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2020年4月3日号 FROM THE PUBLISHER 太田 進

FROM THE PUBLISHER 太田 進 500億円のレジデンス

【週刊ホテルレストラン2020年04月03日号】
2020年04月02日(木)
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 これまで不動産開発でホテルばかりが注目されている時代が続いていたが、いよいよ日本でも高級レジデンスが注目される時代がやってくるかもしれない。

 ここ数年、海外の都市で高級レジデンスの価格がわれわれの視点からするととんでもない価格になっている。数億なんてレベルではない。東アジアでは香港の天匯(英名:39 ConduitRoad)が2015 年に当時の日本円換算で約92億円で売買が成立したほか、アメリカではニューヨークの432 Park Avenue が約111 億円、One57 が約120億円(ともに当時の為替レート換算)で売買が成立している。さらに、ヨーロッパではロンドンでOne Hyde Park Penthouseが約260億円、さらにモナコのTour Odeonは約470億円で売買が成立した。

 国内でもマレーシアのベルジャヤ・コーポレーションが開発した京都のフォーシーズンズホテルがレジデンスを併設し、中には10 億円以上の価格をつける部屋もあって国内では話題になっていたが、京都という立地を考えればもっと高額でも売れたかもしれない。
 

実際、それを私の投資家の知人が視察に行ってきたが、「3 ベッドルームが少なく、それらは先に買い手が決まってしまっていた。残っているものは小さなものばかりで金額も安く興味がない」と言っていたのが印象的だった。 そんな中、今年になって、久々に興味深いなと思わされたのが表参道でアジア系の投資会社であるBaring Private Equity Asia の不動産部門チームが開発を進めている「MARQOMOTESANDO ONE」だ。一部屋67 億6000 万円台という金額が日本でも大きな話題を呼んだが、一部ではすでに買い手が決まったという噂もある。これが日本の高級レジデンスの市場を切り開くきっかけとなる可能性がある。

 こうしたレジデンスではハード面も大切だが、より重要なのは付帯しているサービスやホスピタリティーだ。子供の面倒や学校の送り迎え、ペットの散歩からはじまりレストラン、スパセラピストの予約、パーティーのセットアップの手伝い、ケータリングやシェフの選定、出張や旅行のための飛行機の手配や送迎サービスなど、ホテルのコンシェルジュを超えるバトラーのようなサービスが求められる。そして、海外ではホテリエがそうした高級レジデンスに数多く転職し活躍している。今後、日本のホテリエにもそうしたチャンスが訪れるかもしれない。

 高級レジデンスという領域では日本はまだ世界から取り残されている状況だが、逆を言えば今後伸びしろがあるとも言える。今回の「MARQOMOTESANDO ONE」は間違いなく高級レジデンス市場に影響を与えるであろう。近年は不動産開発でホテルばかりが注目をされていたが、仮にホテルを作る際にすべてを客室にせず、こうした高級レジデンスを併設するという発想があっても良いかもしれない。

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