは含まれず。
〈備考〉
小誌「月刊ホテレス」2025年9月号では連載「全国都市別ホテル客室稼働率」にて、25年6月の速報値(計131ホテルの都市別平均値)を掲載。
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文・オータパブリケイションズ 臼井 usui@ohtapub.co.jp