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第10 回 森田 司  ブラック企業ではなく「優良企業」と認定されるための手引 

第10 回 「安全衛生の優良企業認定取得を目指して新規顧客獲得営業を向上する」

【週刊ホテルレストラン2016年04月01日号】
2016年04月01日(金)
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 私はこれを「心のバリアフリー化=ソフトウエアのバリアフリー化」と呼んでいます。つまり、これからの時代のビジネスリーダーになるためには<相手本位>の思考と言動行動を日常的に行なえる内部顧客=従業員を育成し、外部顧客=お客さまにファンになってもらうための労務管理が必要不可欠なのです。そして、この労務管理こそが新規顧客開拓の向上に効果を発揮します。それは、ホスピタリティーを充分に発揮できる内部顧客=従業員の育成を御社の<シーズ>にするということであり、安全衛生の優良企業認定取得を目指した安全衛生活動のなせる業です。
 
 なぜならば、ホスピタリティーを発揮するのは、内部顧客=従業員だからです。ホスピタリティーの発揮をシーズにする労務管理は、従業員の満足度(ES)を向上することだけでは難しく、ベストパフォーマンスを発揮するためのコンディショニングとセットにする必要があります。以下、四つのキーワードでホスピタリティーをシーズ化する労務管理を解説します。
 
 まず、従業員にワーク・エンゲージメントを求める、ことから始めます。※資料を参照ください。ワーク・エンゲージメントについては、以前も触れたと思いますが<熱中・集中・活力>をあらゆる仕事のシーンで持続して働くことを約束する、というものです。<熱中・集中・活力>は、メンタルヘルス対策の推進においても重要なのです。中でも<活力=体力・精神力・回復力>を整えることは<ヒューマンエラーマネジメント=人災防止対策>においても重要であり、その実現には、労使双方が自覚と責任を持って、安全衛生活動を推進することが求められます。労使双方が自覚と責任を持つためには、処遇と連動させた評価項目にワーク・エンゲージメントを加え、同時にこれを実現するための教育研修も導入することが必要になります。もちろん、管理職の職能職責にもワーク・エンゲージメントの実行を加えるべきだと考えます。従業員のすべてがワーク・エンゲージメントの実行を達成するためには、安全衛生の優良企業認定の審査における加点項目の「健康管理」「メンタルヘルス対策」「過重労働対策」という重要なカテゴリーに注力することになります。
 
 次に、内部顧客=従業員に安全活動の日常化を求める、ことです。ホテル観光や飲食業界は医療介護保育業界とよく似ており、お客さま(利用者)目線での安全管理には取り組んでいるが、従業員目線の安全管理は不十分です。例えば、調理や清掃といった作業におけるヒヤリハット、KYT、5S 活動に真剣に日常的に努力させることを指導します。
 
 同様に、内部顧客=従業員に衛生活動の日常化を求める、ことも徹底します。従業員目線での衛生管理が不十分な実態を改善するのです。例えば、職場のコミュニケーション改善を単にビジネスマナースキルアップという観点からだけ行なうのではなく、ハラスメント対策を意識したカリキュラム内容で行ないます。また、ストレスチェック制度の導入をきっかけに、一次予防のメンタルヘルス対策として適性検査などにより、従業員のタイプ別ストレス反応ポイントを把握し、そのデータを活用したコミュニケーション改善を行ないます。健康管理の基本である<睡眠・食事・運動>に関する情報提供やワークショップを外部顧客&内部顧客向け企画として開催することも良いと思います。熱中症対策、腰痛対策、感染症対策なども、お客さま&従業員向けのイベントとして企画し実行できたら非常に効果的です。美容やダイエットというキーワードに関連したメニューで平日の空室やランチビュッフェのお客さまを獲得した営業戦略と似ているところがありますね。このような私の提案を実行することは決して難しいことではありません。
 
 しかし、本当に成果を求めるならば、安全管理と衛生管理の日常化を単に「努力しなさい!」と指示命令するだけでは難しいでしょう。それではどうしたら良いのか? これらも、ワーク・エンゲージメントと同じく<人事制度の見直し>により評価と処遇と教育が連動する仕組みを構築・運用することにおいて、労使双方が自覚と責任を持った、成果の高い取り組みになると考えます。
 
 最後に、前述した取り組みをインターネット環境、SNS を駆使して露出し外部顧客の獲得につなげることをお勧めしています。露出する内容にも工夫が必要です。「弊社は従業員を内部顧客とし、その内部顧客がワーク・ライフ・バランスを実現できる職場環境と人材のコンディショニングに努力しています。それが、コンプライアンス以上の安全衛生活動の推進と従業員の本気本音健康を引き出す人事制度の運用という具体的な取り組みです」のようなPR 方法を私は提案しています。そして、「当社は外部顧客=お客さまのワーク・ライフ・バランスの実現をお手伝いするべく、質の高いホスピタリティーをご提供しているホテル(レストラン)ですので、ぜひ、一度、足をお運びください」のようなアプローチをするのです。
 
 新規顧客獲得と安全衛生の優良企業認定の取得が線でつながりましたか? 次回は既存客の囲い込みには、安全衛生の優良企業認定取得を目指した安全衛生活動が有効ですよ! という内容で解説をいたします。お楽しみに。

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