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第3回 厨房哲学  ONE @ Tokyo  Executive chef 田中 宏治氏 

第3回  絶対に怒らない! 奉仕の精神で自分以外は皆、神様(お客さま)と思うこと

【月刊HOTERES 2019年06月号】
2019年06月27日(木)
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バンド活動のために20 歳で渡米、生活費のために鉄板焼き屋のアルバイト経験から料理の道を歩んだというのがONE@ Tokyo の厨房を仕切る田中宏治Executive chef(以後、シェフ)だ。
調理専門学校の経験もなく、まさしくズブの素人がアメリカという大舞台で葛藤。
ときには勤務をしながら調理補助、スーシェフとして無料奉仕、20 店舗の厨房に立っていたという。今では田中シェフの下で働きたいという人が何人も待っているという。
いつでも満面な笑顔、料理を作ることが大好きという思いが体全体にあふれだしている。

ONE @ Tokyo 
Executive chef 田中 宏治氏 
KOJI TANAKA

1980 年ロサンゼルス カリフォルニア州出身(38 歳)。高校卒業後、2002 年より渡米。「La Grannole」「Park Blue」「Telepan」「Marc Forgion」「La Siluette」「American Cut」など、アメリカ本土のレストランを経験後、帰国。「BLT Steak」「レストランアートマルシェ」を経て、2017 年よりONE @ Tokyo のExecutive chef に就任、現在に至る。

―アメリカで10 数年修業を積み、帰国後もBLT Steak や群馬県のレストランなどを経験され、2017 年よりスカイツリーを目前にしたONE @ Tokyo のエグゼクティブシェフとして手腕を発揮されています。そもそも、料理の道を選ばれた経緯をお聞かせください。
 
田中 
父親の仕事の関係からLA で7歳まで育ちました。
帰国後、日本の高校を卒業後、どうしてもアメリカでバンド活動をしたいと思い20 歳のときに渡米したのですが、バンド活動だけでは生活が成り立ちませんでしたので、さまざまなアルバイトを経験した1つに鉄板焼きがあり、それがきっかけで料理の道を選びました。
調理専門学校に通った経験もありませんでしたので、まさに何も分からないままこの世界に飛び込んだ感じです。
 
ときには毎日毎日、先輩たちの包丁研ぎだけしかさせてもらえず、朝から晩まで働き睡眠時間は2 時間ほど、それで週に2 万円の収入しか受け取れなかったことに納得できず、店を飛びだしたこともあります。ときには修業のために20 店舗のレストランを勤め先の勤務時間までギリギリ回っていたこともあります。
とにかく知識も技術もゼロからのスタートでしたから、人より多く学ばなくてはならないという思いが強かったですね。
そのうちに仲間や先輩にも恵まれ、オープンの立ち上げから関われるようになるなど、少しずつ認められるようになった次第です。

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