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第7-1.2回 リック・増田の語学だけじゃない、押さえておきたいお国柄と食文化

第7回 韓国、中国

【月刊HOTERES 2015年11月号】
2015年11月11日(水)
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インバウンドが急速に増すなか、日本人のみならず外国人にも高度なおもてなしを提供する体制を整えることが急務となっている。しかしながら、自国以外の文化や習慣などは認知がされておらず、語学面で整っていたとしても、ゲストと接するための一歩が踏み出せていないのが現状である。本連載では諸外国のお国柄をはじめ、それぞれの国のビジネスマナー、食習慣などにフォーカスし紹介する。
 
第7-1 回韓国
〈国民性〉
社会的地位や年齢の差、学歴、出身地、性別などが人間関係においては重要なファクターとなっている。
 儒教思想が根強く、民族としての誇りを非常に大切にしている。過去の日韓の歴史的経緯から、日本人に対して複雑な思いを抱いている人が多いのも事実である。しかし、最近は文化交流を通じて対日感情に変化が見られるようになった。
 
〈接待・贈り物〉
韓国料理は基本的にスプーンで食べ、食器類は手にもって食べることはなく、手に持つことはマナー違反である。
 食卓には一般的にステンレス製スプーンとおはしが用意され、おはしはおかず専用のもので、食事をする際はスプーンを中心に使う。韓国料理の場合、ご飯の器が銀製やアルミ製のものが多く、ご飯茶碗が熱くて持てないので、スプーンで食べるのが一番食べやすい。
 
〈挨拶・ジェスチャー〉
韓国の文化では手を添えなければ(特に相手が目上ならば)失礼になり、絶対に欠かせないマナーである。
 モノの受け渡しを行なうときは必ず手を添えるのが韓国での最低限のマナー。韓国では基本のマナーとして、たとえ片手の動作でも使わない方の手は下に置かずに、使う方の手に手を添える(多くの場合、左手を手首と肘の真ん中辺りに添える)というマナーがある。 格上・年上の人と握手をするときは、握手をしない方の手を、自分の胸にあてるか、または右ひじに軽く添える。そして、あまり強く握らず、ソフトな握手を交わす。
 
〈韓国料理と好む日本食〉
韓国料理の特徴として「薬食同源」というコンセプトが根底に根付き、食べるものはすべて薬になるという考え方である。従って、食を重要視している韓国人の食卓には、ご飯、スープ、メイン料理、おかず、キムチが必ず並び、バランスの良さが特徴である。
 体の中からきれいになる韓国の発酵食品、発酵食品の歴史は長く、食べ物が少なくなる冬に備えての保存方法に発酵があり、魚介類や果実はこの形がとられていた。後に醤(ジャン)や酒が生まれたことで、韓国発酵食品の根幹が形成され発展に至った。 韓国は三方を海に囲まれ、山脈が連なる。地域により気候が異なることから、その土地ならではの多彩な郷土料理が生まれた。また、焼肉文化と韓国の肉食の歴史・焼肉の起源も古く先史時代から始まったと考えられる。先史時代は比較的水産物が採取されやすかったが、大陸の人たちが移動しながら、狩猟を行なっていたためその影響を受けたのである。
 
 主食で最も代表的なものはご飯。雑穀や豆、野菜などを混ぜて炊くことが多く、五穀ご飯については節食にもなっている。食事のときはスープが用意されるため、クッパにして食べる方法がたびたびとられる。日本に比べてお粥の頻度も高く、病気以外にも朝食として食べられる。
 
スープの種類としては「クク」は中に入る食材が少なく、汁の量が多めのスープで一人前ずつ出される。韓国のお誕生日食のワカメスープはククにあたる。「湯(タン)」もククと同様に具が少なく汁が多め。ククよりも肉や海鮮を使ったものや、長時間煮込むものをタンと呼ぶことが多い。
 
「チゲ」は汁が少なく、野菜・肉・海鮮などが具たくさん。土鍋や鉄鍋で出されることが多い。
 
「チョンゴル」は少ない汁で煮る鍋の調理方法で、鉄鍋で出される。鍋に材料を並べスープを加えて、食卓ですき焼きのように加熱しながら食す。チョンゴルは宮廷料理から生まれた伝統料理にあたる。
 
「サム文化」は今や日本でも浸透し、焼肉を野菜で包んで食べる方法である。これは高麗時代から、おかずやご飯を葉物野菜で包んで食べるサム文化により、おのずと野菜を多く摂取できるようになっているのである。
 
 副菜のおかずは和え物、煮付け、炒め物が中心。その種類は一つ二つですませない。家庭の冷蔵庫には、長期保存ができるミッパンチャンと呼ばれる「常備菜」がいつもある。まとめて作っておき、それを毎食食べている。半端に残った常備菜は、ご飯に加えてビビンバに、キムチも含めて生活の知恵の一つである。
 
 日本食に関しては、日本が韓国統治時代に日本食が持ち込まれて以降、日本食は韓国人の食生活の一部になっており、スーパーなどで売られている食材は日本とまったく変わらず、最新の日本食のチェーンレストランも多く存在しており、韓国を訪れていても日本にいると勘違いするほどである。
 

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