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【編集長試食レポート】ウェスティンホテル横浜 〈アイリッシュウィスキーと薪火グリルのマリアージュ〉 試食会

アイリッシュウイスキー × 薪火グリル 海を渡った「風土」と「火」の饗宴

2025年11月11日(火)
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 2025年10月30日、ウェスティンホテル横浜23階レストラン〈アイアン・ベイ〉にて、アイルランド政府食糧庁(Board Bia)協賛のプレスプレビューが開催された。コーク州のクラフト蒸留所・クロナキルティとのコラボレーションによる期間限定ディナー「アイリッシュウィスキーと薪火グリルのマリアージュ」(11月1日〜11月30日)を前に、アイリッシュウイスキーと薪火で仕上げた五品コースの一部(前菜・メイン・デザート)と、3種のペアリングが報道関係者に披露された。


開催趣旨と登壇者のご挨拶

 ウェスティンホテル横浜 総支配人アレン・ハウデン氏は、シェフのサラ・マディガン氏の出自とホテルの“ウェルビーイング×テイスト”という価値観が今回の連携と合致したことに触れ、文化交流としての意味合いを強調した。駐日アイルランド大使デミアン・コール氏は、アイルランドの自然・食文化・人のつながりを紹介し、ウイスキーが単なる酒でなく文化の一部であると述べた。クロナキルティ蒸留所アンバサダーのフィオナ・フラヴィン氏、Board Bia側の代表らも出席し、蒸留所の家族経営や持続可能性への取り組みを紹介した。

 

駐日アイルランド大使デミアン・コール氏
駐日アイルランド大使デミアン・コール氏
アイルランド政府食糧庁(ボード・ビア)バリフ香蓮氏
アイルランド政府食糧庁(ボード・ビア)バリフ香蓮氏
クロナキルティ蒸留所アンバサダー フィオナ・フラヴィン氏
クロナキルティ蒸留所アンバサダー フィオナ・フラヴィン氏
ウェスティンホテル横浜 総支配人アレン・ハウデン氏
ウェスティンホテル横浜 総支配人アレン・ハウデン氏
アイアン・ベイ エグゼクティブシェフ サラ・マディガン氏
アイアン・ベイ エグゼクティブシェフ サラ・マディガン氏
アイアン・ベイ 料理長 山下正太氏
アイアン・ベイ 料理長 山下正太氏

コースより3品とペアリングウィスキー3種のご紹介

今回の試食会は、以下の3皿(テイスティングサイズ)+ペアリング3種で構成された。

●前菜 国産ホタテの軽いスモーク、ビーツとレモンのコンディメント
 イワシの燻製で香りを添えた一皿。→ 海沿いに熟成庫を持つ蒸留所の“塩風”を感じさせる軽やかなシングルモルトを合わせ、ハーブやディルと調和。

●メイン アイリッシュビーフ(サーロイン系の赤身)と国産牛フィレの2種盛り
 薪火焼きで肉の旨味と香ばしさを際立たせ、ウイスキーを使ったソースと黒にんにくベースの和風ソースでそれぞれ表情を変化。中核のペアリングはポートワイン樽やシェリー等のワイン樽で熟成したリッチなブレンドで、肉のコクとウイスキーのスパイス感が互いを引き立てる設計。

●デザート スモークしたヘーゼルナッツのガナッシュを詰めた“シガー”と、全粒粉のブラウンブレッドアイス
赤ワインやバーボン桶由来の風味を持つ熟成ウイスキーで、ナッツとチョコの余韻を伸ばす。

 

前菜 国産ホタテの軽いスモーク、ビーツとレモンのコンディメント
前菜 国産ホタテの軽いスモーク、ビーツとレモンのコンディメント
メイン アイリッシュビーフ(サーロイン系の赤身)と国産牛フィレの2種盛り
メイン アイリッシュビーフ(サーロイン系の赤身)と国産牛フィレの2種盛り
デザート スモークしたヘーゼルナッツのガナッシュを詰めた“シガー”と、全粒粉のブラウンブレッドアイス
デザート スモークしたヘーゼルナッツのガナッシュを詰めた“シガー”と、全粒粉のブラウンブレッドアイス

「風土」と「薪火」の饗宴がもたらす、新たなストーリー

 料理長・山下正太とエグゼクティブ・シェフのサラ・マディガンは、アイルランドの風土がもたらす“素材の素直さ”と、薪火という調理手法が生む“温度感”を組み合わせ、来訪客にストーリーを提供することを狙いとした。クロナキルティ側の説明からは、蒸留所の立地(海近く)や家族経営、持続可能性への配慮が強調され、ホテルのグリーンキー等の取り組みとの親和性も示された。11月限定のディナーは五品で15,000円(ウイスキーペアリングは別途)で提供され、11月12日には講師を招いた特別イベントの予定がある。

 

食を通じた異国の「文化体験」を提供する意義

 今回のプレビューは、単なる食事提供の枠を超え、産地と蒸留所、シェフの出自、ホテルのブランド価値を結びつけた「物語の提供」として完成していた。特に薪火の調理感とアイリッシュウイスキーの風味を組み合わせることで、客は“味”だけでなく“文化”と“体験”を同時に享受する。こうした協業は、宿泊以外の収益軸(ダイニング来訪客、特別イベント、土産・ボトル販売など)を生み出すと同時に、インバウンドの関心喚起にも寄与するだろう。


〈アイリッシュウィスキーと薪火グリルのマリアージュ〉

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取材・文 オータパブリケイションズ 義田・渋谷

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