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第35回  今村 慎太郎  本当のアレルギー対応を識る ――意外にも不完全な現状に喝! 

第35回 活動のキーワードは「食物アレルギーと旅」

【週刊ホテルレストラン2018年06月08日号】
2018年06月08日(金)
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大好きな旅と息子の食物アレルギーを
きっかけに活動開始
 
「私たち夫婦は旅が好きなのですが、息子の食物アレルギーをきっかけに食物アレルギーがあると旅がしにくいことを知りました。日本では、食物アレルギーとお出かけに特化した情報が見つけにくいため、私自身のWEB デザイナーとしての経験を生かし自らWEB メディア『アレルギーっ子の旅する情報サイトCAT』を立ち上げました。
 
『食べられない』という理由だけで、子どもの貴重な経験を奪い、成長の可能性をなくしてしまいたくないという思いがあり、食物アレルギーと旅をキーワードに活動をしています。現在は、WEBメディア『アレルギーっ子の旅する情報サイトCAT』運営に加え、アレルギー児家族と旅がしやすくなるよう、イベント運営やフリーペーパー『WAKUWAKU』の制作、アレルギーマークプロジェクトの運営などをしています」
 
食物アレルギーと
旅に対する患者家族の声
 
 旅と食物アレルギーをキーワードに活動をする村田さんの周囲には、どのような声が集まるのかお聞きしました。
 
「アレルギー対応について理解が広がっている今、食べられるものは増えてきていると思います。しかし旅行中の『その土地の名物を食べたい』と思う人が多くいるものの、食物アレルギーがあるとそれがかなわず悲しい、という声が多いです。結局いつものチェーン店で食事をする、コンビニエンスストアのおにぎりで食事をするという選択肢しかないのが現状です。
 
 食物アレルギーがある人の外食は、食べられなかったというこれまでの第一ステージから、次のステージが求められているのではないのでしょうか。ただ食べられれば良かった、おにぎりでも良かったという時代から、みんなと同じものが食べたい、そこでしか食べられない名物が食べたいというのが、今私のところに届いている声です。食物アレルギーがある人たちはそこを我慢し、『それは無理なこと』とあきらめているのも事実です」
 
広がるアレルギーマーク
 
 最近、マスコミに取り上げられ話題になったものがあります。食物アレルギーがあることを気軽に周囲に伝えるマークです。このマークの制作・配布を手掛けたのが村田さんです。このアレルギーマーク制作・配布に至った経緯や、マークを利用している人たちの声をお聞きしました。「このアレルギーマークは、食物アレルギーがあることを気軽に発信し、大切な人や自分を守るということと、食物アレルギーがある人が実は身近に存在することを知ってもらいたい、という思いで制作しました。マークの画像データを無償で提供しており、使い方は自由です。多くの方がご自身でハンドメイド作品やキーホルダーにして身につけています。
 
 この取り組みは、毎日新聞・朝日新聞・読売KODOMO 新聞・海老名市版タウンニュースに掲載されたことで、大きな広がりになっています。利用者からは、『子供が卵と乳製品のアレルギーを持っています。幼稚園に通うようになってから、親から離れて行動することも増えてきました。緊急時だけではなく、日常生活の中でも、一歩間違えれば危ないこともたくさんあるので、このマークを利用させていただきたいです』というものや、『子供が複数のアレルギーを持っています。わが子や本人以外のアレルギーにはあまり気にせずお菓子をもらったりして困ることもあるので、周囲に知ってもらうきっかけになればいいなと思いました』などの声が寄せられています。食物アレルギー患者本人やその家族からだけでなく、学校関連施設、保育園、病院、ハンドメイド作家さんからのお問い合わせも多くあります。食物アレルギーがない方たちからも、食物アレルギーがある人たちへ何かできることはないかと手を差し伸べてくれる、そのきっかけの一つになっていると思います」
 
「違ってもいい」から「みんなと同じ」へ
 
 最後に、村田さんの願う今後の社会についてお聞きしました。
 
「今、アレルギー児の食事は『みんなと違うものでも良いので、食べられれば良い』という時代から、『みんなと同じものを食べる』という時代に変わってきています。家族と同じもの、友達と同じものが食べられる、食のバリアフリー化です。もちろん食物アレルギーは多種多様であり実現することは簡単なことではありませんが、だからこそ、非日常である旅の場で、日常にはない『みんなと同じ食べ物』が叶う社会になればと願っています」
 
 まだまだ当事者が立ち上がらなければならない食物アレルギーの領域。しかし、このような活動が周囲を巻き込み、社会を動かしているのだと感じます。患者家族の望むことと、事業者としてできることにはとても大きな壁がありますが、少しずつ着実に変化しています。
 
Topics
 CATではアレルギー患者家族向けのお出かけ情報に特化したフリーペーパー「WAKUWAKU(6月発行予定)」を制作中です。フリーペーパーを設置してくださる場所や、次回フリーペーパー(2019年2月発行予定)の取材施設を募集しております。
 
 お問い合わせは「アレルギーっ子の旅する情報サイトCAT」(http://usapen.info/)まで。

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