HRSと東京B.M.C.が共催する「令和八年 新春の集い」が2月9日、東京アメリカンクラブで開かれた。人材不足や高齢化が進むなか、現場の経験と次世代の意志をつなぎ、業界の共通課題を前に進めるための交流が濃密に行なわれた。式次第は懇親会を軸に構成され、来賓、会員、関係者が一堂に会する「合流点」として、ホテル産業の未来に向けた温度が確かに立ち上がった。
会場は東京アメリカンクラブB2階「Manhattan」。受付を経て開会し、主催者側からのあいさつ、来賓紹介へと進んだ。世代交代が進みにくいと言われるホテル業界において、こうした横断的な集まりが持つ意味は大きい。所属企業や職種を越えて言葉を交わせる場は、単なる名刺交換にとどまらず、課題の解像度を上げ、次の行動を生み出す装置になるからだ。
この日のプログラムでは、長年にわたり業界を支えてきた永年会員への感謝状授与が組み込まれていた。未来の議論は、ともすると新規性やテクノロジーに偏りがちだが、現場を積み上げてきた人々の歩みを正面からたたえることは、ホテル産業の根幹であるサービス文化を守りながら更新するという意思表示でもある。若手にとっては「この仕事を続ける理由」を獲得する機会になり、ベテランにとっては知見を次へ手渡す覚悟を固める場になる。
乾杯の発声を経て懇談が始まると、会場の空気はさらにほどけ、情報の交換は実務へと近づいていった。人材確保、育成、処遇、現場の生産性、ブランドの維持と収益の両立。多くの論点は、単独のホテルや企業努力だけでは解けない。だからこそ業界団体や有志コミュニティーが、立場の違いを越えて「共通の論点」を見いだす場を定期的に持つ意義がある。個々の現場が抱える悩みを持ち寄り、言語化し、解決策の型をつくる。その営みが、産業の筋肉を育てる。
終盤、閉会の辞をもって会は締めくくられた。新春の一夜は、派手な宣言をするためではなく、現場を前に進めるための関係性を整えるためにあった。人が集まり、互いの課題を正面から共有し、次の一手を探す。こうした地味だが強い積み重ねこそが、ホテル業界の未来を形づくっていく。




