一般社団法人日本旅館協会
会長
桑野 和泉 氏
困難を力に変えて
昨年を振り返りますと、インバウンドは4000万人突破の勢いを見せるなど活況を呈した一方で、日本人の国内旅行、特に宿泊旅行においては少し足踏みする状況も見られました。
観測史上まれに見る厳しい夏の暑さや、インターネット上で拡散された科学的根拠のない情報、期待された万博効果が一部に止まったこと、さらには全国各地でのクマ被害など、尽きることのない課題に直面した一年でもありました。
一方、「温泉文化」がユネスコ世界無形文化遺産の提案候補に決まりました。「温泉文化」の魅力が世界に向けて発信されることは、温泉地に関わるすべての皆様に希望をもたらし、地域の暮らしと文化にも寄与するもので誠に喜ばしく感じております。
加えて、国政においては高市内閣の誕生という、歴史的な節目を迎えました。新政権においても「観光立国」の推進は引き続き重要な政策課題として位置づけられていると認識しております。特に本年は観光立国推進の羅針盤となる「観光立国推進基本計画」が改定される特別な年です。この改定に基づき、私たち観光業界にとってより有意義となる様々な施策が展開されることを心より期待する次第です。
本年は日本の旅館が地方創生の担い手となり、「リョカン=RYOKAN」が世界共通語になっていくためにも、これまでの経験を力に変えて皆さまと共に明るく希望に満ちた未来を見通せるよう、目の前の課題を一つ一つ丁寧に解決に向かう一年にしたいと存じますので、観光業界の皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。




