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2021年10月1日号 トップインタビュー (株)スノーピーク 代表取締役社長 山井 梨沙 氏

トップインタビュー (株)スノーピーク 代表取締役社長 山井 梨沙 氏

【月刊HOTERES 2021年10月号】
2021年09月30日(木)
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----ホテル業界は安価格帯での販売に限界を感じており、高付加価値としてグランピングをとり入れたいと考えるケースが散見されるようになりました。御社にとって、実際にはどのような富裕層マーケットの顧客の方たちが存在するとお考えですか

 弊社からの視点でお話できるとすれば、当社にはポイントカードシステムがあり、スノーピークのポイントを保有している方が 50万人ほどいらっしゃいます。上位ランクのロイヤルユーザーは高所得な方の割合が多く、ビジネスエグゼクティブの方々が顧客となっています。キャンプに出会って人生価値が高まった、いままで都心で孤立生活を過ごしていたのが、キャンプ仲間が増えて人生が豊かになったという話もたくさんいただいています。アウトドアやキャンプの人を癒やす力は偉大なので、ビジネスマンにはぜひ届けたい価値ですね。 
 
----宿泊業界内で、ホテルが敷地の空きスペースに少々イージーな発想でグランピングスペースを企画するケースがあると聞くことがあります。そういう流れをどのように感じられていますか

 自然環境は危険が伴うことが多々あります。急な悪天候や防風でテントのポールが折れて潰れてしまったり。われわれの新規顧客は、ここ 2年間で 20万人ぐらい増える見通しですが、最近怪我の報告も多くなっています。アウトドア業界全体で見れば、新規顧客や自然体験が提供できる宿泊施設が増えるのはありがたいことですが、自然イコール危険が伴うという意識をしっかり持たれないと大変なことになると懸念しています。

 

宿泊業への参入を通してキャンパー以外にもライフバリューを提供

----近年は長野:白馬など宿泊業も手掛けられているとのことですが、参入をされた目的は

 宿泊業に参入した目的の一つが新規顧客の開拓、もう一つは地方創生です。 現状、日本のキャンプ人口は約 7%と言われています。宿泊事業への参入は既存のキャンパーに加え、まだキャンプを楽しんだことがない残りの 93%の方に週末1泊2日のステイを通して、少しでも人間性を回復していただきたいという意図があります。当社が手がけているグランピング施設「スノーピークフィールドスイート 白馬・北尾根高原」は、実は女性客の比率が高く、それこそテントの張り方がわからない方やお母さんと娘さんなどもいらっしゃいます。こうした新規顧客へのアプローチは徐々に実績が増えているところです。
 
  地方創生に関しても白馬がよい事例です。白馬はウインターシーズンは収益がかなり上がるものの、夏場は観光客が少ないのが現状です。こうしたグリーンシーズンをスノーピークで盛り上げてもらえないかという話をいただき、北尾根高原にグランピング拠点の「フィールドスイート」と、山麓に宿泊を含む体験型複合施設「ランドステーション」を開発しました。「フィールドスイート」は、もともと白馬の八方尾根のスキー場の管理運営をしている、八方尾根開発に FC契約で運営をしてもらっています。年間稼働率は、このコロナ禍で海外旅行にいけない背景もありますが、平日も含めて 90%に達しています。1泊 10万円以上の単価ですが、それでも自然と関わりたいお客さまがいるというポテンシャルを感じています。 
  
----キャンプやアウトドアの価値を見出してくれる方の裾野を増やす施策の一つとして、宿泊業に参入したということでしょうか

 人間性を回復していただくためのライフバリューを提供できる手段が増えたというイメージです。もちろん、実際にキャンプを始めていただくことがベストケースだとは思いますが、グランピング体験を通してスノーピークの提案する価値を実感していただくことも目的です。それに近いところでは現在、「食」に関しても、野生の感覚がおいしいと感じる食体験ができレストラン「Snow Peak Eat」を5拠点、その土地の自然と、人と五感でつながる食体験を提供するレストラン「Restaurant 雪峰」を1拠点で展開しています。 

 

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