左から順に、小社の岩本大輝、八戸グランドホテルの高畑紀子顧問、ホテルメトロポリタン仙台の森本航取締役総支配人、江陽グランドホテルの後藤隆博社長、仙台国際ホテルの野口育男社長、小社の村上実
3月3日にホテルメトロポリタン仙台で弊社主催による『ホテルマネジメントセミナー in 東北』を開催。定員50名に対し、約70 名からの参加があるほどの盛況であった。東京、大阪、京都とは異なり、東北ならではのマーケットについての話となった。


〈協賛企業〉 ※社名五十音順
㈱エアウィーヴ、㈱クレドインターナショナル、㈱ケイティーエス、㈱ジャテックス、ソフトバンク コマース&サービス㈱、テクノジム ジャパン㈱、㈱フォーセット、㈱マイナビ、Rate Gain





5 年間でADR は約2000 円増
セミナーは三部構成で開催。第一部では『ホテルマネジメントが押さえるべき市場動向』をテーマに、小誌の岩本大輝編集長、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社(以下、デロイト)、テクノジムジャパン㈱、ソフトバンクコマース&サービス㈱が、日本のホテルマーケット動向やインバウンド対策などについて講演した。その中でも、デロイトの大堀顕司氏がモニターを使い講演した内容を、メモや撮影する姿が目立った。大堀氏によれば、「仙台のADR は2011 年以降、着実に伸びており、5 年間で約2000 円増」と述べた。また、東北全体のインバウンド客のうち、約3 割を宮城県が占めることからも、宮城県がインバウンド客を誘客し、地方分散化できるかが、東北マーケットのポイントになるとも述べた。
立地に対するプライスポジショニングが重要
第二部では『激変するホテルのオンラインマーケティング』をテーマに、㈱HMRI やRate Gain が「激変する国内外オンラインマーケティング動向とそれに併せて変化するレベニューマネジメント」と題して講演した。吉崎氏は仙台市内ホテルを例に、各ホテルの宿泊料金を比較分析。その上で、「最も立地のよいホテルメトロポリタン仙台の宿泊料金は安い。プライスポジショニングが確立できてない」と図を交えて解説した。これには、最前列に座っていたホテルメトロポリタン仙台の関係者は苦笑するしかなく、仙台市内のホテル関係者からは笑いにつつまれた。
各種ツーリズムで、国内客を集客する
第三部では『マネジメント、プロフェッショナルによるパネルディスカッション』をテーマに、仙台ホテル総支配人協議会に加盟する江陽グランドホテルの後藤隆博社長、仙台国際ホテルの野口育男社長、ホテルメトロポリタン仙台の森本航取締役総支配人と八戸グランドホテルの高畑紀子顧問がパネリストとして参加。司会は弊社の村上実と岩本大輝が務めた。各パネリストが自ホテルの近況を交えながら、東日本大震災以降の状況、直近の課題についてコメント。
後藤社長、野口社長からは「官民一体となって、MICE 需要の創出が重要。また、東北では酒造ツーリズムがはやっており、こうしたツーリズムニーズを取り込んで、ホテルを活性化させていきたい」と述べた。その一方で、インバウンド客の集客には苦戦しており、福島原発の問題が解決しないことには、難しいとの意見も。
第一部~第三部を通して言えることは、東北はほかのマーケット特性とは異なること。その特性を生かしたアイデアが必要であり、本セミナーを通して、新たなマーケットを生み出す必要があると感じられた。