茶の湯の精神は「和敬清寂-わけいせいじゃく‐」と言われ、お互いが心より敬い合い、清らかな気持ちで会することを心得としており、新郎新婦・ご両家が一服のお茶を酌み交わすことで結婚式という良き日に心をひとつに通じあわせることができ、また出会いの機会を大切にする“一期一会“の精神も、この“茶婚式”に生かされる。
■背景
県立幕張海浜公園内にある見浜園は、「日本の伝統的文化を表現し、接してもらうこと」を目的として造られ、国内外を問わずさまざまな方に日本の伝統文化に親しんでいただける面積約1.6haの日本庭園。池泉回遊庭園と呼ばれる江戸時代に発達した伝統的な様式にて造られ、山や川海、林などが表現されており、四季折々に変化する美しい日本の姿を映し出すことから、昨今人気が高まっている婚礼の和装写真撮影において人気のスポット。結婚式を控える新郎新婦がほぼ毎日、来援し1日に3~4組、年間で約1200組近くの写真撮影が行なわれている。
池の周辺には舟着や州浜、出島・中島、橋が配され、また周囲にはあずまや、築山や園路などさまざまな意匠が施され、園内には数寄屋造りの茶室“松籟亭”があることから、この茶室を利用した日本的な結婚式ができないかと考えた。
東京と成田の中間に位置する幕張新都心は、首都圏の業務機能の一翼を担う拠点として千葉県の地域振興を図っており、21世紀にふさわしい国際都市として整備された都市であることから、海外からのアクセスも良く、数多くの企業や研究所、幕張メッセでの国際的なイベントに多くの外国人客が訪れている。
昨今、訪日外国人の増加に伴い“日本流・日本でのウエディング”に注目が集まっており、神社をはじめとした和の結婚式の人気が外国人の中で高まり“デスティネーション・ウエディング”と呼ばれ、新たなインバウンド市場となっていることから、この“茶婚式“を外国人ゲストにも利用いただくことも今後視野に入れ、『見浜園』にて茶婚式をした新郎新婦・列席者の想い出の場所としての継続的な利用促進を図るとともに、国際都市幕張の情報発信・認知・地域活性化を図るとしている。