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第8-1.2回 リック・増田の語学だけじゃない、押さえておきたいお国柄と食文化 

第8-1.2回 台湾、香港

【月刊HOTERES 2015年12月号】
2015年12月11日(金)
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第8-2 回香港
〈国民性〉
一般的に家族単位や自分が属する社会的なグループの意思を尊重し、あまり個人的な感情は表に出さない。生活基盤として一番大切なことは家族または、一族の繁栄である。
 
 人口は約701 万人、面積1104㎢(東京都の約50%)、民族構成は漢民族約98%。宗教は仏教、道教、キリスト教、回教、ヒンドゥー教、シーク教、ユダヤ教など。言語は中国語、英語(いずれも公用語)。
 
〈接待・贈り物〉
香港では有名な中華レストランでのフルコースの宴会が常識で、中国酒やウイスキーなどの杯を各コースで交わすことが習慣になっている。
 
 香港人とのビジネスは常に相手側の人間性を重視するため、個人的な関係を構築することが第一である。特に中国系とのビジネスの構築は食文化に常に重きをおかれるため、初めに夕食などを数回ともにするなどして相手との信頼関係を築くことから始まる。
 
〈挨拶・ジェスチャー〉
香港人のビジネスマンの服装は黒色系のスーツと長そでのドレスシャツにネクタイが一般的であり、女性は明るい色のブラウスにスーツが一般的。
 
 外からビジネスとして香港を訪れるときは、ダークスーツに長そでの白系ドレスシャツにネクタイが一般的である。もちろん気候的に適していない時期もあるが、イギリス領であったときのなごりがまだ習慣として残っているため、このような服装は歓迎される。
 
〈香港料理と好む日本食〉
香港人は「食得係福」(食べることは福につながり幸せである)という考えをもち、おいしい料理は長く記憶に残り体が覚えていると考えている。そのため、家族の記念日やお祝いや友人などとの宴会ではおいしい中華のフルコースを食す。
 
 香港人は昼前の挨拶では「こんにちは」の代わりに「吃飯了馬」(もうご飯は済みましたか?)をよく使い、まだであれば一緒に食べましょうという意味が込められている。仕事や人間関係を円滑にするために食事を一緒にしましょうというのは世界共通である。
 
 食べるなら単においしいだけではなく体に良いものを食べる「医食同源」を基本としており、消化に良く体を温め、栄養のバランスが取れたメニューを選んで食事をしている。そのため冷たい料理よりも温かい料理が多く、肉と一緒に野菜を必ず食べることがごく自然にできている。
 
 香港の中華料理はその味や種類の豊富さにおいて世界一と言っても過言ではなく、香港人にその理由を聞いてみると「食材がアジアから豊富にそろうこと、料理人のレベルが高いこと、香港人の舌は肥えておりレストランの競争が厳しいこと」を挙げていた。まさに「食在香港」である。
 
 香港には広東料理のレストランが最も多いが、上海、北京、四川、潮州料理などほかの中華料理の店もすべてそろっており、店も多くひしめき合っている。昼食の飲茶では、焼売、春巻、餃子、又焼包(チャーシューパオ、チャーシューを小麦粉の生地で包んだもの)、ちまきなど、珍しい点心がワゴンで運ばれるのも大きな楽しみである。
 
 香港では、以前からインスタントラーメンや各種調味料などを中心に、日本ブランドの加工食品が数多く流通しており、特に菓子類は「味・風味の良さ」「魅力的なパッケージ」などから大変人気があり、定番のナショナルブランドから各地方のローカルブランドまで幅広く店頭に並んでいる。
 
 一般の香港人が刺身・すしを受け入れるようになってから久しくなるが、今では鮮魚以外に日本産の水産加工品(練り製品、缶詰など)なども好まれるようになっている。また、中国産食品への不信の高まりなどを背景に、日本産の生鮮食品(野菜・果実・卵・牛乳等)がここ2 年ほどで急増している。
 
 特に好む日本食としては、中国系の富裕層が好む伝統的な刺身やすしなど(特にマグロ)は日本でも高価であるのにも関わらず、新鮮な旬の時期に食べられるということでステータスになっている。富裕層な中国系の個人旅行客としての消費者が、最近特に高価な旬の日本食を求めて日本中どこでも旅行している姿が目立っている。

オフィス・マスダ 代表
リック・増田
〈profile〉横浜生まれ、アメリカ国籍、ハワイ大学旅行産業マネジメントコースで主にホテルマネジメントとマーケティングを学ぶ。アメリカ在住20 年、1987 年から韓国グランドハイアットソウル副総支配人を含めアジアでのアメリカ企業勤務8 年、93 年ハイアットコーポレーション東京事務所ディレクターオブセールスを歴任。94 年オフィス・マスダ設立。主にグローバル企業でのマネジメント、マーケティング、リーダーシップ、プレゼンテーション、ネゴシエーションスキル教育コンサルティング、バイリンガル人材教育、地域での観光活性化、観光地・ホテル・旅館の英語でのホームページ作成に携わり、最近ではホテル・旅館でのFB 関連の語学&異文化教育トレーナーなども務める。

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