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べにや無何有 石川県 山代温泉

べにや無何有 温泉地文化の継承~ からっぽの中の豊かさ

2025年08月16日(土)
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日本は世界一の温泉大国で、約2,800 以上の温泉地があります。日本では歴史的に、温泉の周りにはまず旅館が作られ、続いて、商店、飲食店、公衆浴場などが出来、温泉地が形成されました。そして、温泉地の中心である旅館では、近隣の住民が働き、農家、漁師、酒蔵、職人などが協力して、温泉地全体で旅人をもてなす「温泉地文化」が育まれて来ました。日本人は、休みとなれば、しばしば温泉地に出かけ、温泉に入浴し、自然の恵みを感じ、心身を癒して来ました。温泉地文化は日本人にとって生活の一部であり、これほど長い歴史を持つもてなしの文化は世界に類を見ない日本の宝です。自然と調和した「日本のおもてなし」に関しては、現代日本の都市生活からはほぼ失われてしまいましたが、今でも旅館のもてなしの中に見つけることが出来ます。

たとえば、庭の風景が室内に入って来るような庭屋一如の建築、四季の変化を取り入れた季節感あふれるしつらい、余分な装飾を加えない簡素なたたずまい、障子によって濾過された柔らかい光、陰影礼賛を感じさせるほの暗い空間などは、和のもてなしの形として継承されています。また、地域全体で旅人をもてなす温泉地文化も、旅館の中に受け継がれており、地域の工芸、例えば加賀では、漆器や金箔、九谷焼にも触れることが出来ます。そこで、べにや無何有では、おもてなしの未来を考えるMukayu Omotenashi Institute を2024 年に設立しました。これは、「温泉地文化の継承に貢献する」ことを目的としています。先祖から受け継いで来たこの大切な伝統を、宿のもてなしの中に生かし、国内外の人に知っていただくことを通して温泉地文化を次世代に継承していくことが、私たちの役目である、と考えています。

べにや無何有 中道一成・幸子


 



「無何有」とは、「からっぽのなかの豊かさ」という意味で、建築家 竹山聖氏によって名づけられました。まるでぽっかりあいたスケジュール表の余白のような時間。からっぽだからこそ自由に満たされた時間。一見役立たずな巨木の木陰のやすらぎ。そんな想いが「無何有」という名にこめられています。

 

中道家 集合写真 2025年冬
中道家 集合写真 2025年冬


◎ ドキュメンタリー:「日本のリゾート文化の継承
◎ インタビュー:「おもてなし」と「調和の精神」 英語版 日本語版
◎ 書籍:『Scott Haas Goes To Meet Sachiko Nakamichi: The Japanese Way of Acceptance


<施設情報>
山庭
客室16 室(内10室スイートルーム、6部屋タイプ)
2つの温泉大浴場(内湯、露天風呂、サウナ)
3つの図書室(メインライブラリー・フォレストライブラリー・ライブラリーゼロ)
懐石方林ダイニング
スパ円庭施術院
アート作品:ゼロの転位、蹲(つくばい)方寸、パライソ・バーティカル
ショップ

<連絡先>
beniya@mukayu.com
電話: + 81(0)761761340
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取材:本誌 林田

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