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第2回 木村滋久のNZワイナリー日記

第2回「キムラセラーズとワイン造り」

【月刊HOTERES 2015年05月号】
2015年05月15日(金)
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海外で「ワインを造る」とは

 みなさんは「ニュージーランド( 以下NZ) でワイン造りをする日本人」という言葉に、どのようなイメージを持ちますか。広大なブドウ畑、大きなタンクや樽貯蔵庫などがある醸造施設、そして畑に囲まれたお洒落なテイスティングルームなど、さまざまなことを思い描くのではないでしょうか。そんなイメージとは裏腹に、キムラセラーズは自社のブドウ畑も醸造所も所有していません。ましてやテイスティングルームなんて、遠い夢のような話。そうなると「畑も醸造所もないのにどうやってワインを造っているのか?」と思う方もいらっしゃるでしょう。これからワイン造りを志す方にとっても重要なことですが、現在まで地元農家が所有する畑の一画を契約し、家族経営の小さなワイナリーの醸造施設の一部をお借りしながらワインを造っています。年間を通して人を雇うのは、ブドウの収穫時のみ。基本的な運営・管理は、妻と私の二人で行なっています。そのため生産量に限定し、年一回のみのリリースで、日本の輸入元の㈱ヴァイ&カンパニーでは、全てのワインが期間限定商品になっている。私たちキムラセラーズは、そんな家族経営ワイナリーです。

ラベルへこめた想い
私たちが目指すワイン

 NZ のシンボルに、コル(koru)と呼ばれるNZ 原産のシダの新芽があります。NZ 航空のロゴやアクセサリーのモチーフとして使われていますが、「新しい始まり」「成長」「調和」などの象徴と言われています。コラム上面にあるロゴが、キムラセラーズのワインの“ラベル”ですが、初ヴィンテージをリリースするさい、シダの新芽と日本の象徴でもある桜でワインのロゴを作りたいと思いました。NZと日本を繋ぐこと、そしてキムラセラーズの出発と発展の願いが、このラベルには込められています。喜ばしいことに、ラベルの意味合いから私たちの生産するワインは、結婚式や記念日などのお祝いのギフトに好まれています。

 ワイン造りへの思想は生産者によりさまざまで、個々の性格や情熱が、ワインの個性や品質に反映するとよく言われます。時々日本に帰国すると「目標にしているワインは?」、という質問をよく頂きます。ワインが大好きな方は体験されたことがあると思いますが、本当に美味しいと思うワインと出会うと、人は自然と笑顔になります。キムラセラーズの目標は、そんな素敵な瞬間を、ひとりでも多く方に感じてもらえるワインを造ること。また今月は、昨年に仕込んだ私たちのワインの販売開始を予定しておりますので、みなさんにそんなひとときを提供できたらと願っています。

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