信頼と進化の20年─コンラッド東京が問い直す “ラグジュアリーの定義”
2005年、ヒルトンが日本で初めて展開したラグジュアリーブランド「コンラッド東京」。洗練・体験・感性・先進性といった新たな価値観を打ち出し、東京のホテルシーンに鮮烈な登場を果たしてから、今年で20 年を迎えた。ラグジュアリーホテルの開業が相次ぐ2025年、歴史ある存在として、いかなる進化を遂げ、どのような価値を発信し続けるのか。ブランドの核にある哲学と、20年の軌跡、そして次代のホスピタリティについて、ヒルトンでのキャリア30年の総支配人ニール・マッキネス氏に聞いた。
東日本・沖縄地区 リージョナル統括総支配人
コンラッド東京 総支配人 ニール・マッキネス氏
スコットランド出身。2017 年より、ヒルトンのラグジュアリーブランド「コンラッド東京」総支配人を務め、東日本および沖縄地区のリージョナル統括総支配人も兼任。1995 年、ヒルトン・グラスゴーでホテリエとしてのキャリアをスタートし、今年で30 年。オーストラリアや日本など複数の国で豊富な経験を積む。ヒルトンアジア太平洋地域のArea/Regional General Manager of the Year(2023/2024)に選出。日本初のコンラッドである同ホテルを率い、ブランドの進化とホスピタリティの価値創造に取り組んでいる。
20周年を迎えたホテルの現在地
──コンラッド東京が開業から20年という大きな節目を迎えました。今、どのようなお気持ちでしょうか。
一言でいうと、「誇り」です。この20年の間には、開業の喜びだけでなく、東日本大震災、そしてパンデミックという大きな困難にも直面しました。しかし、そのたびに私たちは前に進み、困難を乗り越える力を証明してきました。東京におけるラグジュアリーホスピタリティのリーダーであり続けられたのは、お客さま、チームメンバー(従業員)、そしてパートナーの皆様のおかげです。この20周年は、単なる通過点ではなく、未来への新たな出発点でもあります。
── 20 年前に開業したコンラッド東京は、日本のヒルトンにとって、また国内ホテル業界にとってどのような“礎”になったとお考えですか。
コンラッド東京は、日本におけるヒルトンのラグジュアリーブランドとしての第一歩でした。また、コンラッド東京は日本だけでなく、アジア太平洋地域でのフラッグシップホテルでもあります。ここから、ヒルトンのラグジュアリーブランドの展開が本格化し、現在ではウォルドーフ・アストリアやLXR といったブランドも続いています。
コンラッド東京のユニークな点は、グローバルな視点でサービスを提供しつつ、日本という地域文化に根ざしたオペレーションを貫いてきたことです。「スマートラグジュアリー」というコンセプトのもと、世界基準の快適さと日本らしい繊細なホスピタリティを融合させてきたことが、今日の信頼と支持につながっていると感じています。
──現在のコンラッド東京の取り組みについて教えてください。
土地や人、文化との「繋がり」を大切にするというブランド理念のもと、「コンラッド・アート・エンカウンターズ」という館内アート作品に触れるセルフガイドツアーと、その土地ならではの魅力を発見するパーソナライズされた「Conrad1/3/5」という2 つのプログラムをローンチしました。パンデミックを乗り越えた今、インバウンドも力強く回復しており、アジア、欧米からのお客さまが戻ってきています。私たちの目標は、いつの時代も進化し続けるラグジュアリーブランドとして、お客さまとの繋がりを大切にすること。常に「期待以上」の体験を提供することを意識しています。
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本記事は月刊ホテレス2025年10月号「TOP RUNNER」一部紹介記事です。
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