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第7-1.2回 リック・増田の語学だけじゃない、押さえておきたいお国柄と食文化

第7回 韓国、中国

【月刊HOTERES 2015年11月号】
2015年11月11日(水)
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第7-2 回中国
〈国民性〉
地縁や血縁を重んじる傾向が強く、自分の所属する集団への帰属意識が強いのが特徴。相互扶助の精神も行き届いており、仲間に対しては苦労をいとわず親身になって世話をやく。
 中国では、「礼儀」、「寛大」、「信義」、「勤勉」、「親切」の五徳が最大の美徳とされてきたが、最近では資本経済の浸透により国民性にも変化が見受けられる。人口約13 億4000 万人(2012年)、面積約960万㎢(日本の約26 倍)、民族構成は、漢族が人口の92% を占め、その他の55 の少数民族が残りの8% を占める。
 
〈接待・贈り物〉
時計、傘、扇子、梨、靴、緑の帽子、ハンカチ・タオル等は贈呈品のタブーとされていて、また、靴下やタオルなどの日常品など普段使いのものは全般的に好まれない。贈り物の包み紙の色も禁忌があり、葬式の色である白は絶対に使わない。
 接待の際、メニューの品数がたくさん出されるので、最初から食べすぎないようにする。料理を全部食べてしまうのはホストが十分にもてなしていないことを意味し、失礼にあたるがたくさん料理を残すのも失礼になる。皿・大皿が空だと食べ物が足りないという意味になる。おかわりを希望する場合以外は、最後の一口を残す。最後に残った食べ物を大皿から取らない。
 
〈挨拶・ジェスチャー〉
握手の際に注意する点は、相手と同じ力で握ることである。力のない握手は「死んだ魚」と言われ相手に対して失礼にあたる。
 最初の挨拶はうなずくことが一般的。お辞儀は何らかの儀式以外ではあまり行なわれない。握手もよく行なわれる挨拶の一つ。相手の中国人がどういう仕草で挨拶してくるかを待ち、同じ方法で挨拶するようにする。中国人は話すときに手を使わないので、あまり大げさな表情やジェスチャーはしないようにする。
 
〈中国料理と好む日本食〉
日本では中国の料理の呼び方が中華料理と中国料理と二つある。現在、中華料理は日本人の味覚に合うように味付けされた料理、中国料理は本場中国・中国本来の料理というとらえ方が一般的となっている。 
 
中国には3 本の大河、黄河、揚子江(長江)、珠江によって中国の歴史と食文化が創られたといっても過言ではない。中国料理は気候、風土によって各地方ごとに独特の料理が発達した。そして、その味はだいたい4 種類くらいに分けることができる。
 
「北京料理」は代表的なもので北京ダック、回教徒の料理、ジンギスカン料理、中国風のしゃぶしゃぶなどがある。寒さの厳しい土地柄と肉体労働する人が多かったせいか、塩漬けや脂肪類、みそを生かした、カロリーの高い料理が多く見られる。
 
「上海料理」は揚子江の下流に発達した都市の味と沿海の新鮮な魚介類をふんだんに使った料理がたくさんある。一匹の魚でも頭の料理から尾の料理までとむだなく利用し、その調理法と味付けは変化に富んでいる。その中でもかに料理は有名で、中秋の名月が近付くころは蒸して食べ、その後は酒に漬け込むのである。
 
「広東料理」は鮮度の良い魚介類も豊富なので新鮮な材料の持ち味を生かす淡白な味付けが多く見られるのも特徴の一つ。ほかにも広東料理で見逃せないのがバラエティーに富んだおいしい点心の数々。飲茶は広東人の日常生活に欠かせないものである。
 
「四川料理」の味は辛さやしびれるような味が中心で、色、香、味、形の四つをとても重視している。独特の調味料や香辛料が使われる中でも豆板醤は欠かせないものとなっている。代表的なものに麻婆豆腐や棒棒鶏や回鍋肉、担々麺などがある。
 
 現代の中国では、朝の食事は大半の家庭では屋台の食事ですますことが多い。中国の屋台は品数も豊富で値段も安いため、一般的な家庭でも気軽に利用できる。よく食べられているメニューとしては餃子やシュウマイ類、ラーメン、お粥などがある。昼食は1 時間半から3 時間程度のランチタイムがあり、学生たちは家に帰って食事をしたり、友人と屋台で食事をする。夕食は家族そろって各家庭で食べることが多く、ご飯を中心として、野菜や肉、魚を炒めたものと、煮物類、スープといったものが食される。
 
 好む日本食に関しては、昔から中国人の華僑が日本に住み着き、中華料理も日本人好みの味にあわせていたこともあって、日本食をすべて研究しつくしているという感じはあるが、最近ではグローバルなファッションもあり、昔から熱を加えないと生のままで食さなかった刺し身を好んで食すようになり、中国人のマグロの消費量は世界一とも言われている。
 

オフィス・マスダ 代表
リック・増田
〈profile〉横浜生まれ、アメリカ国籍、ハワイ大学旅行産業マネジメントコースで主にホテルマネジメントとマーケティングを学ぶ。アメリカ在住20 年、1987 年から韓国グランドハイアットソウル副総支配人を含めアジアでのアメリカ企業勤務8 年、93 年ハイアットコーポレーション東京事務所ディレクターオブセールスを歴任。94 年オフィス・マスダ設立。主にグローバル企業でのマネジメント、マーケティング、リーダーシップ、プレゼンテーション、ネゴシエーションスキル教育コンサルティング、バイリンガル人材教育、地域での観光活性化、観光地・ホテル・旅館の英語でのホームページ作成に携わり、最近ではホテル・旅館でのFB 関連の語学&異文化教育トレーナーなども務める。

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